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国鉄解雇撤回労働委始まる 居直りと出席拒否のJRに怒り

20180809c-1.JPG 国鉄1047名解雇撤回へ、動労総連合が新たに起こした労働委員会闘争の第1回調査が7月31日、千葉県労働委員会で行われた。被解雇者当該を先頭に動労総連合の組合員と弁護団、支援は、この闘いを階級的労働運動復権の出発点にする決意で調査に臨んだ。
 審査を担当する村上典子公益委員が「被申立人のJR東日本から、あらかじめ欠席の連絡があった」と述べると、審問室は怒りに包まれた。反動的理屈で不当労働行為を居直り、労働委員会にも出席しないJRの態度は絶対に許せない。

解雇したのはJR
 動労総連合の田中康宏委員長と動労千葉争議団の中村仁さんが意見陳述に立ち、JRが解雇の当事者であることが明らかになった以上、労働委員会は解雇撤回・JR復帰の命令を出すべきだと主張した。
 藤田正人、野村修一、葉山岳夫の各弁護士も、JR東日本の答弁書を批判する論陣を張った。JRは事実についての認否もせず、ただ「JRはJR不採用となった者の使用者ではない」「解雇は30年以上前のことで、申し立て可能な期間を過ぎた動労総連合の申し立ては却下すべき」と言い張っている。
 しかし、JRこそ解雇した張本人だ。動労総連合の組合員を解雇するために作られた不採用基準はJR設立委員長の斎藤英四郎(当時、経団連会長)が策定を命じ、設立委員会の会合で正式決定されている。JR設立委員の行為はJRの行為であることも、国鉄改革法に明記されている。
 JRは不当労働行為のあった日から1年以内に申し立てなければならないとした労働組合法27条を盾に、30年以上前の解雇は労働委員会の審査の対象にもならないと主張している。だが同条は、「継続する不当労働行為」の場合は、それが終了した日から1年以内を申し立て期間と定めている。いまだに解雇を撤回せず、解雇撤回に向けた団体交渉さえ拒むJRは、継続する不当労働行為を現に行っているのだ。
 弁護団はさらに、事実についての認否をJRに迫る求釈明書を提出した。
 だが、村上公益委員は「最高裁の判例に反する命令を労働委員会が出すことはできない」と発言した。その判例とは、国鉄分割・民営化直後に動労千葉がJRを相手に労働委員会に申し立て、最高裁まで争われて確定した「国鉄とJRは別法人。国鉄が不当労働行為を行ったとしても、その責任をJRは負わない」という反動判決のことだ。「それに反する命令は出せない」という村上委員の発言は、反動命令しか出さないと言い渡したに等しい。
 県労委は事実見よ
 しかし、その反動判決さえ「国鉄改革法は、国鉄が採用候補者名簿の作成に当たり組合差別をした場合には、設立委員自身が不当労働行為を行った場合は別として、もっぱら国鉄にその責任を負わせることとしたものと解さざるを得ず、設立委員ひいてはJRが不当労働行為の責任を負うものではない」と述べている。設立委員自身が不当労働行為をした場合にはJRの責任となることを、否定してはいないのだ。
 「JRに責任なし」の反動判決が相次ぐ中で、動労千葉は国鉄を引き継ぐとされた鉄建公団(現鉄道運輸機構)を相手に訴訟を起こした。そして、その裁判で不採用基準の策定は不当労働行為であることを最高裁に認めさせた。さらに、その不採用基準が設立委員自身によって作られた事実を突き止めたのだ。新たに判明した事実に労働委員会を向き合わせるためには、労働委員会あての署名の拡大をはじめとしたさらに大きな運動の力が必要だ。
 報告集会で、動労千葉争議団の高石正博さんが解雇撤回への決意を述べ、田中委員長が「乗務員制度解体を頂点とする第3の分割・民営化との決戦、改憲阻止の決戦の中に解雇撤回の旗を立て、全労働者の雇用と権利をかけて闘おう」と訴えた(写真)。次回は9月10日(午前9時30分、千葉県南庁舎前集合)。JRを追い詰める一層の闘いに立とう。

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