動労千葉が定期委員会 全運転士のスト突入を決定
動労千葉は2月25日、DC会館で第76回定期委員会を開き、JRの3月ダイヤ改定阻止と17春闘勝利の当面する課題を軸に、第2の分割・民営化攻撃と立ち向かう決戦方針を確立した。決定された方針はおおむね以下のとおりだ。
●3・4第1波スト
春闘第1波ストとして3月4日、全本線運転士を対象としたストライキを配置する。その要求項目は、「君津・木更津系統分離」による内房線と久留里線の列車削減提案の撤回とワンマン運転の中止、削減された特急列車の復活、乗務行路の緩和と高齢者交番の設定、運転士への「背面監視」や締め付けと事故責任の運転士への転嫁をやめること、各駅への乗務員用トイレの設置などだ。また、ストにかかわる行動として3月3日の動労千葉総決起集会、3月4日の館山での抗議・街宣行動、3月5日のJR本社抗議行動に取り組む。
17春闘をJR貨物とCTS(千葉鉄道サービス)を焦点に、ストライキを配置して闘う。貨物については55歳で賃金を減額する制度の撤廃、ベアゼロ回答打破・大幅賃上げ獲得、人事・賃金制度の改悪阻止を目指す。CTSについては、無条件の無期雇用転換と希望する者全員の正社員化、大幅一律賃上げと諸手当の改善、人員増を求めて闘う。
これらの闘いを、1047名解雇撤回、外注化粉砕―構内・検修業務をJRに戻すこと、定年延長と65歳まで働ける労働条件の確立、居住地近くでのエルダー再雇用先の確保、戦争と改憲の安倍政権打倒などの課題と結合して闘う。
国鉄分割・民営化は破綻し、その手先となったJR総連・東労組が大混乱と解体状況に陥っている中で、17春闘を組織拡大春闘と位置づけ、組織拡大へ全組合員が総決起する。
●組織拡大春闘へ
定期委員会であいさつに立った田中康宏委員長は、「内房線、久留里線の廃線に舵(かじ)を切る今回のダイ改にストを構えて立ち上がる」と切り出し、支配階級が地方の淘汰(とうた)に本格的に乗り出してきたことを指摘して、「第2の分割・民営化攻撃に本気で立ち向かえば粉砕できる」と訴えた。また、検修構内業務の外注化が強行された12年の段階で、千葉労働局が外注化について「偽装請負の疑いがある」「出向の目的も明確ではない」とJRを指導していた事実が動労総連合出向無効確認訴訟で明らかになったことを挙げ、「外注化反対の17年に及ぶ闘いは、外注化を粉砕寸前にまで追い込んでいた。われわれは核心を突く闘いをやってきた」と総括した。そして、「韓国・民主労総に学び、民営化が何をもたらしたかを徹底的に明らかにし社会に広く訴えれば、情勢は開けてくる」と呼びかけた。さらに、東労組が組織的大混乱に陥り、脱退者も出ている中で、「JRとCTSを貫く動労千葉の組織拡大こそが第2の分割・民営化攻撃を粉砕する核心だ」と提起した。
動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が連帯のあいさつをし、動労千葉とともに闘い、支援する会も組織拡大に全力を挙げると表明した。
執行部からの方針提起を受けての討論では、木更津支部の委員が内房線切り捨て反対の館山集会を成功させたことを自信を持って報告した。また、外注化によりまともに修繕されないまま列車が運行に使われている実態が報告され、乗務員トイレの設置要求を無視して長時間行路を強制し、また一部の乗客による乗務員室の背後からの撮影を放置しているJRへの怒りが出された。検修職場の委員は、エルダー再雇用で検修部門の人員が増えているが、資本はそのことも使って定年前世代の出向者に出向解除=仕事剥奪(はくだつ)の不安をあおっていると指摘した。
総括答弁に立った田中委員長は,「会社は業務の丸ごと分社化と転籍をこの2~3年で強行し、それを仕方ない現実として労働者に受け入れさせようとしている。これに対しては真正面から立ち向かう以外にない。外注化の矛盾の一つひとつに職場から反撃しよう。団結さえ崩さなければ展望は開ける」と訴え、「ここ数年で決戦的なストライキを構える時が来る。その闘いを圧倒的な組織拡大に転じる前提条件を今からつくっておかなければならない。その決意を固め、3月4日のストから新しい一歩を踏み出そう」と力を込めて呼びかけた。
動労千葉はこの定期委員会でダイ改阻止・春闘勝利へ万全の決戦体制を打ち固めた。(K)
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