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成田市で10・3三里塚全国集会―市東さん「農地死守」の決意鮮明に

10・4総決起集会をかちとり反対同盟を先頭に栗山公園から成田市内デモに意気高く出発

10月3日、成田市栗山公園で三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国総決起集会が開催された。台風一過の快晴のもと、490人の労働者・農民・学生・市民が結集し、「農地死守、空港機能強化粉砕、自民党政権打倒」を誓い合った。
会場の公園は成田市役所にほど近く、1968年2月26日に、全学連を先頭に機動隊の暴力を打ち破る実力闘争が最初に爆発した歴史的な場所、「成田市営グラウンド」として知られている。そして今回の集会は、成田市当局による「騒音」を理由にした規制策動を打ち破ってかちとられた。

全国労組交流センターと全学連の前段集会では、全学連三里塚現地行動隊を先頭に、若い学生や各地の「改憲・戦争阻止!大行進」運動の仲間が、農地を守り三里塚から戦争を阻止する決意を表し、会場の熱気を高めた。
正午に本集会が開会し、前半の司会を決戦本部長の太郎良陽一さんが務めた。最初に反対同盟事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立ち、実力闘争の精神の復権を訴え、「反戦闘争の爆発で市東さんの農地を守ろう」と呼びかけた。
続いて、東峰の萩原富夫さんが基調報告を行った。

「農地死守、改憲・戦争阻止、自民党政権打倒」の気概を込めて、団結ガンバローを三唱した

「安倍内閣の再来である岸田内閣も打倒あるのみ。陸上自衛隊大演習に対して全国で反戦闘争に立ち上がろう。
最高裁第三小法廷が請求異議を上告棄却して強制執行可能な情勢です。われわれは実力阻止の決意だが、耕作権裁判、新やぐら裁判があり、簡単ではない。そして成田空港そのものが必要なくなる危機です。一日平均の旅客数はたった3800人。成田はほぼ貨物空港になっている。こんな空港に市東さんの農地をやれない。機能強化も必要ない。廃港に追い込む時だ。われわれの勝利の要因は、市東さんの決意が変わらないことであり、反対同盟が団結して闘い続けていることです。
農民・住民を犠牲にして経済をまわすために国策を強行してきたその結末が、成田空港のありさまです。脱成長が言われています。資本主義をやめなければ地球が壊れる。農業を守ることが未来につながる。三里塚闘争を守り発展させよう」
連帯のあいさつの最初に、動労千葉の関道利委員長が発言した。
「新自由主義がもたらした社会の危機のもとで、国家主義と大軍拡が進んでいる。三里塚とともに車の両輪として闘ってきた動労千葉は、戦争・改憲を阻止する。JR東が要員削減などの大合理化攻撃をかけているが、それは安全崩壊・鉄道崩壊をもたらすものだ。私たちは第51回定期大会で新たな執行体制を確立した。外注化阻止、反合理化・運転保安闘争でこの大攻撃に立ち向かう。1047名解雇撤回闘争では、JRを裁判当該として法廷に引きずり出す勝利をかちとった。今こそ労働運動が力を取り戻す時。11・7全国労働者集会に集まろう」
そして、大会で新たに選出された役員から渡辺剛史書記長を紹介した。渡辺新書記長は、「農地を守り鉄路を守り、労農連帯で闘いましょう」と力強く述べた。
関西実行委の安藤眞一さんのあいさつに続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋さんが、労働現場での激しい攻防を報告した。解雇撤回をめざす当たり前の労働運動を「名誉棄損」などとでっち上げて弾圧を狙う権力への怒りを表し、「政治にお願いするのではなく、現場から闘いを作り上げる。三里塚とともに勝利まで闘う」と強い決意を表した。

