3・4芝山縦断デモ、”機能強化案白紙撤回” 訴え住民と合流
成田空港機能強化案への周辺住民の反対の声が高まる中、3月4日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける芝山町縦断デモが行われた。労働者・農民・学生・市民110人が参加し、「強化案白紙撤回せよ!」「相川勝重町長弾劾!」「騒音による生活破壊を許さない!」と訴え、5・4キロのデモをやりぬいた。
正午過ぎ、芝山町朝倉の野戦病院前に集合。A滑走路を離陸したジェット機が轟音を立てて上空を飛び、そのたびに会話も聞こえなくなる。
デモに先立ち伊藤信晴さんが発言し、3月2日に横芝光町で「町議会全員協議会」が開かれ、佐藤晴彦町長が空港機能強化の見直し案の受け入れの「結論先送り」を表明したことを報告した。住民の強い反対の声に押された結果だ。
続いて萩原富夫さんが状況説明を行った。「相川芝山町長や小泉一成・成田市長は以前から24時間空港や新滑走路建設を要求していた。しかし今、横芝光町では住民の激しい反対の声で強化案の合意ができない。この状況で国交省、NAA(成田空港会社)、千葉県、関係市町が4者協議会を開いて強化案を決めるなど絶対に許さない。A滑走路では東京五輪を口実にして、先行的に夜間飛行制限時間を縮小して、朝の5時から深夜0時30分まで飛ばそうとしている。今日のデモで、住民に闘いへの決起を呼びかけよう」
横芝光町に在住する動労千葉の渡辺靖正執行委員が発言に立った。「3月1日の住民説明会に参加したが、国交省、NAAらは分かりにくい専門用語を多用しながら、住民を無視して年間50万回の発着を目指すなどと言った。そして強化案の説明で、”スライド制を使い、滑走路ごとに見れば7時間の静穏時間を確保した”などと言っていた。だが実際には空港全体では飛ばない時間は一日のうちわずか4時間半。谷間地域では19時間半も騒音にさらされる。住民からは次々と反対意見が出た。そして町長の先送り表明となった。これからも横芝光町で反対を貫きます」
意気高くシュプレヒコールを上げて、反対同盟を先頭にデモに出発した。抜けるような青空だが、激しい風で、旗・のぼり・横断幕が飛ばされそうになる。
宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが、「第3滑走路阻止、空港機能強化案白紙撤回」「市東さんの農地を守ろう」と大音量で訴えた。
山あいの起伏に富んだ道を抜け、県道62号線へ出て、強い日差しと強風を突いて進む。山田交差点を左折するとようやく、人家、畑、商店、看板などが現れた。A滑走路の延長線にほぼ平行する道で、上空を騒音とともにジェット機が飛び続けている。シュプレヒコールとアピールに交えて、「反対同盟の歌」を賑やかに流して古里を守ることを訴えながら、デモは芝山町を南北に縦断した。
対向車線を車が通る以外は人通りはほとんどなく、騒音被害などの影響で人口が減少していることが実感される。そんな中でも、農作業の手を休めて渡されたビラを読む人、窓から手を振って応える人など沿道住民との交流が実現した。
約2時間をかけてデモは芝山町役場前に到着した。全員が5・4キロの長いデモを貫徹した。
そこに役場や町議会関係者の姿はなく、大量動員された警察官ばかりが目立っている。元反対同盟でありながら、今や突出した空港推進派町長として強化案を率先して受け入れ、反対同盟の集会を妨害(会場貸し出し拒否)するまでに堕落した相川町長。彼は今どこかで、怒りのデモが自分の足元に及んだことを窺い、戦々恐々としているのだ。
最後に市東孝雄さんが参加者をねぎらいながら、「ホップ・ステップ・ジャンプと、今日から3・8請求異議裁判、4・1全国集会(成田市栗山公園)の闘いへと進みましょう!」と呼びかけ、伊藤さんのリードでシュプレヒコールを行ってこの日を締めくくった。(TN)
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