三里塚新年デモと団結旗開き――「成田市中心部で3・29全国集会」
1月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する、新年初の三里塚現地デモと団結旗開きが行われた。
デモに先立って、反対同盟は東峰神社に集まり、恒例のしめ縄の付け換えを行った。晴天に恵まれ、集まった人びとに見守られながら、手際よく作業が進められた。頭上40メートルをジェット機がすさまじい騒音を放ちながら通過し、この神社がB’暫定滑走路の南側延伸を阻む最前線であるとあらためて知らされる。
午前10時30分、天神峰の市東孝雄さん宅の南側に位置する東峰開拓組合道路に、全国から125人が結集して集会が始まった。
マスコミ各社も注目する中、司会の萩原富夫さんが「2015年、絶対に市東さんの農地を守り勝利しよう」と第一声を上げると、全員が大きな拍手と歓声で応えた。
北原鉱治事務局長がマイクを握り、「この空港のありさまを御覧なさい。私には残骸のように見える。3月4日、市東さん農地裁判控訴審弁論に結集しよう。この闘いに日本の230万農家の将来がかかっている」と呼びかけた。
続いて太郎良陽一さんが反対同盟の「闘争宣言」を読み上げ、3・29全国総決起集会を成田市中心部の栗山公園において開催することを明らかにした。栗山公園は1968年2~3月における、機動隊との流血の激突の場として知られる旧市営グラウンドであり、三里塚実力闘争の原点である。
続いて動労千葉の繁沢敬一副委員長が連帯発言に立ち、反対同盟との労農連帯を一層強固にして外注化攻撃との闘いに勝利する決意を表した。
さらに反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が発言し、2014年に東京高裁の「一発結審」のもくろみを粉砕して農地裁判控訴審闘争が大きく前進したことを報告し、すべての三里塚裁判に勝利する意気込みを示した。
意気高くシュプレヒコールを上げ、反対同盟を先頭にデモに出発した。
旧小見川県道に出て、第3誘導路を突っ切り、空港敷地拡大が狙われる取香地域を回り、市東さんの南台の畑にいたるコースを力強く堂々と行進した。
午後1時に成田市内のレストランを会場に、参加者が140人に増えて伊藤信晴さんの司会で、団結旗開きが開催された。「闘争宣言」読み上げと北原事務局長の主催者あいさつに続き、天神峰の市東孝雄さんが熱烈な訴えを行った。「安倍政権は、労働者と農民を生きられないところに追い込んでいる。成田空港が衰退しているのに、さらに第3滑走路などを進めるのは、戦争ができる国をめざす安倍が軍事空港を考えているからだ。許してはならない。動労千葉を先頭とする労働組合、市民運動、沖縄、福島の闘いと三里塚は一つです。まず三里塚で勝ちましょう。力を貸してください!」。そして市東さんの音頭で盛大に乾杯した。
連帯発言の最初に、動労千葉の田中康宏委員長が立った。反対同盟と連帯し、国鉄分割・民営化攻撃と非妥協で闘い抜いてきた歴史を誇り高く確認し、「不当解雇から28周年の2・15労働者総決起集会を成功させ、3月14日、ローカル線切り捨てのダイヤ改定と、労働運動解体攻撃に対するストに立ち上がる」と宣言した。
続いて関西実行委、反対同盟顧問弁護団、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が次々と連帯発言を行った。
全国農民会議の小川浩・共同代表は、大企業の農業への参入を推進し農家をつぶす安倍農政を徹底批判し、日本農民の先頭で「三里塚連帯、安倍政権打倒」を一層鮮明に闘う決意を述べた。
動労水戸の池田学執行委員は、分割・民営化、被曝労働強制の攻撃と闘い抜いてきた上に、昨年末に青年一人が新加入したことを誇らしげに報告した。そして、3月1日に「市東さんの農地を守る会・茨城」を結成することを明らかにした。
革共同を代表して発言した鎌田雅志同志は、衆院選の激闘を報告した上で、「①動労総連合を全国に結成し、国鉄決戦の力で日本の労働運動をよみがえらせる、②〈現代の治安維持法と闘う会〉の結成をもって、治安弾圧攻撃との闘いを決定的に強化する、③4月統一地方選の勝利をかちとり、4―5月安保国会決戦に打って出る」と、新年の闘いの三つの柱を明らかにした。
さらに、星野全国再審連絡会議、全国水平同盟、婦人民主クラブ全国協議会、都政を革新する会の長谷川英憲さんなど諸団体の発言が続いた。
全学連の斎藤郁真委員長は、「三里塚は時代の最前線だ。3・4控訴審と3・29全国集会に全力で結集する。萩原進事務局次長に体現された三里塚の魂を引き継ぎ、安保国会を粉砕する」と若いエネルギーをみなぎらせて決意を表し、満場の拍手を受けた。
最後に反対同盟事務局の萩原富夫さんが行動方針として、3・4控訴審弁論~3・29全国集会への大結集と、農地取り上げに反対する3万人署名達成への今一度の奮起を強く要請した。
会場の熱気が最高潮に高まる中、野平聰一さんの音頭で団結ガンバローを三唱した。反対同盟の鮮明な決意と方針が、参加者全員の心をとらえ、2015年の幕が切って落とされた。(TN)
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