大行進神奈川が横須賀で集会・デモ
「台湾海峡」に言及する共同声明が出された昨年の日米首脳会談からちょうど1年の4月16日、「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」結成3周年の集会とデモが横須賀市内で行われ、参加しました。
ウクライナ戦争で歴史が一回転する中、中国侵略戦争の切迫と、その「発火点」にされようとしている沖縄の生々しい現実を改めて認識することができました。
集会には約100人が集まったと報告され、集会後のデモでは米軍横須賀基地に向けて「ウクライナ戦争をやめろ」「日本の参戦を許さない」と声を上げました。街には4月に横須賀に来たばかりの自衛隊の学生の姿であふれ、彼らも注目していました。中高生も非常に反応が良く、彼らがデモに合流しようとするのをあわてて警察官が制止する場面もあったほどです。ウクライナ戦争が世界戦争を引き寄せている情勢が、若者たちの意識も大きく変えていると実感しました。
集会のメーンは「美(ちゅ)ら島を戦場にさせない」と題した、映画『標的の村』監督の三上智恵さんのトークです。三上さんは、基地と戦争の問題は決して沖縄だけの問題ではないと繰り返し強調されました。ウクライナ戦争を念頭に置き、「アメリカが日本列島全体を防波堤=戦場にしようとしている」「ウクライナ戦争が示したことは西側の最前線にされたら終わりということ」というお話から始まりました。
また、アメリカは米本土への攻撃に至らないために「中間戦争」という概念を導入し、中国を第一列島線に引きつけて戦争しようとしており、南西諸島を戦争の「発火点」にしようとしていること、最初にアメリカから攻撃すると米本土への攻撃を許してしまうので、同盟国(日本)に戦争の火ぶたを切らせようとしていること、そこに遠征前方基地作戦(EABO)の本質があること、米軍は開戦2週間で中国がいったんは中国地方から関西地方までを占領すると想定していること、などを明らかにしました。その内容は非常に衝撃的でした。
「台湾有事」は沖縄だけではなく、日本全土が「ウクライナ化」する事態です。それを承知で岸田政権は、戦端を開く部隊として自衛隊を南西諸島に配備し、敵基地攻撃能力を確保しようとしているのです。
三上さんはまた、沖縄県高江でのオスプレイ用ヘリパッド建設との闘いを取材し、認識が一変したそうです。生活を守るために工事車両の通行を「身の幅何㌢メートル塞いだ」として7歳の子どもを含む15人が起訴されたというのです。この取材を通して、結局アメリカと闘っているのではなく日本政府と闘っていると気づいたという、三上さんのお話が印象的でした。そして「軍隊は民衆を守らない」ことに行き着き、映画『沖縄スパイ戦史』の製作につながったそうです。
5月4日には大行進神奈川の『沖縄スパイ戦史』上映会も企画されています。集会の基調報告や在本土沖縄出身者の方のアピールも力強く、闘いのエネルギーをもらえた集会でした。
(神奈川 A・Y)
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