三里塚耕作権裁判―「裁判長は国策の手先になるな!」
12月21日、千葉地裁民事第2部(本田晃裁判長)で、市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。
開廷に先立ち、反対同盟を先頭に、労働者・学生・市民70人が千葉市葭川(よしかわ)公園に結集し、午前9時から太郎良陽一さんの司会のもと決起集会が始まった。
最初に反対同盟事務局を代表して東峰の萩原富夫さんが発言した。17日の請求異議裁判控訴審不当判決に対し、「これに屈することなく今後も闘い続ける」と力強く表明し、「耕作権裁判は裁判長が替わり仕切り直しの闘いになる。デモで私たちの闘う姿勢を示し、傍聴闘争に決起しよう。空港はもう終わりだ、裁判所は農地を奪うなと元気よく訴えていこう」と提起した。
続いて動労千葉の中村仁書記次長が発言し、菅野判決を満腔の怒りで弾劾した上で、弾圧をうち破る団結の力を示すこと、そのためにも闘いを大きく広げていくことを提起し呼びかけた。
連帯発言を受け、デモに出発した。宣伝カーからは伊藤信晴さんが「農地死守」の訴えを千葉市繁華街に響かせ、デモは地裁に力強く迫った。
午前10時30分に開廷。この日は裁判官の交代に伴う更新手続きとして、まず市東さんが意見陳述を行った。市東さんは、NAAにより「不法耕作」の汚名を着せられ、祖父の代から耕し続けてきた農地の明け渡しを迫られていること、さらにNAAが明け渡しを求めておきながら裁判所の文書提出命令に応じず、重要な証拠となる文書を隠し続けていることに強い怒りを表した。
続いて反対同盟顧問弁護団が意見陳述し、NAAの数々の農地法違反や畑の位置特定の誤りを詳述して、農地強奪の違法性と不当性をあらためて全面的に暴いた。そして請求異議控訴審での不当判決を弾劾し、コロナ禍によるNAAの破綻性を明らかにし、本田裁判長に対し国策の手先となってNAAに肩入れする裁判を行わないよう厳しく迫った。
●執行を一時停止、保証金は100万円
閉廷後、弁護団は17日の東京高裁での判決に基づく強制執行の停止を求めて、執行裁判所である千葉地裁と交渉を行い、担保保証金100万円の支払いを条件に執行の一時停止で合意した。しかし効力の期限は3月31日まで。その後は最高裁との交渉によって、停止が続くかどうかが決まる。
交渉を終えた弁護団を迎え、千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会のもと報告集会が開かれた。
最初に葉山岳夫弁護士が執行停止手続きの経過を報告。さらに菅野判決の内容について逐一弾劾、批判した。そして今日の耕作権裁判の意見陳述について解説し、今後徹底的に本田裁判長と対決すると決意を述べた。
続いて市東さんがあいさつに立ち「高裁の判決は残念で悔しい気持ちがいっぱい。しかし、大事なのはこれからどう闘っていくか。耕作権裁判はもう14年になる。農業だけでなく裁判も体の続く限り闘って勝訴できるように頑張りたい」と決意を明らかにした。
さらに弁護団がそれぞれ発言し、耕作権裁判の勝利と請求異議裁判上告審に向けた決意を語った。
次回期日は3月15日。
最高裁での闘いに向けて、反対同盟は新たな署名・カンパに取り組む方針を明らかにしている。反対同盟に全力でカンパを届けよう。
(TN)
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