市東さん農地決戦へ3・24三里塚全国総決起集会に1370人
3月24日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で、成田市天神峰の市東孝雄さんの畑において、三里塚全国総決起集会が開かれた。市東さん農地決戦のまっただ中にふさわしく、参加者・発言者の覚悟と意気込みが、鋭い集中性と緊迫感となって終始貫かれた集会となった。
寒風の中を午前中から、全国の労農学市民が次々と到着し、この間の規模を大きく上回る全国集会になることを誰もが実感した。
正午、壇上に反対同盟が全員登壇し、司会の伊藤信晴さんが切り出した言葉に、会場がどよめいた。「本日は1500人の参加を目標にしており、参加者の実数を正確に確認したい」として参加者の起立を促した。
すかさず萩原進事務局次長がマイクを握り、「市東さんの決戦にどうやったら勝てるのか。人は石垣、人は城。われわれは1500人結集を目標にして、全国を駆けめぐり訴えてきた。その成果を今知りたい。協力をお願いします!」。この真剣な要請に応え、参加者は列を整え、協力してカウント作業を行った。
集会が始まった。開会宣言に森田恒一さんが立った。「市東さんの農地を取り上げに執行官が大量の機動隊を伴って現れたときどうするか。答えは実力阻止! 私は96歳だがその先頭に立つ」と決意を表した。
北原鉱治事務局長が、主催者あいさつを行った。2月20日に千葉地裁の執行官が「公示書」の看板を市東さんの農地、農業施設などに据えつけていったことを強く弾劾し、「36年前の3月26日、管制塔占拠などの実力闘争で3月開港を粉砕した。これが福田内閣の存続を絶ったように、われわれは今の政治を変えるまで闘おう」と呼びかけた。
萩原進事務局次長が基調報告に立った。「現時点で1200人を超えた」と明らかにし、「さらに三里塚で1500を実際に集めきることが、東京における他のそれぞれの集会の成功の礎になると確信する」と、一層の奮起を促した。そして、①農地法を使っての市東さんの農地を取り上げるというあくどい攻撃を、労働者階級と連帯し絶対に粉砕する。②「国策・国益」の論理を許さず福島・沖縄の闘いと固く手を結んで闘う。③全人民の怒りが高まる中で、危機に陥る反動安倍政権に対し全面的に対決する。――と3点にしぼって提起した。そして目前の3・27農地裁判最終弁論・千葉地裁包囲闘争への決起を全力で訴えた。この熱い基調に心を揺さぶられ、全参加者が大きな拍手で応えた。
続いて市東孝雄さんが一層大きな拍手で迎えられ登壇した。「NAAは最終陳述書で仮執行宣言を付けるよう要求した。私の畑は祖父の代から100年近く耕し続けてきたものです。本来農地法で守らねばならない土地を農地法を悪用して取り上げることなど、絶対に許せない! 何がなんでも天神峰で農業を続ける。父の遺志である空港廃港へ向け、福島・沖縄、動労千葉をはじめ労働者の皆さんとともに闘う」と、これ以上ない鮮明さで農地死守の不動の決意を表した。
続いて反対同盟顧問弁護団が壇上に勢ぞろいし、全員が3・27最終弁論闘争への決意と意気込みを表した。葉山岳夫弁護士は「市東さんから強奪しようとしている土地の面積は約9300平方㍍。反動判決によって命に等しい農地を奪うのは殺人行為だ」と弾劾した。
反対同盟の決意に応え、特別報告の最初に動労千葉の田中康宏委員長が立った。「市東さんの農地に手をかけるようなことがあれば、支配体制が崩壊するような事態が起きることを示そう!」と怒りをあらわにした。そして全面外注化・非正規職化攻撃と闘いぬいたストライキの意義を確認し、沸騰点に向かう全労働者の怒りを束ね、階級的労働運動を再生し、その力を市東さんの農地を守る一点に集中することを訴えた。
動労水戸の石井真一委員長は、放射能に汚染され放置された車両の運用の強制に対し、明日からストに突入することを力強く報告した。
関西実行委の永井満さん、山本善偉さんに続き、福島からの特別報告として果樹農家の大内孝さんと、3・11反原発福島行動の呼びかけ人である椎名千恵子さんが立った。椎名さんは「この大地こそ命だ。放射能と原発に同意した者たちに対して闘う。命の側に立つ者に勝利がある。具体的闘いでつながろう」と呼びかけ、3・27農地裁判最終弁論の闘いに参加することを表明した。沖縄からは「沖縄・市東さんの農地を守る会」の安次富浩さんが特別報告を行った。
続いて、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が、支援運動の強化・拡大を呼びかけた。
そして全国農民会議の人びとが壇上を埋めた。地元千葉をはじめ、福島、新潟、沖縄など全国から駆けつけた農民が、「反原発、反TPP、三里塚連帯」をより鮮明に、おなじみの緑色ののぼりを林立させての登場だ。共同代表の小川浩さん、反対同盟の萩原富夫さんらが決意を述べた。
婦人行動隊・鈴木加代子さんのカンパアピールに続き、各団体からの決意表明では、婦人民主クラブ全国協議会、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが「農地死守の決意を表明した。斎藤君は、現地行動隊を先頭に実力で農地を死守する決意を鮮明に表した。
終盤に差しかかり、司会の宮本麻子さんが「今日の参加人員は1370人」と発表すると、勝利の手応えをつかんだ歓声と拍手が湧いた。
野平聰一さんが集会宣言を読み上げ、最後の団結ガンバロー三唱は、周辺一帯を揺るがす地響きとなった。
いよいよデモに出発。デモを牽引する4台のトラクターに、先頭から市東さん、続いて萩原富夫さん、野平さん、萩原進さんが乗車。力強いエンジン音を響かせて出発し、文字どおり長蛇の列がそれに続いた。東峰部落では、暫定滑走路へ着陸するジェット機が、頭上40㍍を凄まじい轟音をとともに通過する。
デモは天神峰の市東さんの家と畑の前を通り、さらに進むと第3誘導路が目の前に現れた。市東さんを追い出すことだけが目的のこの巨大な構築物とそれを警護する大量の警察・機動隊を目の当たりにして、デモ隊の怒りは一層高まった。
最後までトラクターに導かれて、デモは南台の市東さんの畑に到着。3・27への決起をこの場であらためて打ち固めた。(TN)
★3・27農地裁判最終弁論・千葉地裁包囲闘争
3月27日(水)
午前10時千葉市中央公園集合、集会とデモ
午後1時30分開廷、千葉地裁
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