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三里塚で記者会見開き、農地強奪の上告棄却を弾劾

s20161028a-1.jpg10月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、最高裁による農地法裁判上告棄却に対して、記者会見を開いて弾劾声明を発表した。「強制執行」の脅しを伴った反動的決定を断じて許さず、市東孝雄さんの農地を実力で守り抜くことを高らかに宣言した。
 午後1時、天神峰の市東さん宅離れを会場に、マスコミ各社の記者20人が詰めかけ、反対同盟の第一声を報じるため固唾を飲んで身を乗り出す中、太郎良陽一さんの司会で会見が始まった。最初に反対同盟事務局を代表し、東峰の萩原富夫さんが「弾劾声明」を読み上げた。「最高裁第三小法廷大谷剛彦裁判長は、10月25日付『上告棄却』決定を下した。これは最高裁による強制収用宣言であり、断じて許されない暴挙である。われわれは、強制収用阻止へ断固として決起することをここに宣言する」

s20161028a-2.jpg 続いて、反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が、弁護団の声明を読み上げた。「最高裁は、憲法違反の空港会社(NAA)、千葉県の各所業を是認し、空港会社の御用機関に堕し、憲法の番人たる使命を放棄した」と鋭く批判し、反対同盟とともに農地収奪と対決する弁護団の決意を明らかにした。
 カメラのレンズが集中しシャッター音が鳴り響く中、市東さんがいつもの落ち着いた佇まいで、語り始めた。「この裁判、けっして良い結果が出るとは思っていませんでした。しかし最高裁までがこういう形でやってくると、やはり自分としては絶対に許せないし、認めるわけにはいきません。どんな判決が出ようと、もし農地に手を出してくるなら、体を張って闘う。耕作権裁判にも取り組みながら、私はここで農地を守り闘っていく。それが自分の生き方です」
 飾りも気負いもない言葉に表された市東さんの不屈の闘志が、この場の空気を完全に支配した。記者たちも一心にペンを走らせ書き取った。
 質疑応答に移り、葉山弁護士は、この上告棄却決定が、NAAによる数々の悪質・卑劣な違法行為や矛盾した主張を不問に付して下されたことを、あらためて弾劾した。特に、①偽造された「同意書」「境界確認書」による南台の賃借地の場所特定の主張のデタラメ、②天神峰の畑に立つヤグラ・看板などの工作物の所有者問題でのNAAの主張の深刻な矛盾を指摘し、これを放置したままの土地明け渡し強制執行は、法を踏みにじる大暴挙であることを強調した。
 また、耕作権裁判が一審千葉地裁で継続していることにより、NAAがもくろむ「への字誘導路の直線化」は当面まったく実現のめどが立たないことを明らかにした。
 萩原さんは反対同盟の今後の方針として、第3滑走路計画に怒る地元住民と結合し、また沖縄の辺野古・高江での闘いに連帯しながら、「強制執行を許すな! 市東さんの農地守ろう」の声を地元から全国にまで拡大強化する運動を展開することを明らかにした。
 また市東さんは各社の記者に向かって、「私がただ空港に反対しているというだけでなく、NAAの数々の悪質な違法・無法に憤っていることを少しでも具体的に書いてほしい」と訴えた。
 会見終了後もしばらくは個別に記者からの熱心な質問が続いた。支援連はこの日夕刻、京成成田駅前での情宣活動に立ち、反対同盟の弾劾声明を載せたビラ500枚を配布した。
 反対同盟が上告棄却の大攻撃にもまったく動じず、直ちに大反撃への号令を発したことが、全国・全世界の人びとの熱い支持と共感を呼んでいる。国家権力とNAAに打撃を与えている。
 労農学連帯の力で市東さんの農地を絶対に守ろう。強制執行を実力で粉砕しよう。三里塚現地に全国から駆けつけよう。
 反対同盟とともに11・6全国労働者総決起集会(日比谷野音)に大結集し、日本の誇るべき労農連帯の力を示し、戦争・軍事空港建設と農地強奪・農業破壊へと突き進む安倍政権を打倒しよう。(TN)

※反対同盟の弾劾声明と弁護団声明の全文は、反対同盟のブログをご覧ください。

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