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一坪共有地裁判で原告・千葉県を追及

 3月6日、千葉地裁民事第5部(松並重雄裁判長)で一坪共有地裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さん、いとさんの駒井野の一坪共有地を守る闘いとして始まったこの裁判は、幸司さん、長男の謙太郎さんが亡くなったため、今回からは、いとさんをはじめ5人の委任のもとで行われる。
 千葉県は、この一坪共有地を「成田国際物流複合基地」とするために造成・整備し、成田空港会社(NAA)に売り渡すのに必要だから明け渡せと訴訟を起こした。ところがそんな計画自体が破綻したことが今や誰の目にも明らかになっている。千葉県企業庁は「企業造成土地整理事業及び土地造成整備事業の清算取組方針」と題した文章の中で「大規模開発に区切りをつけ、清算を終える計画だ。130億円が債務として残る」などと述べ、この大仰なプロジェクトの大破産を開き直っているありさまだ。

 こうして彼らは土地を取り上げる口実さえ失ってしまったのに、訴えを取り下げる気もないというのだ。
 反対同盟顧問弁護団は、原告の千葉県がこのように危機に瀕していることを見通しながら、容赦なく追及した。
 鈴木さん以外の土地の共有者31人分の権利が千葉県に売却される際、もとの土地提供者が各共有者を回って「真正な登記名義の回復」という手続きを取り、一括して千葉県に売り渡した。
 そして千葉県は、買収を拒む鈴木さんに対しては、「全面的価格賠償方式」を適用し、すなわち「適正価格」を付け、その金額を支払って強奪するというのである。
 だが、結局はNAAへの転売目的での買収であるから、全面的価格賠償方式は適用できない。仮に適用する場合は、「適正な価格評価」が必要となるが、本件では9カ月前に買収したときの価格の10分の1になっている。これがどうして「適正価格」なのか!
 そもそも一坪共有地は「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という民法上の組合の所有であり、「共有不動産の分割」とはわけが違う。分割はできないのだ。県は土地登記の経緯を全面的に明らかにせよ!
 県の代理人弁護士は、顔色を失って黙ったままだ。
 次回期日を5月15日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館において、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士が最初に、千葉県側はすでにぼろぼろであることを鋭く指摘した。その上で、市東孝雄さんの農地裁判では、千葉地裁の一審反動判決を打ち砕くために、弁護団が心血を注いで書き上げた180㌻を超す控訴理由書を、3月3日に東京高裁第19民事部に対し提出したことを報告した。
 続いて弁護団一人ひとりが法廷の解説と決意を述べた。
 この日は三里塚支援連絡会議の各党派代表が連帯発言を行った。中核派の現闘は、3月において10波にわたる署名行動・街頭宣伝を取り組み、全力で署名を集めることを呼びかけ、3・23―26への決起を訴えた。(TN)

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