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鈴木さん一坪裁判、謙太郎さんが「遺志引き継いで闘う」

s20100917a-1.jpg 9月16日、千葉地裁において三里塚反対同盟の鈴木幸司さん、いとさん夫妻の一坪共有地裁判が開かれた。この裁判は、鈴木さんが共有する駒井野の一坪共有地について、千葉県がこれを「新産業三角構想にもとづいて成田国際物流事業の複合基地にする」から明け渡せ、と訴訟を起こしたものだ。土地強奪への怒りを燃え立たせ、反対同盟と支援の労働者が傍聴席を埋めてともに闘った。
 県側の言い分は、鈴木さんがこの土地を共有者として守り抜くことに対し、「社会的効用がない。収益を上げない」、だから共有権の分割を金に換算した金銭補償で土地を取り上げる(全面的価格賠償方式)というものだ。この司法を使っての傲慢不遜な土地取り上げの主張に対し、反対同盟顧問弁護団は徹底的に批判した。 

 そもそも成田空港の公共性は虚偽であり、空港建設の歴史は農業・農村破壊そのものだった。航空需要の激減の現状のもとで国際空港としての地位は低落の一途をたどっている。千葉県による新産業三角構想は355億円の赤字を出して根本的に破綻し清算へと向かっている。物流基地化計画が頓挫した今、県がこの土地を取得したら、土地造成をして空港会社(NAA)に譲渡するだけだ。この土地は空港反対運動の一坪共有地として、立派に社会的存在意義を持っている。「もうけを上げないから土地を持ち続ける意味がない」とは言語道断だ! これらの批判の一語一語が、金と欲の新自由主義にまみれた県の代理人弁護士を突き刺した。
 さらに弁護団から鈴木幸司さんの逝去に伴い、息子の謙太郎さんと妻加代子さん夫妻への訴訟受継が申し立てられた。これは「三里塚地区周辺に土地を持つ会」(一坪共有地運動の組合)の決定にもとづくものだ。県側の代理人は仲戸川裁判長から「受継について意見はないか」としきりに促され、「検討したい」と応じた。どこかケチをつける余地はないか考えてきます、ということだ。さらに仲戸川裁判長は証人調べの計画をせき立てた上、「双方の主張は煮つまってきた」などと露骨に早期結審を匂わす言動を吐いた。次回期日を11月18日(木)として閉廷。
 法廷となりの控え室で総括集会が開かれた。弁護団からの法廷の解説が行われたあと、訴訟を引き継いだ鈴木謙太郎さんが「おやじの遺志を引き継いで闘います」と鮮明な決意を表した。さらに鈴木いとさんが笑顔で「これからも体に気をつけてがんばります」とあいさつし、暖かい拍手に包まれた。
 北原鉱治事務局長は、「県は、土地を取り上げてNAAに売り飛ばすという体のいい地上げ屋に成り下がった。どんどん追及していこう」と訴えた。萩原進事務局次長はまとめの発言で「10・10の結集いかんで今年後半の左右が決せられる。あらゆる戦線で攻撃が激化する中、三里塚がもっとも勝利的に闘っている姿を見せる時だ。10・10大成功へさらにムチを入れてがんばろう」と訴え、一同の奮起を促した。(TN) 

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