旭支会 戦犯企業・旭硝子を糾弾 損害賠償請求を撤回しろ
ソウル日本大使館前で抗議 〝正規職として復職を”
8月20日午前11時からソウルの日本大使館前にある「平和の少女像」前で、「戦犯企業旭硝子(現AGC)」に解雇撤回、損害賠償請求撤回を要求する記者会見が行われた。旭非正規職支会と共に闘ってきたソンチャプコ(「損害賠償仮差し押さえを止めよう、手に手をとって」の略)、金属労組、「非正規職 今こそなくそう、1100万非正規職共同闘争」が取り組んだ。
韓国・亀尾(クミ)市で初の非正規職労働組合を結成して1カ月後の2015年5月30日、旭硝子ファインテクノ韓国は、組合員らが働く社内下請けGTSとの契約を突然破棄! 企業丸ごと178人の労働者をメール1本で解雇した。
以来4年、旭非正規職支会は「解雇を撤回し、正規職として職場に戻せ!」と要求し、23人の組合員が闘い続けている。東京・丸の内のAGC本社への日本遠征闘争を契機に日本で旭非正規職支会支援共闘会議が結成され、日韓労働者の共同闘争へと発展してきた。
門前闘争を弾圧
7月19日、クミ市の旭硝子工場正門前で「旭闘争4年勝利決意大会―われわれは勝利する」が開かれた。仕上げに参加者全員で工場門前に移動し、「解雇者を復職しろ」「戦犯企業」など思い思いの闘争スローガンを道路や門にスプレーで記し抗議の意志を示した。これに対して会社側は損害賠償を請求してきた。
スプレーで書いたスローガンを消すだけなら専門家は700万ウオン程度と試算したが、旭硝子は請求額を膨らませるために新しく舗装し、旭非正規職支会とチャホノ支会長ら4人の組合員を告訴し、総額5200万ウオンを請求したのだ。
以下は、記者会見で発表された抗議文(抜粋)だ。
「戦犯企業旭硝子が労働弾圧の代表的な手段である損害賠償請求の伝家の宝刀を抜いた。旭硝子は日帝強占期(植民地支配の時代)の戦争犯罪企業だ。強制徴用で有名な三菱の子会社だ。戦争を利用し、カネをもうけた代表的企業だ。
しかし戦犯企業は何も過去の清算もなく、国内に入って来た。特恵まで受けた。土地もタダで得て、税金も免除、不法派遣で非正規職を雇用し、費用節減。年平均売り上げ1兆ウオン、戦犯企業旭硝子はたやすくぼろもうけをした。韓国は戦犯企業にたやすくカネをもうけさせるお人よしだ。
旭硝子は2015年にメール1通で非正規職178名を解雇した。労働部は『178名を正規職として雇用しろ』という是正命令を出した。しかし今まで旭硝子は命令を履行せずにいる。検察も不法派遣で旭硝子を起訴した。刑事裁判を受けている。しかし旭硝子はキム&チャン(労働争議で資本の側に立つ悪徳弁護士事務所)を前面に押し立て不法を包み隠している。
われわれは戦犯企業と労働者を弾圧する企業に対して、すべての人々が闘うことを提案する。戦犯企業旭硝子は、即刻損害賠償を取り下げろ。不法派遣を認定し、解雇された労働者を正規職に転換しろ」
記者会見後、抗議書簡を持ったチャホノ支会長を先頭に大使館に向かったが、警察が阻止線を張って行く手を阻む。何とか日本大使館の入り口まで進んだが、そこも警察が阻む。抗議書簡は怒りと共に投げ入れられた。
共に「ノー安倍」
旭硝子関連の記者会見を日本大使館前でやるのは、初めてのことだという。安倍政権が目の敵にしている「平和の少女像」と並んでの記者会見だった。
チャホノ支会長は、インターネットに掲載されたインタビュー記事(「国際労働運動」9月号、47~54㌻参照)で昨年10月の日本遠征闘争での印象的な場面を語っている。
「最も思い出す場面は、日本の同志たちが戦争反対を前面に掲げていることです。労働組合の動労千葉の綱領に戦争反対を明示して、現場でもそうした活動をしています。日本は戦争を引き起こしてわが国を支配した国だから、国民にもなにか利益があるのだろうと漠然と思っていました。しかし、その国の国民がただ言葉だけではなく、日常的に戦争反対の闘いをしていたんですよ。帝国主義戦争で被害を受けるのは全部労働者であり、敗戦後も途方もない犠牲が伴ったので、労働組合の活動でも戦争反対を非常に重要と考えていると言っています。一番、驚きました」
そして、「多国籍資本と出会った時、国際連帯が本当に大きな影響力を発揮します。ただ同じ労働者階級という理由でそれが可能でした。安倍政権に対して日本の労働者と共に手を握って闘わなければなりません」と語っている。
旭支会は9月2~7日、東京のAGC本社を攻める第5次日本遠征闘争を構えている。日韓労働者の共同闘争で解雇撤回! 安倍政権の改憲・戦争を阻もう!
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