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団結街道裁判で成田市の証拠隠し、証人隠しを弾劾

20170612d-1.JPG 6月9日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。この裁判は、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた市道=団結街道の廃止処分の取り消しを求める裁判である。三里塚芝山連合空港反対同盟と弁護団、支援の労働者・学生は、市東さんへの営農妨害、追い出し攻撃にあらためて怒りを燃やし、ともに闘った。
 成田市は2010年6月、団結街道を夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、その土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばしたのだ。市は「代替道路を整備したから廃道の要件は満たした」などと居直るが、現に住民が使用している道路を行政が一方的に封鎖・廃止するなど、前代未聞の暴挙である。

 今回は最初に、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、反対同盟顧問弁護団が意見陳述を行った。
 住民の生活を無視する被告成田市の姿勢は、根本的に間違っている。被告の眼中にあるのは、斜陽化する成田空港のつごうに合わせることだけだ。手続きも異常で、代替道路が供用を開始する前に市議会の議決・承認と市長の公示が強行された。市は供用開始の前に完成していたとごまかそうとしているが、その完成日を裏付ける工事写真は「ない」と言う。こんなうそを誰が信じるか。
 結局この廃止処分の目的は、第3誘導路を造るのに団結街道が邪魔だからということだ。NAAは市に3月議会での廃止を働きかけ、市は廃止要件が満たされていないことを承知で議案を議会に提出し、廃止を決定した。その直後にNAAは国に第3誘導路の変更許可を申請し、6月に許可を受けたのだ。空港建設のスケジュールに無理やり合わせたこんな道路廃止処分は違法だ!
 さらに弁護団は、これまで先送りされてきた証人採否の問題について、申請した10人全員を採用をあらためて裁判所に強く求めた。市は、廃止処分当時の土木部長・中村、その後の土木部長・今泉について、「退職して連絡が取れない」などと言う。見えすいたうそであり、悪質な証人隠しだ。
 ところが裁判長は、「被告の意見を聞いた上で最終的に判断する」と言いつつ、中村・今泉のどちらか一人を出せばいいと露骨に被告側に示唆した。冗談じゃない! 弁護団は2人の採用を求めて猛抗議し、傍聴席からも怒りの声が次々と上がった。
 中村は市議会で答弁した直接の当事者であり、今泉はこの裁判で証拠採用された「報告書」の執筆者だ。どちらも代理は利かない。「両名採用しろ!」の声の高まりに圧倒されながら、裁判長は「進行協議を持とう」と提案してきたが、弁護団は「傍聴者のいない密室での協議は必要ない」と突っぱねた。
 次回期日は9月1日。それまでに被告側の意見が出された上、証人の採否が決められる。
 閉廷後、千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、工事完了届・工事写真について「捜したが見当たらない」と言い張る市の証拠隠しを怒りを込めて糾弾した。さらに、国会で共謀罪成立を狙う安倍を徹底弾劾する意見が相次いだ。
 最後に、決戦本部長の太郎良陽一さんが現地情勢を語り、6・26耕作権裁判(千葉地裁)、7・9三里塚現地闘争&天神峰樫の木まつりへの結集を強く訴え、参加者は熱い拍手で応えた。(TN)

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