広島の怒り天皇を直撃 原爆ドーム前 戦争阻止へ実力抗議
8・6ヒロシマ大行動実行委員会の呼びかけに応えて6月19日、100人が結集し、全学連を先頭に天皇広島訪問弾劾の行動を打ち抜いた。抗議の声は平和記念公園を訪問した天皇を直撃し、新たな戦争に向けた「挙国一致」体制構築の狙いを打ち砕いた。
弾圧粉砕しデモ
正午、原爆ドーム前で全学連の神野豊典さんが8・6ヒロシマ大行動を代表して今回の行動の意義を訴えた。神野さんは、連続する天皇の沖縄や広島・長崎への訪問の背景には米日帝国主義の中国侵略戦争への突進があることを確認し、「その狙いは、新たな侵略戦争に向かって天皇のもとへの国民統合をつくることだ」と喝破した。そして今回の天皇訪問に際し、かつて大日本帝国がアジア侵略の際に行ってきた「提灯(ちょうちん)で勝利を祝う」ことを想起させる「提灯奉迎」を、広島県や市、教育委員会が積極的に企画し、そこに子どもを動員していることに触れ、「まさしく再びの戦前だ」と怒りをあらわにして「天皇を直撃する反戦デモを闘い抜こう」と力強く呼びかけた。
そのうえで神野さんは、「戦時下の差別・排外主義を打ち破り、青年・学生・女性が全力で闘い抜けるようになるため、運動内で発生した女性差別と徹底的に闘う運動体に8・6ヒロシマ大行動が飛躍すること」を宣言。昨年、8・6ヒロシマ大行動が青年・学生・女性を先頭とした決起で原爆ドーム前の集会規制をはね返した勝利を思い起こし、「この力を全ての人の決起へと広げよう」と決意をみなぎらせて訴えた。
続いて被爆2世の壹貫田康博さん、婦人民主クラブ全国協議会の伊豆ハルミさん、全学連副委員長の陳悠生さんが発言に立った。天皇訪沖弾劾闘争で不当逮捕・起訴された全学連のAさんと6・14全国闘争で不当逮捕されたBさんの即時奪還へ闘うことを確認し、意気軒高とデモに出た。
天皇制の権威を守るために大量に動員された機動隊に囲まれながらも、デモ隊は「天皇は広島から出ていけ」「天皇制を粉砕するぞ」「中国侵略戦争を阻止しよう」と熱く訴え、戦闘的にデモを貫徹した。
その勢いに恐れをなした警察は解散地点の元安橋交差点に機動隊車両を配置して封鎖した。しかしデモ隊は一歩も退かず対決してスクラムを組み、再び原爆ドーム前に到着。天皇の平和公園訪問を徹底弾劾して午後3時ごろまで声を公園中に響き渡らせ、その声は天皇を直撃した。
提灯奉迎を弾劾
午後6時30分からのデモは、天皇への怒りの声が湧き上がることを恐れた警察によってコースが変更されたが、デモ隊はそれをも決起のバネに変えてデモを貫徹し、そのまま「提灯奉迎」会場(ひろしまゲートパーク)と道路を挟んで向かい側となる原爆ドーム前へ。提灯奉迎と天皇を守ろうと何重にも列を組んで妨害する機動隊と対峙しながらデモ隊は力強く声を上げ、その声は提灯奉迎の会場に響き続けた。夜8時30分まで行動を貫徹し、「天皇訪問の狙いを粉砕した!」と勝利を宣言して闘いは締めくくられた。
今回の天皇訪広では、地元小学生に対する天皇・皇后の「お声がけ」なるものも計画されていたが、8・6ヒロシマ大行動実行委の闘いを前にして「波風を立てられたくない」と考えた宮内庁が直前に中止していたことも明らかになった。
今夏8・6広島闘争へさらに荒々しく闘おう!
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