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市東さんの会が都内でシンポ 〝生き方、農業しかない〟

20161124a-1.JPG 11月20日、「市東さんの農地取り上げに反対する会」主催の毎年恒例のシンポジウムが、東京渋谷区の千駄ヶ谷区民会館で開かれました。
 今年は「百年を耕す/めげるヒマなし―三里塚・市東さんの農地闘争」と題し、市東孝雄さんのお話をじっくり聞こうという趣旨で企画されたものです。農地法裁判が上告棄却となり、農地取り上げの攻撃との具体的対決の情勢に入る中で、反対同盟、動労千葉はもとより、古くからの支援者から最近三里塚闘争を知った人、産直野菜の消費者まで多くの人びとが怒りを胸に参加しました。

 主催者あいさつ、会の基調報告に続き、市東さんが登場。天神峰の風景や農作業、集会やデモ行進などのスライド写真を背後のスクリーンに映し出しながら、市東さんは質問に答える形で自分を語りました。
 農家と空港反対闘争を継いだ時の気持ちを語る市東さん。「もともと50歳になったら家に戻ると決めていました。田舎では長男に生まれると墓守(はかもり)というのがある。先祖から耕してきた畑を受け継ぐと、空港のために取られるのは許せないという気持ちが湧いてきました」
 市東さんのたたずまいと語り口はいつも通り穏やかな自然体で、自分を飾らず、気負いもなく、しかし揺るぎない闘志を感じさせるものでした。そして、「空港の公共性」を否定して自らの農業の重要さに自信を示し、「自分の生き方の中に空港はありません。農地しかない。体の続く限り農業をやっていきます」と締めくくりました。こういうセリフがけれん味なくぴたりと決まるのが、市東さんの人柄です。
 弁護団からの報告では事務局長の葉山岳夫弁護士が、「最高裁は上告棄却で空港会社と県の手先に堕した」と断罪し、現地実力闘争と連帯して強制執行を阻止するためにあらゆる法的手段を使って闘うことを明らかにしました。
 最後に「まとめと方針提起」として会から、市東さんの農地をめぐる状況を広く全国の人びとに知らせること、千葉地裁の耕作権裁判の傍聴への取り組みの強化、強権発動の動きに対しては現地に駆けつけることが強く呼びかけられました。
 強制執行攻撃との対決という緊迫した状況下で、参加者が生身の市東さんを感じ決意を新たにする好企画でした。
     (田宮龍一)

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