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豊洲市場内で初の集会 「築地に戻せ!」の闘い始まる

市場で働く仲間を先頭に「豊洲の根本を考える集会」。豊洲の現実に怒りと危機感が続出し闘う団結を固めた(5月17日 豊洲市場)

5月17日、「豊洲の根本を問う5・17集会」が東京都江東区の豊洲市場管理施設棟集会室で開かれた。仲卸の仲間をはじめ50人が参加し、市場の仕事を終えた仲間も次々と駆けつけた。「築地を活かし豊洲を止める会」が主催し、初めて豊洲市場内で集会を開いた。
危険な労働環境
司会を元東京都教員の米山良江さんが務めた。豊洲市場耐震偽装裁判弁護団の武内更一弁護士、藤田城治弁護士が裁判の経過を報告した。この裁判は、水産仲卸棟1階脚柱の鉄量が規定量の半分しかないなどの法令違反を犯しているとして、仲卸5人が原告となって都知事に同建物の除却・撤去を要求して昨年6月に東京地裁に起こした行政訴訟と、使用禁止の仮の義務付けを求めたものである。
 武内弁護士は、地裁・高裁が耐震偽装の中身に立ち入らず仮の義務付け申し立てを却下し、最高裁は「高裁の判断は正当として是認することができる」として、1行の理由も書かず特別抗告を却下したと報告した。都も裁判で鉄量が41%不足している事実を認めている中で、中身の議論に入ったら勝ち目がないということである。藤田弁護士は「建物の安全性に関する主張は揺らがない」として、粘り強く声を上げ続けることを訴えた。
黒い粉塵は猛毒
「止める会」代表であり仲卸の宮原洋志さんが報告に立った。宮原さんは「豊洲で大変な事態が起きている」として、ターレで2件の死亡事故、仲卸売場棟4階駐車場の黒い粉塵から自然界の170倍ものアンチモンや96倍の亜鉛、12倍のカドミウムなどの猛毒が検出されたこと、仲卸の仲間から健康被害を訴える声が相次いでいることを報告した。そして「このままスルーさせるわけにはいかない」と声を強めた。
続いて、仲卸棟4階駐車場で働く仲間が「海水、真水を使う茶屋は廃止されており魚の血水を洗い流すこともできない。黒い粉塵のためにのどが痛く声も出ない。魚にも粉塵がかかっている」と報告し、健康被害、公害を防ぐには「築地市場に帰る以外にない」と危機感を表した。市場で働く仲間の報告が続いた。
「止める会」事務局で東京労組交流センター事務局長の小泉義秀さんが来年6月の改悪卸売市場法施行に向け、都が市場民営化を公言していると指摘し、「小池都政の民営化と闘い、築地にもう一回市場を戻すために闘う」と提起した。
質疑応答では活発な討論が交わされた。「自分も事故にあった」と労働者が報告し、豊洲で働く仲間は「本当に怒りを束ねて行動しなければ生きられない」と切実に訴えた。中央卸売市場条例改悪によって「仲卸必置原則」もなくし、セリの全廃と仲卸の一掃が策動されていることへの強い危機感が共有された。
闘いはいよいよこれからだ。
最後に、宮原さんが「豊洲で報告会を開いたことに意義がある。みんなで話し合って状況を打開しよう」と締めた。

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