「『うそをつかない、あきらめない』を信念にこれからも天神峰で畑を耕す」と市東孝雄さんが決意を表す

大きな注目の中、天神峰の市東孝雄さんが発言に立った。
「最高裁で上告棄却されましたが、私の気持ちは全然変わっていません。耕作権裁判などほかの裁判もあります。優秀な弁護士さんがそろっているので、最終的には勝てると願っています。卑劣な手段で土地を取ろうとするNAAのやり方は許すことができない。
反対同盟55年の闘いを今こそ、ますます強固にして拡大したいと思います。福島、沖縄、三里塚を一つの闘いとし、動労千葉、関西生コン支部など闘う労働組合と連帯し、市民団体、学生さんたちとも強固なきずなをつくり反対同盟をますます広げていきたい。
『うそをつかない、あきらめない』、これを信念にこれからも天神峰で畑を耕していきます」
この揺るぎない決意に会場の全員が惜しみない拍手を送った。
反対同盟顧問弁護団が登壇した。事務局長の葉山岳夫弁護士は、新自由主義大崩壊のありさまを鋭く暴いた上、弁護団は渾身の力で耕作権、新やぐらなどの裁判闘争を展開し、強制執行断固阻止の現地実力闘争を共に担うことを宣言した。
「市東さんの農地取り上げに反対する会」のあいさつに続き、「群馬・市東さんの農地を守る会」が登壇し、代表して大塚正之さんが、9月19日に市東さんを招いて高崎市で開いた集会の大成功を報告し、「成田空港軍事化と戦争を阻止しよう」と訴えた。
全国農民会議が緑色ののぼりを林立させて登壇した。共同代表の小川浩さんは、1万円を切る米価暴落、食料自給率37%、食の安全の崩壊など日本農業の危機的現状に警鐘を鳴らした。そして「政治を変えなければ農民は生きていけない。労働者も同じ立場だ。市東さんの農地をみんなの力で守り抜こう」と呼びかけた。

川口真由美さんの熱唱に萩原富夫さんがベースで加わり、会場は熱いグルーヴに満たされた

婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピールに続き、関西から駆けつけた川口真由美さんがギター弾き語りで闘いの歌を3曲熱唱した。萩原さんがベースギターで参加して熱いセッションが繰り広げられ、会場を大いに沸かせた。
後半の司会を宮本さんに交代。
福島の椎名千恵子さんは、「三里塚に来ることで、私の反原発の覚悟がすわった」と自らの経験を語り、9月5日の「放射能から命を守る」をテーマとしたふくしま共同診療所を中心としたシンポジウムの開催を報告した。
「市東さんの農地を守る沖縄の会」「若狭の原発を考える会」からの連帯メッセージが紹介され、さらに住民・市民団体のアピールとして全国水平同盟の久原正子委員長、婦人民主クラブ全国協議会の三浦正子代表、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の狩野満男共同代表、動労水戸の木村郁夫委員長、泉州住民の会の中川育子代表などが次々と発言に立ち、農地をともに守りぬく決意を表明した。
ひときわ大きな声援に迎えられて、沖縄大学全学自治会委員長で全学連副委員長の赤嶺知晃さんが決意表明に立った。「全学連は反対同盟と連帯し、農地死守・空港粉砕の実力闘争を貫き、新自由主義・資本主義打倒へ向け闘う。実力闘争の中に社会を変える力がある」と宣言し、7・23五輪開会式粉砕闘争、7・7京大処分撤回集会の意義を強調した。そして10月16~17日の全学連大会をかちとり、改憲・戦争阻止を誓った。

「強制執行粉砕、成田廃港」の気概をこぶしに込めて反対同盟が団結ガンバロー

最後に太郎良陽一さんが「強制執行実力阻止態勢をより強固に、農地死守・実力闘争で迎え撃とう」と呼びかける集会宣言を確認し、10・20新やぐら裁判控訴審第1回(東京高裁)、12・6耕作権裁判(千葉地裁)などの裁判闘争への参加を呼びかけ、団結ガンバロー三唱の音頭をとった。
直ちに反対同盟を先頭にデモに出発。「市東さんの農地を守ろう/第3滑走路計画粉砕!」と大書された横断幕と反対同盟旗が先頭に高く掲げられた。宣伝カーからは宮本さんがシュプレヒコールをリードし、市街一帯に「農地強奪許すな」の訴えを響かせた。
デモ隊は国道51号から成田山の新参道に入り、新勝寺に至る手前で左折、名所として知られる「電車道」を進んだ。市役所前では、空港一辺倒の小泉市政への怒りを込めて、一層鋭くシュプレヒコールを叩きつけた。約2キロの市内一周デモを貫徹し、再び栗山公園に到着。
全国からの参加者たちは、半世紀超の闘争史を共に歩んできた年配者から若い学生まで、闘いの原点として「農地を守り、戦争を阻止する」を再確認し、自らの現場へと戻っていった。(TN)

 

 

スケジュール
◎新やぐら裁判控訴審&デモ
10月20日(水)午前11時30分 日比谷公園霞門集合 霞が関デモ
午後2時開廷 東京高裁

◎第3誘導路裁判
10月22日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁

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