学生の実力闘争 全米に拡大 逮捕・処分に屈せずガザ連帯貫く
4月17日にニューヨーク市コロンビア大学の芝生でガザ連帯キャンプが開始されて以来、アメリカでは2600人以上が逮捕されながらも学生たちの実力闘争が発展している。占拠闘争は全米100以上の大学に拡大し、コロンビア大学では卒業式の中止が発表された。4月末から5月初めには警察が全米で一斉に連帯キャンプへ襲撃をかけ、各地で大激突となった。ヨーロッパの大学でも闘いが拡大し、パリ政治学院に続いてドイツやイギリス、オランダ、スイスなどでも占拠闘争が行われている。
この闘いは米社会に激変をもたらしている。4月末の世論調査で、ピュー・リサーチ・センターでは「30歳以下の米国人のバイデン支持率は28%」、CNNでは「35歳以下の米国人の81%がイスラエルのガザへの戦争に対するバイデンの政策は誤りと答えた」。米支配階級は、丸ごと一世代を失ったのだ。
連邦議会は学生たちの闘いを「反ユダヤ主義」だと非難し、公聴会でコロンビア大学の学長に一層強硬な処分を求める映像が全メディアで流され、占拠非難の大キャンペーンが張られた。当局は大量の停学・退学処分、学生寮からの追い出しを行い、メディアは大量処分のニュースで闘争拡大を食い止めようとした。
だが、平和を求めるユダヤ人の声(JVP)や正統派ユダヤ教徒などが最先頭でガザ連帯の実力闘争に立ち逮捕されている中で、メディアの「ガザ連帯=反ユダヤ主義」という宣伝は急速に力を失っている。
●スクラムを組んで弾圧・襲撃と対決
ガザ連帯キャンプへの警察の襲撃は、ものものしい重装備を誇示して行われた。騎馬警官隊が出動し、通常の警察機動隊以上の装備を持つハイウェーパトロールや州兵も動員された。オハイオ州ではライフル銃を持った狙撃兵がビルの屋上に配置された。そしてすでに逮捕し、手錠をかけた学生や教員にさらに暴行を加えた。これを現場で経験したある学生は「恐怖で震えが止まらなかったが、ガザの恐怖とは比べものにならないと考えて踏みとどまった」とSNSで語っている。みながその思いで固くスクラムを組み、学生同士の連帯感を強めたのだ。この姿が、同世代の学生・労働者をとらえている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校では4月30日夜、シオニスト組織が棍棒(こんぼう)、化学薬品、催涙ガス、花火などを武器としてガザ連帯キャンプに襲撃をかけた。駆けつけた警察は静観した後に学生に暴行を加えて逮捕した。だが、学生たちはあらかじめバリケードを築き、ヘルメットで武装した最先頭の守備隊がシオニストの襲撃から数時間もキャンプを守り切ったのだ。この戦闘的団結により、警察によるキャンプの撤去後も集会とデモを次々に拡大している。
●各国でパレスチナ連帯掲げメーデー
パレスチナ労働組合総連盟のアピール(別掲)に応え、メーデーには世界各地でパレスチナ連帯行動が闘われた。ロンドンでは数百人のデモ隊がイスラエルとの取引停止を要求してビジネス・通商省を封鎖した。
アメリカの国際港湾倉庫労組第10支部(ILWUローカル10)は、メーデーを「職場を止める集会」としてデモを行うとともに、組合員総会でパレスチナ連帯決議を上げた。特に重要なのは、イスラエル向けの貨物を実力で止めてきた実績を踏まえて、その闘いをさらに拡大すること、そして米労働総同盟・産業別組合会議(AFL―CIO)の既成指導部に対して「労働組合」を名乗るイスラエルのシオニスト組織・ヒスタドルートとの決別を要求していることだ。労働貴族から労働運動を奪還する闘いそのものだ。自治体・教育労働者の組合でも同様の闘いが巻き起こっている。ここにこそアメリカ帝国主義を打倒する力がある。
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