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香港予備選、61万人が投票 国安法粉砕へ青年先頭に決起

バスでの投票を終えて降りてきた女性(7月11日 香港)

6月30日に中国政府が成立・施行した国家安全維持法(国安法)との闘いが新たな段階に入った。
9月6日に行われる香港立法会(国会)選挙を前に、7月11〜12日、民主派が予備選挙を行い、61万人を超える香港市民が投票した。国安法に対する香港の労働者民衆の激しい怒りの表明であり、林鄭政権打倒への強烈な決起だ。これは中国政府と香港政府に大きな打撃を与えている。
香港の立法会選挙制度は極めて不公平だ。全議席70議席のうち半分の35議席は各選挙区の住民の投票で選ばれるが、残りの35議席は中国政府と関係の深い職能・業界団体から選ばれる。民主派はほぼ勝利できない制度なのだ。そこで民主派は民主派系52人の候補者を35人+数人に絞り込むための予備選挙を行い、乱立を防いで本選挙での過半数の獲得を目指そうとしている。立候補者の中には、著名な20代の活動家である黄之鋒氏や今年2月に医療労働者ストを闘った労組・医管局員工陣線委員長の余慧明氏もいる。

長蛇の列をつくって投票を待つ人々(7月11日 香港)

中国・香港政府の弾圧をはね返し
重要なのは、この投票行為自身が国安法と林鄭政権弾劾の大衆行動となったことだ。香港政府は投票活動を徹底的に妨害・弾圧。「国安法違反の疑いがある」と恫喝したのみならず、投票開始直前の7月10日深夜には集計などで協力する香港民意研究所に対し「研究所のパソコンにウイルスが入り込み、警察官の情報が漏れた」との口実で家宅捜索に入った。この影響で11日の投票開始時間は遅れたが、林鄭政権の凶悪な妨害は逆に香港の労働者民衆の怒りをますますかき立てた。人々は弾圧に屈せず立ち上がったのだ。
2日間、人々は251カ所設けられた投票所に駆けつけて次々と投票。投票総数はネット投票数59万2196票、投票所投票数2万1500票の計61万3696票で、主催者目標の3倍を超えた。
絶対に国安法を許さず林鄭政権を打倒するという、香港の労働者民衆の強烈で広範な意思を示すと同時に、制度的に困難とされている立法会選挙での民主派勝利の展望もしっかりと開いた。過半数の議席を握れば予算案などを否決できる。これは制度上、行政長官辞任への道を開くものであり、国安法体制も大きく揺らぐことを意味する。
林鄭政権と中国・習近平政権は選挙結果におののき、「国安法違反」の恫喝に加えて同法などを理由に一部の民主派の立候補を認めないなどの暴挙に出ようとしている。当選者に対しても、就任宣誓拒否などの理由で議員資格を奪うことも辞さないだろう。
香港ゼネストの展望切り開く
だが、このような不当かつ違法な弾圧は、香港の労働者民衆のさらなる決起を呼び起こすだけだ。「国安法違反だというなら、数十万人の投票者全員を逮捕してみろ!」という声が沸き起こっている。合法的な闘いが弾圧されるなら、勝利の道はゼネストだ。社会を動かしている全労働者民衆が団結し立ち上がった時、どんな弾圧も無力だ。今回の予備選挙も、広範な労働者民衆の決起で勝利し、香港ゼネスト勝利への展望も確実に切り開いている。
香港情勢は、今回の予備選勝利で、まったく新しい激動に突入した。9月の本選挙は次の大激突となる。香港の労働者民衆と団結して闘い抜こう!

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