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札幌 さくら交通労組がスト/一時金減額に怒り沸騰

ストに入った組合員と支援者(6月9日 北海道札幌市)

12人が24時間スト
6月9日、北海道札幌市の自交総連SKさくら交通労組が24時間のストライキに立ち上がった。
組合がストを決断した最大の問題は「夏季一時金の引き下げ」だった。
現在、全国的にタクシー料金の値上げが行われている。札幌でも5月31日をもって値上げが行われた。これにより14%という運賃の大幅改定が行われたにもかかわらず、会社は運転手の夏季一時金引き下げに踏みきった。重大なのは、国土交通省北海道運輸局に対する運賃・料金改定の際、会社が「社告」に「タクシー乗務員の賃金を含む労働条件の改善」をするためと明記していることだ!
このあからさまな労働条件改悪に対し、当然にも職場内の怒りが沸騰した。これまで20年間無欠勤であることを誇りにしてきた組合員もスト参加を表明した。この中で最終的には夜勤・日勤合わせ過去最多の12人がストに突入した。
闘いが地域に波及
当日夕方、支援の仲間もかけつけスト突入集会が開催された。労組書記長が司会を務め、河野晃興委員長がまずストの趣旨を説明した(要旨別掲)。続いて執行委員が「会社はこの問題をめぐる再度の団体交渉に応じようとしない。不当労働行為とは徹底的に闘う」と熱烈な訴えを行った。
続いて支援にかけつけた関生支援運動や地域の合同労組の仲間、北海道労組交流センターの城地良和代表が発言。最後に発言に立った地域住民は「近くで喫茶店を経営しているが、今回のスト突入のビラを店に貼り、地域の人たちと論議している」と語った。労組のストが地域に波及しはじめたのだ。会社の道をはさんだ向かい側には陸上自衛隊丘珠駐屯地がある。さくら労組に翻る赤旗が、いつの日か自衛隊員の隊内反乱につながると確信する。
真剣な議論で団結
ストに向かう過程は激動の連続だった。6月7日に行われた北海道運輸局との交渉は、さくら労組のみならず上部団体の枠をこえSKグループに所属する3組合の共闘で行われた。
それに先立ち5月28日に開催されたさくら労組の定期大会当日、組合員が不運な形で重大事故を起こしてしまった。しかし河野委員長を先頭とする執行部はこのことから逃げずに事故問題を真正面から全体の議題とし、反合理化・運転保安体制の確立を訴えた。組合員にとっても事故問題は「明日は我が身」だ。大会に参加した組合員は後に「やっぱりこの組合に入ってよかった」と語っている。この議論を通して、ストに向かう強固な団結がつくられたのだ。
また、広島でのG7サミット粉砕闘争の前哨戦として開催されたG7環境相会合粉砕闘争でも、さくら労組が先頭に立ち、反戦政治闘争と労組の質的強化が一体で進んだ。
街頭における実力闘争と一体化した職場におけるストこそが「侵略を内乱へ」を真に実現する道だ。そして労組による日常不断の闘いこそが「共産主義の学校」(レーニン)となる。今年こそ闘いに次ぐ闘いで11月労働者集会への1万人結集をかちとろう。

労組の団結を取り戻そう
自交総連SKさくら交通労組委員長 河野晃興さん
夏季一時金の引き下げは絶対に許せない。運転手だけでなく、20年来賃上げのない内勤の労働者の怒りの声も代表して闘い抜きましょう。会社は一時金引き下げを事前説明も全く行わず、団交での再協議も拒否して強行しました。組合として再度労働委員会で闘うと決断しました。
また、「売り上げ競争」をあおるような賃金をなくし、無理せず安心して働ける賃金、利用者にも市民にも安全なタクシーをつくることが課題です。
小泉政権下で竹中平蔵がタクシーの規制緩和を強行して以降、競争地獄で本当に働きづらい環境へと変わってきました。新自由主義下で労働組合が弱体化し、働き手がいない、国家として未来がない、そして軍事費は2倍というところにまで行きつきました。この歴史が規制緩和の名による労働現場の破壊=リストラから始まったことを忘れてはなりません。労働組合が団結を取り戻すことが何よりも必要です。札幌圏の全タクシー労働者、トラック、バスなどの交通労働者とも共闘できるような組織を目指して闘いたい。

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