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三里塚団結街道裁判―「小泉成田市長の証人尋問を」

団結街道裁判閉廷後に報告集会を開き、被告の成田市とNAAを追い詰めている手ごたえを実感(11月5日 千葉県弁護士会館)

11月5日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守る闘いの重要な一環として、この日も闘いぬいた。
団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、市東さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に必要不可欠の道路であった。また、一般的にも利用者が多い重要な交通路であった。この生活道路を成田市は、2010年6月に夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、土地を格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばした。そしてNAAはそこに第3誘導路を建設したのだ。この違法性を徹底追及するのがこの裁判だ。
開廷早々、弁護団は準備書面30の陳述に立った。
新型コロナの感染拡大のもとで、航空業界の不況はますます深刻化している。米ユナイテッド航空1万6千人、アメリカン航空1万9千人のリストラ計画が明らかとなり、ANAも社員を3500人減らす方針とされる。
日本政府は「感染対策か経済か」で揺れながら、結局資本家の金もうけ優先の立場をあらわにしているが、この歴史的不況から抜け出せない。頼みの綱として異例のスピードで「実用化」されたワクチンは、接種を事実上の治験にしており、効果にも安全性にも疑問が突きつけられている。

内野俊夫裁判長

航空需要回復の期待は打ち砕かれ、成田空港の20年度通期決算は、800億円を超える未曽有の赤字決算となっている。今や航空需要の大半が社会にとって必要なかったことが明らかになった。ところが、NAAに対する「国からの財政支援」は、20年度だけで「B’滑走路の延伸及びC滑走路の新設をはじめとする、更なる機能強化事業の着実な実施に向けた」融資など計4300億円が投入される。到底返済など不可能な金額であり、このような機能強化を進めること自体、無意味で論外だ。
団結街道の廃道許可処分が重大な誤りだったことは明白だ!
また弁護団は、第3誘導路新設を確認した09年7月29日の四者協議会(国土交通省、千葉県、成田市など空港周辺9市町、NAA)に至る経緯を追及してきた。これに対し被告の成田市は11月1日、「市とNAAとの間で事前に会議を実施していたはずだが、その回数、日時、場所、出席者、内容などについては調べたが不明」と回答してきた。ふざけるのもいい加減にしろ! 会議の記録を市が隠ぺいしていることは明らかだ。弁護団は「反論書」をたたきつけ、関連文書の提出を要求し、市に再度の釈明を求めた。そして、道路法をも無視して「政治案件」として廃道を進めた最高責任者であり、すべての事情を知る小泉一成成田市長の証人尋問が不可欠であることを強く主張した。
内野裁判長は、市とNAAの代理人の不誠実な対応を容認し、今回も市長を証人として呼ぶかどうかについて結論を出さない。傍聴席からの抗議も無視し、うつむき加減で手続きに専念する風を装う内野は、次回期日を3月8日として閉廷を告げた。

市東さんの営農と生活に必要不可欠な団結街道を、成田市は道路法をも無視して封鎖・破壊し、NAAに格安で売却した。NAAはそこに第3滑走路を建設した

千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんが司会を務め報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷のやりとりを解説した。小泉市長証人調べを要求してすでに4年もたつが、結論をいつまでも先送りする裁判所の無責任な対応に怒りが集中した。
動労千葉の滝口誠さんが連帯発言を行い、労農連帯の重要性と国鉄闘争の現状を述べ、間近に迫った11・7全国労働者総決起集会への参加を訴えた。
最後に伊藤さんが、集会会場貸し出し拒否問題での攻防の現状を報告し、今後も芝山町・相川勝重町長の責任をとことん追及する決意を明らかにした。(TN)

スケジュール
◎耕作権裁判
12月6日(月)午前10時30分開廷 千葉地裁
(午前9時集合、千葉地裁へ向け市内デモを予定)

 

AFP通信の取材に応じる市東孝雄さん。背後に見えるのが、封鎖された団結街道の南端(2018年)

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