韓国・旭支会 最高裁で勝利判決AGCに22人の直接雇用命ず
7月11日、旭非正規職支会(民主労総金属労組)はついに韓国大法院(最高裁)で勝利判決を勝ち取った。判決直後にチャホノ支会長は、「工場に戻って、10年前に始めた労組活動をもう一度始める。今や第1幕が終わり、堂々と現場で第2幕を開く」と意気揚々と宣言した。
2015年、韓国・クミ(亀尾)市にある日本企業・旭硝子(現AGC)ファインテクノ韓国(AFK)の社内下請け会社GTSで働いていた非正規職労働者が、労組を結成した。クミ工業団地で初の非正規職労組の誕生だった。しかし1カ月後、メール1通で組合員138人を含む178人全員の集団解雇事件が起きた。以来9年、組合員22人の旭非正規職支会はAGC工場正門で籠城(ろうじょう)し解雇撤回・正規職雇用を求めて闘ってきた。
大法院は、旭支会が提訴した勤労者地位確認訴訟で元請けであるAGCによる違法派遣を認め、AGCに旭支会22人全員の直接雇用を命じた原審を維持しAGCの上告を棄却した。
大法院は、元AFK社長・原納猛らを被告とする派遣法違反裁判(1審懲役6カ月、2審無罪)も、原審を破棄し地裁に差し戻した。その一方、AFKがGTSとの請負契約を解約したことを不当労働行為だと認めた中央労働委員会の決定に対してAFKが提訴した行政訴訟では、不当労働行為を認めなかった。
翌12日、AGCは強制出勤命令通知を22人に個別に送り付けてきた。7月15日午前8時30分までにAFK正門前に出勤せよと言い、「出勤しない場合、当社は無労働無賃金原則を適用し、無断欠勤に伴う責任を問う」「事情があって出勤できない場合には本人が直接連絡してください」というのだ。この期に及んでAGCは、労組を相手にしないという態度だ。
これに対し旭支会は、「生計のために海外にいる組合員もいるし、脳出血で倒れてリハビリ中の同志もいる。9年間路上生活をしてきた労働者たちだ。闘争を整理し、出勤の準備をする時間が必要だ」と、組合として協議を行うという公文書を送った。チャホノ支会長は「出勤協議すらしないという会社と、今後の展開が楽しみだ」と闘志をみなぎらせた。
韓国では旭闘争の勝利に沸き立っている。21年、「21人は正規雇用するがチャホノ支会長は難しい」というAGCの提案を拒否した旭支会が、団結と連帯を貫いて堂々と職場に戻る時が来た! チャホノ支会長は「勝つ自信があった。解雇者として9年間、色々な闘争に連帯しただけ私たちの闘争は拡大した。皆が共につくり出した勝利だ」と語っている。
迎えた15日朝、旭支会は、AGCの出勤強要を蹴って正門前で宣伝戦を行った。「無断欠勤」だと言って労組弾圧を狙うAGCに対し、旭支会は8月1日を出勤日と定めた。闘いの第2幕が始まっている。
7・11AGC本社行動
韓国から「大法院で勝利判決!」の報を受け11日午後、旭非正規職支会支援共闘会議は東京・丸の内にあるAGC本社を訪問。「22人全員の正規雇用を即刻履行せよ!」と平井社長に迫り、宣伝を行った。
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