区職員への賃下げ許さない 杉並区議会 洞口区議が区長を追及
11月20日の杉並区議会第4回定例会で、都政を革新する会の洞口朋子区議が一般質問を行い、①東京・特別区人事委員会の賃下げ勧告、②2020年東京オリンピック、③阿佐ケ谷再開発および災害対策の3点を問いただした。①については、自治体労働者の怒りの声を踏まえた洞口区議の追及に、田中良区長は「今回の賃下げ勧告は遺憾に思う」と答弁せざるを得なかった。洞口区議の質問の一部を紹介します。(編集局)
大幅マイナス勧告
10月21日、東京・特別区人事委員会は、月例給平均2235円削減という大幅賃下げ勧告を行いました。2年連続の賃下げ勧告です。昨年の秋闘では、4万人を組織する特別区職員労組連合会と4500人の東京清掃労組が総力で闘い、ストライキの力で最悪の人勧実施を阻止しました。
国家公務員への人事院勧告や全国の自治体の人事委員会勧告は、ごくわずかとはいえ賃上げを求めていますが、物価・家賃などが全国で最も高い東京・特別区の人事委員会だけが基本給の大幅マイナス勧告を行ったのです。東京23区の自治体労働者を狙い撃ちする賃金破壊・生活破壊です。
昨年4月に導入された特別区の新人事制度は、それまでの多くの主任・係長級職員を下位に落としました。人事委員会はそこにつけ込み、役職の低い民間労働者との比較を行うことで再び大幅賃下げを勧告しました。新規採用者の初任給だけは「人材確保の観点から据え置き」としましたが、高卒新採労働者の時間当たりの賃金は、地域手当などを含めなければ最低賃金以下です。青年労働者には初めから「一生低賃金」が押しつけられ、離職を余儀なくされる青年が膨大に生み出されています。
一時金は「勤勉手当」の形で増額するとしていますが、「勤勉かどうか」を管理職が評価・判断してプラスにもマイナスにもできる許しがたい仕組みです。労働者は管理職に対し意見を言えなくなり、労働者同士が競争させられるのです。
10月11日、安倍政権は自治体に国や民間を上回る賃金分の削減と評価制度の徹底を求める閣議決定をしました。その意を受けて特別区人事委員会が極悪の勧告を出したのです。人勧制度を人事委員会自ら踏みにじる今回の勧告について、区長の立場をお尋ねします。
オリンピック反対
東京オリンピックに反対の立場から、2点質問します。①当区のオリンピック関連に従事する職員の体制はどうなっているでしょうか? ②東京都はボランティア体験を希望する中学生と高校生を募集していますが、実際には具体的な人数が学校ごとに割りふられ、学校によっては強制的に参加を求めていることが報道されました。杉並区の児童・生徒のボランティア参加の実態はどうでしょうか?
杉一小移転するな
(JR阿佐ケ谷駅北東地区再開発に伴う)杉並第一小学校の河北総合病院跡地への移転に反対する立場から質問します。
杉一小は現在、震災時や風水害時の避難所に指定されていますが、今の場所よりも低い河北病院跡地への移転は、子どもたちや住民の安全の点で決してやってはいけないことです。河北病院の一帯はハザードマップでも浸水エリアになっており、1958年の狩野川台風では床上浸水した地域です。河北病院直近の北側に住んでいる住民は、「あの時は床上まで浸水し、胸のあたりまで水が上がってきて生きた心地がしなかった」と語っています。
千葉県茂原市がこの30年で3回浸水した中央公民館を避難所として開設した結果、10月25日の豪雨で浸水し、避難した住民を市役所へ再避難させたことが報道されました。市は対応が不適切だったことを認め、今後は水害時の避難所として使用しないことを決めたということです。
避難場所は「高いところへ」が原則です。だから、杉一小を移転すべきではありません。そこでお尋ねします。①杉一小を移転した場合、避難所が現在よりも低い場所に指定されることになると思いますが、いかがですか? ②移転先の周辺住民にどのような説明をしているのか具体的な答弁を求めます。
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