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三里塚団結街道裁判―成田市長尋問、ビデオリンク不採用に

団結街道裁判閉廷後に報告集会が開かれ、弁護団がそれぞれ法廷を解説し勝利への展望を語った(11月10日 千葉県弁護士会館)

千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で11月10日、団結街道裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生・市民が傍聴席を埋めた。
団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は、天神峰で営農する市東孝雄さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ日々の農作業に不可欠の道路であった。市東さんだけでなく、日常的に多くの人が利用する道でもあった。ところが成田市は、成田空港会社(NAA)の意を受けて廃道決定を下し、2010年6月に夜陰に乗じて暴力的に封鎖し、土地を格安でNAAに売り飛ばした。
住民が現に使用している道を廃止するというこの明白な道路法違反を追及して闘ってきたのがこの裁判だ。廃道決定の最高責任者である小泉市長を証人として法廷に呼ぶよう反対同盟顧問弁護団は要求し続けてきたが、被告(成田市、NAA)と裁判所は言を左右にして結論を先送りし、ここ数年進行が停滞していた。それが前回、小泉証人採用がついに決まったことで動き出した。
だが前回、尋問の方法について被告・成田市が「法廷の静粛性が保たれるか懸念される」などと難癖をつけて、ビデオリンク方式での所在尋問(証人を法廷に呼ばない)を求めていた。
今回開廷早々、岡山裁判長はこの件について、「法廷に呼んで尋問を行う」との判断を明らかにした。当然の結論だ。公人としての小泉市長が、法廷から遠く離れた場所にいてビデオを通じて受け答えするなどありえない。
また前回、団結街道廃道に伴う「機能補償道路」の完成時期を明らかにするために、裁判長は新たな証人がいれば出すよう市に求めていたが、市の代理人は「適切な証人はいない」との結果を伝えた。これによって、市は道路法に定める廃道要件を満たすことなく、もっとも大きな被害を受ける市東さんへの配慮をまったく欠いて廃道手続きを進めたという横暴が「確定」した。
次回期日は3月1日。そして次々回期日5月10日午後に、小泉成田市長への尋問が行われる。
閉廷後、千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
弁護団がそれぞれ発言に立って法廷を振り返り、「ビデオリンク方式の不採用」が重大な勝利であることをあらためて確認した。さらに弁護団は、小泉市長は「空港との共生」という政治家としての信念があるわけだから、成田市民である市東さんら原告に直接それを説明すべきであることを強調し、充実した証人尋問を実現するために傍聴席を満席にすることが不可欠であることを訴えた。
連帯発言として最初に動労千葉副委員長の佐藤正和さんが立ち、間近に迫った11・19全国労働者集会への大結集を呼びかけた。
さらに「市東さん農地取り上げに反対する会」に続き、全学連が発言した。パレスチナ人民に対する残虐な空爆が続くことへの怒りを表しながら、イスラエル大使館抗議闘争で公務執行妨害をでっち上げられて逮捕された仲間の勾留理由開示公判の様子などを報告した。そして日本の地からパレスチナに連帯し、三里塚闘争に勝利する決意を表して一同の拍手を浴びた。
最後に、13日の耕作権裁判で元空港公団用地部の法理哲二が証人として出廷ので、やはり支援の力で傍聴席を満席にして闘うこと、反対同盟の新年団結旗開きが1月14日(日)と決まったことを全体で確認した。(TN)

スケジュール
◎耕作権裁判 11月13日(月)正午 千葉市中央公園集合→市内デモ 午後1時45分開廷 千葉地裁 (証人調べ第1回 元空港公団用地部職員の法理哲二と航空写真鑑定家)
◎耕作権裁判 12月18日(月)午後1時45分開廷 千葉地裁(証人調べ第2回 賃借地時効取得問題についての専門家)
◎三里塚団結旗開き 1月14日(日)
◎耕作権裁判 1月22日(月) 午後1時45分開廷 千葉地裁(証人調べ第3回 反対同盟法対部で活動していた元永修二さん)

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