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三里塚耕作権裁判、「書証墨塗りを許さない!」

20170628a.jpg6月26日、天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民95人は、「農地死守」の気概に燃えて全力で闘いぬいた。

●地裁をゆるがす集会とデモ

 開廷を前に午前9時、千葉市中央公園で太郎良陽一さんの司会で決起集会が開かれた。最初に反対同盟事務局の萩原富夫さんが発言に立った。「NAAが市東さんを”不法耕作”として訴えたのがこの裁判。この農地取り上げ攻撃があまりにもデタラメなので、11年目に入ってまだ終わらない。地元の動労千葉をはじめ労働者と連帯し、農地を守って闘っている。ともに安倍政権を打倒しよう」と千葉市民へ訴えた。

動労千葉の中村仁さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、全学連三里塚現地行動隊などの連帯発言を受け、意気高くシュプレヒコールを上げて市内デモに出発した。市東さんをはじめ反対同盟は先頭で「耕す者に権利あり」と大書された横断幕を持ち、市街を堂々と行進した。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんが「農地強制収用許すな!」のアピールを発し、デモ隊は千葉地裁に迫った。

●法廷で墨塗りを徹底追及!

 70席近い傍聴席を埋めて10時30分に開廷。NAAの証拠隠しに加担する内田裁判長に対し、顧問弁護団の追及が冒頭から火を噴いた。弁護団が「乙85号証」の墨塗り部分の開示を求めたのに対し、成田空港会社(NAA)はこれを拒否し、裁判長もこの要求を頑なにはねつけたのだ。
 「乙85」は、この裁判の中で2012年に下された文書提出命令によってNAAに提出させた数少ない書証の一つ。空港公団(NAAの前身)によって作成された、1970年当時の南台の農地について小作者である根本、石橋、市東の三軒がそれぞれどこを耕作していたかという耕作状況を調査した図面入りの資料である。2012年に提出された時、その一部は墨塗りにされていた。当時の裁判官がインカメラ=非公開で見て「裁判と無関係な部分」として塗らせた結果だ。
 NAA代理人は今年4月の準備書面でこの「乙85」に触れて、「昭和45年(1970年)頃の耕作状況をもとに当初の耕作地を推測したもの」と言いなしてその証拠価値を低め、自分たちが偽造した「同意書」「境界確認書」の添付図面の方が正しいなどと言い出した。そう言うのなら、「乙85」に墨塗りがあることを認めるわけにいかない。すべて開示せよ!
 ところが内田裁判長は、「これ以上の開示は求めない」と繰り返すばかり。傍聴席からは「証拠隠しをやめろ!」「自分自身も見てないくせに、どうして無関係と言えるのか!」などの怒りの声が矢継ぎ早に飛び、法廷は騒然となった。弁護団は全面開示を求めてなおも徹底追及するが、内田裁判長は追いつめられながら拒絶を繰り返した。この数十分の激闘で、裁判所とNAAの証拠隠しの癒着構造が浮き彫りになった。
 次回期日を9月25日として閉廷。

●怒りの報告集会で決意を新たに

 報告集会が近くの会場で開かれ、伊藤信晴さんが司会を務めた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「今日の訴訟指揮に内田裁判長の本性を見た。NAAを追いつめて文書をすべて明らかにさせよう」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
20170628c.jpg 続いて葉山岳夫弁護士が墨塗りされた箇所を示しながら、「乙85を”推測したもの”などと言うのはとんでもないウソ。実際には公団の”用地買収交渉に伴う詳細な調査結果”として書かれている」と解説し、開示を拒否するNAAと裁判長を弾劾した。
 さらに弁護団全員が発言し、手続きの進行を急ぎながら証拠隠しを居直る裁判長に対し、非妥協で臨む姿勢を明らかにした。
 質疑応答に続いて、全国農民会議共同代表の小川浩さんが連帯あいさつを行い、「農民が自分の耕作地を間違うことは絶対にない。安倍政権の農業破壊政策と対決し、市東さんの農地を守る」と決意を表した。
20170628b.jpg 最後に伊藤信晴さんが、反対同盟の空港周辺地域一斉行動が住民を勇気づけ、空港機能強化案への反対の声が高まっていることを報告し、「7・9現地闘争と樫の木まつり」への参加を熱く訴えて締めくくった。
 午後に反対同盟と支援連は千葉市繁華街に繰り出し、強制執行阻止署名の情宣活動に立ち上がった。(TN)

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