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「空港機能強化反対!」訴え芝山現地闘争―相川町長を弾劾

芝山町中心から反対同盟を先頭にデモに出発。「町をつぶして第3滑走路を造ることを絶対に許さない」との訴えが一帯に響いた。前列右が市東さん(3月28日)

3月28日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で、成田空港の機能強化に反対する芝山現地闘争が闘われた。全国から280人の労働者・農民・学生・市民が集まり、悪天候を突いて芝山町を縦断するデモ行進を貫徹した。
午後1時、成田市天神峰の市東孝雄さん宅の中庭に集合し、伊藤信晴さんの司会で集会が始まった。
最初に東峰の萩原富夫さんが、反対同盟を代表して発言に立った。「今回、集会開催のため芝山町文化センターを借りようと町に申請したが、『住民が不安に思う』などという理由で却下された。相川町長の言論弾圧を許さない」と怒りをあらわにし、行政不服審査法にもとづく不服申し立てを行ったことを報告した。そしてコロナによる成田空港の危機のもとでの空港労働者、航空労働者の苦境に言及しながら、この空港が住民の生活環境を脅かし破壊している現実を労働者にも率直に伝え、住民とともに廃港に向けて闘っていくことを訴えた。
続いて動労千葉の関道利委員長が連帯のあいさつを述べた。3・13ダイヤ改定での鹿島線、内房線、外房線へのワンマン運転導入に対し、動労千葉が48時間ストを打ちぬいたことを誇り高く報告。国鉄分割・民営化と外注化攻撃の破綻が一層あらわになっていることを指摘した。また、不当弾圧を打ち破って動労総連合書記Aさんが釈放・奪還されたことを伝え、三里塚反対同盟とともに車の両輪として闘う決意を明らかにした。

天神峰の市東さん宅中庭で意気高く集会。ここも強制執行の対象地とされている。

関西実行委の連帯発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員がマイクを握り、「行政による集会禁圧は弾圧の始まり」と断じ、数年前の弾圧事件を語った。2014年に開かれたXバンドレーダー(米軍の通信施設)反対集会で、参加者を駅から運ぶための大型バスが準備されことを、「道路交通法違反(白バス運行)」として、警察は翌年に関生支部組合員らを逮捕した。この不当弾圧に対する国家賠償請求訴訟で、大阪高裁において見事逆転勝利判決を勝ち取った。西山さんは「しかし裁判に委ねる運動をするわけではない」と強調し、会社への要求を「恐喝」、ストを「威力業務妨害」とでっちあげる関生支部への不当な弾圧に対し、現場からの反撃で勝利する決意を表した。
反対同盟顧問弁護団があいさつに立った。事務局長の葉山岳夫弁護士は、「今われわれが立つこの地が明け渡し強制執行の対象地」と注意を喚起した上、千葉地裁が出した執行停止決定の効力が目前の3月31日をもって切れること、最高裁にあらためて停止決定を出させるために奮闘中であることを報告した。そして成田を廃港に追い込む展望が見えている中、現地の実力闘争と一体で、請求異議上告審をはじめすべての裁判を全力で闘い勝利することを誓った。
婦人行動隊・宮本麻子さんがカンパアピールを行い、あわせて最高裁へ向けた強制執行反対署名への取り組みを訴えた。
市東さんの農地を守る沖縄の会、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会の連帯発言が続いた。群馬の会の大塚正之さんは、労働現場の闘いと一体で市東さんの農地を守り抜く決意を表した。
さらに全国農民会議の小川浩共同代表は、政府が「米が余っている」と宣伝し農家に減反を強要していることを批判した。「コロナのもとで生活に困る人々に配れば今の備蓄はあっという間になくなるし、何らかの事態で物流が止まれば米は2か月も持たないだろう。命の糧をないがしろにする政治を変えなくてはならない。市東さんの農地を守り抜こう」と熱く訴えた。
中核派を代表して発言した斎藤郁真前全学連委員長は、空港の完成を阻み続ける三里塚闘争の歴史的な勝利の地平を確認し、新たな仲間を迎えて2021年学生運動の勝利を実現することを誓った。

