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◎三里塚「耕作権&新やぐら」二つの裁判を闘う

 

耕作権裁判開廷を前に、酷暑の千葉市街を力強くデモ行進する三里塚反対同盟(7月29日)

7月29日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判と新やぐら裁判が連続して開かれた。
三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民90人は、天神峰・市東孝雄さんの農地を絶対に守りぬく決意でともに闘った。
開廷を前にした午前9時、千葉市中央公園に集合し、太郎良陽一さんの司会で決起集会を開いた。
最初に反対同盟事務局を代表して東峰の萩原富夫さんが発言に立った。「NAA(成田空港会社)の新社長に国土交通省出身の田村明比古が就任し、空港機能強化を20年代前半にもやりたいなどと言っている。なりふりかまわず力ずくで第3滑走路を造るという敵の決意表明だ。この10月からはA滑走路で深夜発着時間延長を強行しようとしている。大企業のもうけのため人びとの生活をつぶすのを許さない。市東さんの農地・農業を守り、空港建設に絶対反対の声を上げよう」
続いて、動労千葉の川崎昌浩書記長が、三里塚労農連帯の決意を表し、「ジョブローテーション=運転士・車掌廃止攻撃を許さない。安倍の労組解体攻撃を粉砕し、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への空前の弾圧攻撃を打ち破ろう」と熱く呼びかけた。
さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、高らかにシュプレヒコールを上げデモに出発した。
「強制収用阻止!市東さんの農地を守ろう!」と大書された横断幕を先頭に立て、梅雨明け直後の強烈な日差しと闘いながら、デモ隊は市街地を千葉地裁に向かって力強く進んだ。

◎耕作権裁判
10時30分、耕作権裁判が異例の「準備的口頭弁論」として開廷した。この裁判は、市東さんの南台農地の一部をNAAが「不法耕作」と決めつけ(デタラメだ!)明け渡しを求めているが、実際にはNAAの不法・違法の数々を追及する場となっている。
そうした中、NAAの卑劣な文書隠しに対する文書提出命令申し立てについて、弁護団は東京高裁に特別抗告を行ったが、その結果はまだ出ていない。だから裁判記録はすべて高裁に送られており、本来は地裁で手続きを進めることはできない。しかし、内田裁判長は「裁判の遅れ」を取り戻そうとあせって、争点・証拠の整理手続きとしての「準備的口頭弁論」を強引に入れてきたのだ。
開廷早々、弁護団は抗議の意を表したが、内田裁判長は「準備的口頭弁論は民事訴訟法に規定されており、裁判所の判断で行える。被告側(市東さん)の今後の主張・立証を縛ることはなく、不利益を被ることは想定されない」などと自己正当化した。NAA代理人も「しかるべく裁判所に従う」と忠犬ぶりをアピール。
だがそもそもこのような事態にいたったのは、NAAが乙84~86という重要証拠を墨塗りにしたまま提出したからだ。弁護団は裁判長に向け「墨塗り文書を任意で全面開示するようNAAに命じよ」と迫るが、裁判長は「高裁の判断が出ていないので、今はそういう状況にはない」と逃げた。
次回期日を10月28日とし、次々回を来年2月3日として、弁論更新を次回以降に行うことなどを確認して耕作権裁判は閉廷した。

◎新やぐら裁判
続いて、新やぐら裁判に入った。
陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見表明を行った。この裁判は市東さんの天神峰農地に建つヤグラ・看板などの4つの物件について、NAAが反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだが、NAAにそんな請求の権利は一切ない。空港公団(後のNAA)は、市東家に無断で旧地主からの土地取得・買収を行い、そのことを17年間も隠し続けてきたのだ。とんでもない農地法違反であり、取得は無効であることを、弁護団はあらためて突きつけた。
さらに、市東孝雄さんと萩原富夫さんの陳述書を証拠として提出し、天神峰農地の一角を市東さんに借りて反対同盟がやぐら・看板を設置することは何ら問題なく、この農地を力ずくで奪う強制執行や、看板・やぐらの撤去など絶対に許さない決意を明らかにした。

裁判報告集会で闘いの意気込みを語る市東孝雄さん。右は葉山岳夫弁護士

またすでに申し出ている18人を全員採用して人証調べを行うよう、重ねて要求した。
次回期日を9月30日として閉廷。

千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
最初に市東さんがあいさつに立った。「裁判長を見ていると、あせって早く先へ進めようとしているのが分かるが、そんなことは認めない。弁護団とともにNAAの悪事を引きずり出す」
さらに葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷での応酬を解説し、9・24請求異議裁判控訴審を当面する重大決戦として、市東さんの農地を守り、安倍政治を

千葉県弁護士会館で報告集会。

打ち砕く決意を述べた。
最後に伊藤さんが、9・24控訴審で東京高裁を大包囲する結集を呼びかけ、それに向けた周辺一斉行動を8月25日に拡大版として取り組むことを明らかにし、一同の奮起を促した。(TN)

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