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三里塚第3誘導路裁判―国・NAAを擁護する阪本裁判長と対決

20180423a-1.jpg 4月24日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、農地死守の決意をみなぎらせ、全力で闘った。この裁判は、国と成田空港会社(NAA)を相手に、B滑走路の2500メートルへの延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という二つの変更許可処分の違法性を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求める訴訟である。
 千葉地裁はこの日、入庁者に対する不当な手荷物検査を一段とエスカレートする暴挙に及んだ。早朝から裁判所の職員が総出でロビーに陣取り、建物に入ろうとする人に片っ端から「カバン、バッグを開けて中を見せろ」としつこく求め、金属探知ゲートを通ることを強要した。この不当な人権侵害に対し抗議の声が燃え上がり、ロビーは騒然となった。しかも、裁判所内に待機していた千葉県警の刑事が10人以上も現れ、抗議する人びとをカメラ、ビデオで撮影し始めたのだ。裁判所と警察が一体となった不当極まりない人権侵害と弾圧だ。怒りの抗議が一層激しさを増し、刑事どもは自分たちの行為に確信も持てず、無言でうなだれてしまう有様だ。この闘いの中で一人が「構外退去」を命じられた。絶対に許すことはできない!

 午前10時30分に開廷すると、弁護団は裁判長に対し「傍聴妨害」として手荷物検査に猛然と抗議し、この事態を厳しく問いただした。阪本裁判長は、「庁舎管理権にかかわることで、答える立場にない」「自分は関知しない」と木で鼻をくくったような答弁を繰り返す。なんという無責任! この裁判の傍聴希望者が、裁判所によって妨害されたのだぞ! 裁判長は、弁護団と傍聴者の怒りに圧倒されながら、「ご意見があったことは伝える」と渋々述べた。

20180423a-2.jpg 前回の裁判までに、弁護団が二つの変更許可処分にかかわる被告(NAA・国交省)の担当責任者を明らかにするよう求めたのに対し、裁判長は3月29日付で「事務連絡」という文書を送りつけてきた。この短い文書には、一読しても意味不明な言い回しで、「まず原告=反対同盟側が具体的争点との関連性を明らかにしろ」などと書かれている。今回弁護団は、この転倒した要求に対し猛然と反論した。
 「処分は適法だ」と言うならその立証責任は当然被告にある。ところが国は、「申請書は出した。告示・掲示もした。公聴会も開いた」と手続きのことを並べただけで、適法性の主張にまったくなっていない。航空法39条に「空港設置計画は、他人の利益を著しく害することとならないものであること」とあるが、この要件を充たすものとして国・NAAとの間で誰がどこでどういう協議をし、誰がどういう根拠で適法と判断したのか、あるいはしなかったのかを問い質しているのだ。原告に責任を転嫁するな。被告に釈明をするよう促せ!
 しかし阪本裁判長は、輪をかけた不明瞭かつ無内容な言い方で「どういった項目を立証の柱に立てるのか……」などと、あくまで弁護団に向けて「要求」を述べ立てる。結局、成田空港が騒音・農業破壊・立ち退き強要などで他人の権利を侵害し続けてきた現実をごまかし、国・NAAへの追及と責任者の証人喚問を妨げようとしているのだ。
 さらに弁護団は、昨年7月に発生した重大インシデント(B滑走路南端の東峰での離陸時の超低空飛行)と騒音問題で、空港の危険性、反人民性を強力に突きつけた。10人近くも居並ぶ国・NAAの代理人弁護士たちは、うず高く積み上げた資料に身を隠すようにして、終始無言を通した。
 次回期日を8月3日、次々回を11月9日としてこの日は閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が、違憲・違法な検問と阪本裁判長の姿勢を根本的に弾劾し、勝利への決意を述べた。
 反対同盟と支援連は、午後には千葉市の繁華街に情宣活動に繰り出し、天神峰・市東孝雄さんの農地への強制執行を許さない署名を呼びかけた。(TN)

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