集会の締めくくりに団結ガンバローを三唱

最後に市東さんが発言に立った。「3月31日以降どうなるかわからないが、私たちはけっして負けてはいません。そして私は一人じゃない。今日集まったみなさんがいて私もがんばれる。沖縄、福島、三里塚は一つの闘いであり、動労千葉、関西生コン支部などの労働者、そして市民、学生とともに歩んだ三里塚55年でした。この闘いを一層強固にするためには、まだまだ人の数が足りません。かつては反対同盟としてともに闘っていたはずの相川が、今は会場を貸さないなどと言う。ふざけたことを言うんじゃない! 今日のデモを出発点に、闘いを明日へつなげましょう」
太郎良陽一さんの音頭で団結ガンバローを三唱して集会を締めくくった。参加者は車両で芝山町の中心に移動し、反対同盟を先頭に約2キロのデモ行進に出発した。宣伝カーからは宮本さんが、空港機能強化を許さず町を守ることを強く呼びかけた。
第3滑走路が造られれば、目の前に広がる田園風景も無残に押しつぶされる。雨の中でデモ隊は闘志を倍加させ、機動隊の規制を打ち破って力強く進んだ。

デモ到着地点で芝山町役場方向へ向けて「相川町長は空港に町を売り渡すな」「集会妨害やめよ」と怒りのシュプレヒコール

芝山町役場の入口は、居並ぶ多くの警官によって阻止線が張られていた。警察に守られ、住民の声を踏みにじり、町を空港に売り渡す相川町長に、デモ隊の怒りが一層高まる。到着地点では太郎良さんのリードで、役場に向けて全員が相川を弾劾するシュプレヒコールを徹底的にたたきつけた。

★反対同盟と弁護団が記者会見開く
集会に先立ち、市東さん宅離れで反対同盟と顧問弁護団による記者会見が開かれ、相川芝山町長による集会禁圧の実態が明らかにされた。
事実経過は以下の通り。
◎1月7日、反対同盟・伊藤さんは芝山町役場に赴き、3月28日に開く「機能強化反対」集会会場として、芝山文化センター、駐車場、芝山町公園などの使用を申請した。文化センターは、「26日にイベントがあり、消毒のために2日かかるので貸せない」との理由で断られた。
◎1月15日、芝山町から回答。「町の中心部で集会が行われると住民が不安に思う。空港反対派には貸さない。相川町長の判断で」
◎1月24日、反対同盟ニュース第86号発行。「文化センターは相川町長の私物か!?」と批判。
◎2月9日、反対同盟は、使用日時を4月4日にあらため、「機能強化についての学習」を内容とする集会として文化センター使用申請を町に提出。
◎2月22日、町が18日付で「却下通知書」。却下の理由として「文化センターの管理運営上支障がある」「成田空港をめぐるこれまでの経緯に鑑み、貴団体が本行事を行うことにより文化センターの管理運営に不安が生じる」。
◎3月10日、反対同盟が相川町長あてに申し入れ書、審査請求書を提出。憲法第19条(思想・良心の自由)、第21条(集会・結社の自由)、地方自治法244条(住民が公の施設を利用することを拒んではならない)を踏みにじるものであり許されないと批判し、「経緯」「不安」「支障」の具体的中身を明らかにするよう迫る。
◎3月26日、町が「申し入れ書」に回答。却下の理由として1984年の町議会での「議場乱入」、コロナ対策上の懸念などを上げる。

市東さん宅離れで開かれた三里塚反対同盟と顧問弁護団の記者会見。熱心な質疑応答が続いた

(今後は審査請求をめぐるやりとりとなる。)
葉山弁護士は、1984年に住民団体が「関西新空港反対集会」会場として市民会館の貸し出しを申請したところ、泉佐野市が拒絶したことについての最高裁の判断(95年)を紹介した。そこでは貸さない理由として「明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要」としており、相川町長のように漠然と「不安が生じる」ではまったく要件を満たしておらず、違法であることを強調した。
また記者の質問に答えながら芝山町在住の伊藤さんは、住民との対話を重ねる中で、年配者を中心に多くの人々が相川町政に怒りと疑問を持っており、貸し出し拒否に同意する意見は皆無だったことを報告した。(TN)

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