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三里塚・新やぐら裁判、審理終結求めるNAAを弾劾

20161207b-1.JPG 12月5日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、新やぐら裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、天神峰・市東孝雄さんに対する農地法裁判上告棄却・農地強奪強制執行攻撃に対する一大反撃としてこの日の裁判を闘った。
 農地法裁判で明け渡しの対象地となっている市東さんの天神峰の畑の一角には、反対同盟所有のやぐら、看板などの工作物が立っている。「これらを取り除け」とNAAが反対同盟を相手に起こしたのがこの訴訟だ。前回反対同盟側から出された主に離作補償問題についての求釈明に対し、この日までにNAA側が書面で認否反論をすることが予定されていた。

  ところがNAAは11月18日付で出してきたのは、「農地法裁判で、最高裁の上告棄却によって土地明け渡しを命じる判決が確定した。市東はNAAに賃借地を明け渡す義務があると結論が出たのだから、これ以上この裁判でも審理する必要はなく、すみやかに口頭弁論を終結すべきだ」という紙一枚の準備書面6だった。ふざけるにもほどがある! 裁判所はこんなものを認めるのか。怒りは開廷前からいやが上にも高まっていた。
 午前10時30分に開廷するやいなや弁護団は、「上告棄却」に頼り切り、約束した書面も出さずに審理打ち切りを求めるNAA代理人を徹底的に弾劾した。同時に裁判長に対し、このように信義則に反し法廷を軽視する原告NAAの態度を認めず、求釈明に答えさせるよう強く迫った。傍聴席からも次々と上がる怒りの声で法廷は騒然となった。
 内田裁判長はNAA代理人に、「別件の裁判で判決が確定していても、当事者は別であり、審理なしで結論を出すとはいかない。準備されていた書面を出してほしい」と申し渡した。当然だ。NAA代理人はなおも聞き分けのない子どものように「あちらの裁判で判決が確定したのだから……」などとと繰り返すが、直ちに怒声でかき消され、裁判長からも否定された。NAA代理人の一人、上野至(元千葉地裁裁判長)にいたっては、「書面を出せば裁判所の判断が変わるのですか」などと不満そうに口走り、審理そのものを全否定した。お前は法律家失格だ!
 憔悴(しょうすい)しきったNAA側に裁判長が再度、12月を期限に書面を提出するよう命じ、次回期日を3月6日、次々回を5月22日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が、伊藤信晴さんの司会で開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、質疑応答を交え、審理打ち切り策動を完全に粉砕した勝利を確認した。
 自ら訴訟を起こしておきながら当事者としての責任を一切放棄し、審理終結を求めるにいたったNAAの行いは、最低最悪だ。「上告棄却」に小躍りしこれに全面的に依存し、これとセットで新やぐら裁判での早期結審・仮執行付き判決を期待していたのだ。
 また裁判長は今回NAAの思惑通りにはならなかったが、「どんなデタラメをやっても最後は裁判所がつごうのいい判決を出してくれる」というNAAの裁判所依存主義を増長させてきたのは、まぎれもなく千葉地裁自身だ。
 さらに弁護団は、農地明け渡し強制執行を阻止する請求異議の訴えで、第1回の裁判が千葉地裁民事第5部(鹿子木康裁判長)で3月2日に決まったことを報告した。
 最後に伊藤さんが、「農地強奪阻止へ、われわれの裁判は今どれ一つもおろそかにできない。今日は今年最後の裁判。2017年へ向けて断固闘おう」と訴えて締めくくった。(TN)

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