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三里塚新やぐら裁判、「NAAの解約は無効だ」

20160928a-1.JPG 9月26日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、新やぐら裁判第6回の弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さんの天神峰の畑に立つやぐら、大看板などの4つの工作物について、収去とその底地の明け渡しを求めて、成田空港会社(NAA)が三里塚芝山連合空港反対同盟を訴えたものだ。農地法裁判一審判決では、これらの物件の所有者は市東さん個人とされたままだが(現在上告審段階)、同じ物について反対同盟の所有であることを開き直り的に認めて起こしたのがこの新やぐら裁判だ。こうしたNAAの矛盾したやり口に、農地強奪攻撃の違法とデタラメが如実に表されている。

20160928a-2.JPG 反対同盟顧問弁護団は今回、準備書面5と再求釈明書を提出し「離作補償」問題でNAAを鋭く追及した。
 NAAは市東さんに対し、民事訴訟で「農業をやめて土地を明け渡せ」と迫っているわけだが、これは明らかに実質的な「公用収用」、すなわち空港建設という国家的事業のために個人の財産を強制的に取得することであり、裁判を使っての強制収用にほかならない。NAAは「私人が訴えた民事訴訟にすぎず、公用収用ではない」などとうそぶくが、NAAが自らを「私人」を称するとは笑止千万であり、およそ通用しない主張だ。
20160928a-3.JPG 「完全な補償」を行わずに私有財産を没収するのは、憲法第29条3項違反である。本件の「離作補償」として算出された1億8千万円は実際には「完全な補償」とは程遠く、市東さんの営農の意思・意欲をふみにじり「農業をやめて残りの人生にあてろ」というものだ。
 そしてNAAは「離作補償」の支払いを条件として賃貸借契約解除を千葉県知事から許可されたのだが、現在まで支払いも供託も一切なされていない。もちろん市東さんはそんな金を受け取る気はさらさらないが、公用収用においてNAAがこの解約許可条件を今もって満たしていないことにより、解約は無効だ。
 NAAは「”条件”ではなく”負担”だから解約は有効」などと反論するが、弁護団は浅はかな解釈論議で逃げることを許さず、再度の釈明を強く求めた。
 次回12月5日、次々回3月6日の期日を確認して閉廷した。
 千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で、報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団は、今回の主張の要点を解説し質問に答えながら、同じ民事第2部で闘われている耕作権裁判と一体のものとして、この新やぐら裁判を粘り強く闘い勝利する決意と展望を表明した。
 動労千葉と関西実行委が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、沖縄辺野古訴訟での多見谷判決を怒りを込めて断罪し、「労農連帯の力で10・9三里塚全国総決起集会の大結集をかちとろう」と訴えた。
 集会を終えると反対同盟と支援連は直ちに千葉県庁前で、翌日開催予定の「四者協議会」を弾劾する情宣・ビラまき行動に立ち上がった。昼休み時間、行き交う県庁労働者に、ビラと10・9全国総決起集会のカラービラがくまなく配られた。
 四者協議会(国交省、NAA、千葉県、成田市など地元9市町)は翌27日、千葉市幕張で会議を開いた。ここでついに「成田空港機能強化案」として、第3滑走路(3500メートル)建設予定地を芝山町を中心とした地域と特定し、これと一体で現在の暫定B’滑走路(2500メートル)の北への1000㍍延長、空港の深夜・早朝便制限緩和を打ち出した。
 第3滑走路建設攻撃との闘いは、いよいよ全面的対決の局面を迎えたのだ。10・9三里塚全国総決起集会に、全力で結集しよう。(TN)

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