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動労千葉が48時間のスト貫徹

動労千葉は3月15~16日、48時間のストライキを貫徹した。ストライキは、JRのダイヤ改訂-大合理化攻撃への反撃であるとともに、岸田政権による中国侵略戦争への突進と対決し、労働運動変革をめざす渾身(こんしん)の決起であった。
今春闘は、岸田政権と財界が「賃上げ」を連呼する異様な事態の中で闘われている。「『構造的な賃金引き上げ』実現に向けた歯車を、今年以降も確実に加速できるかどうかに、日本経済の趨勢(すうせい)・未来がかかっているとの極めて強い危機感がある」(24年版経労委報告)というのだ。岸田政権は日本資本主義崩壊の危機感にかられて「賃上げ」と、さらなる雇用・賃金破壊を同時に叫んでいる。それは43兆円の歴史的な大軍拡―安保3文書改定の戦争情勢と表裏一体をなす攻撃である。「国力としての防衛力」「安全保障と経済成長の好循環」の名の下に、戦時国家体制への急速な転換が進められている。「春闘解体」という次元を超えて、日本労働者階級と労働運動は歴史的岐路に立ったのだ。
労働者人民の抑えがたい怒りの声が、戦争翼賛勢力と化した連合の制動を打ち破って燃え上がろうとしている。このときに動労千葉は「反戦春闘」を真っ向から掲げ、戦時化でこそストライキを甦(よみがえ)らせようと訴えて立ち上がった。それは、国際反戦闘争として闘われた昨年11月集会の成功を引き継ぐ、すべての労働者人民への熱い訴えであった。

鉄道を崩壊させるダイヤ改定に反撃

組合員がJR千葉支社に抗議行動(3月15日 千葉市)

JR千葉支社に向けシュプレヒコール

JRが3月16日に行なったダイヤ改定で、千葉支社管内では運転士や車掌が所属する運輸区はすべて廃止され、複数の駅と統合されて「統括センター」となった。現業の全職名が廃止され、労働者があらゆる仕事に使い回されている。様々な専門分野の技術力の養成や継承は放棄され、それに伴って重大事故が激発している。
今回のダイ改で、千葉支社では53人もの乗務員が削減された。JR発足以来、最大規模の要員合理だ。運転士の乗務行路は長大化し、すさまじい労働強化が強いられている。運行中の列車の故障に対応する検査派出が、上総一ノ宮では廃止され、木更津では縮小された。これらは、動労千葉組合員が現に働いている職場だ。
激しい攻撃の中で、JRでは若年退職が急増している。特に下請けのグループ会社では、あまりの低賃金ゆえに辞めていく者が列をなしている状態で、鉄道の運行ができなくなるときが迫っている。
30年余にわたる新自由主義攻撃が全面的に破綻し、その矛盾が怒りの声となって噴火しようとしている。ローカル線の全面的な廃線攻撃に対する闘いが各地に燃え広がっている。廃線は「国力」のすべてを戦争に総動員していくための国家改造攻撃であり、棄民政策に他ならない。他方、軍事輸送に不可欠な路線は、どんなに赤字を抱えていても防衛省の要請に基づいて残すというのである。また、JRが今ダイ改で京葉線の快速列車廃止を強引に強行しようとしたことに対し、沿線住民や自治体から「地域にとっては生命維持装置を外されるに等しいことだ」という激しい怒りの声が噴き上がり、JRは前例のないダイ改の一部修正に追い込まれた。しかしその背景には、列車の基本的な操配ができなくなっているJRの技術的崩壊がある。国鉄分割・民営化攻撃はついに鉄道崩壊に行き着き、JR資本はその危機を、日帝の「労組なき社会」化や戦争政策と一体化することで乗り切ろうとしているのだ。動労千葉のストライキは、鉄道の歴史を覆す大攻撃に対する断固たる反撃の宣言でもあった。
団結して戦時下の反戦春闘うち抜く

幕張車両センター前で宣伝行動(3月15日 千葉市)

スト突入の15日早朝、動労千葉は幕張本郷駅にほど近い幕張車両センター社員通用口前で、職場の仲間と乗客にストの意義を訴える宣伝行動を展開した。「動労千葉に結集しとともにストライキを闘おう」という呼びかけに、出勤してくる労働者は笑顔で応え、手を振って共感を表した。昼にはJR千葉支社前でダイ改への抗議行動を貫徹し、庁舎内の労働者に共に闘おうと訴えた。

16日には千葉市民会館でスト貫徹動労千葉総決起集会が開かれ、組合員と支援230人が集まった。
主催者あいさつで中村仁副委員長は、ストの要求項目を確認するとともに、世界情勢を見据え、戦争反対の闘いとしてストを貫徹しようと強調した。
連帯あいさつで三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんが、3・31芝山現地闘争への結集を呼びかけた。戦争・改憲阻止!大行進呼びかけ人の高山俊吉弁護士は、資本に搾取されている労働者の闘いこそ、資本が引き起こす戦争を止める力を持つと述べて、動労千葉のストライキに限りない連帯を表明した。久留里線と地域を守る会の三浦久吉代表は、中国との戦争を準備する岸田政権に対し、動労千葉が反戦春闘を闘っている意義の大きさを確認し、久留里線の廃止・バス転換を住民に押し付ける攻撃と闘うために、廃線反対の署名の取り組みを訴えた。動労千葉を支援する会の織田陽介事務局次長は、JRだけでなく都営地下鉄でも軍事利用が企まれていることを暴き、これとの闘いをアピールした。

スト貫徹の意思を込め総決起集会で拳を挙げた(3月16日 千葉市)

基調報告を関道利委員長が行い、鉄道そのものを崩壊させるダイヤ改定を弾劾して、反合理化・運転保安確立の闘いを改めて強化しようと訴えた。また、このストは戦時下の闘いだと強調した。今春闘は政府・財界が賃上げを連呼する異様な状況にある。30年にわたり賃金を下げ続けた資本の攻撃は、社会を全面的に崩壊させ、防衛増税もできないほど労働者を痛めつけてしまった。資本と政府が賃上げを叫ぶのは、ここまで深まった危機に対する悲鳴だ。こう指摘した関委員長は、賃上げの前提として生産性向上を絶叫する経団連と同じ立場をとる連合を弾劾して、「賃上げのためなら武器生産も認めるのか」と怒りを突き付けた。他方で、米ミサイル駆逐艦の入港に反対して全港湾が石垣港でストを決行し、徳島新聞労組がストに立つなど、日本の労働運動も転機を迎えつつある。関委員長は、国鉄分割・民営化と対決してきた動労千葉が、この時代にストライキを貫徹していることの歴史的な意義を力説した。
婦人民主クラブ全国協議会がスト激励の団結卵を関委員長に手渡し、相模更生会従業員組合のストライキについて報告した。
JR東日本、JR貨物、CTSとの交渉報告を執行部が行い、各支部代表がストを最後まで貫徹すると熱い闘志をたぎらせた。
ダイ改に抗議し15日にストライキを闘った動労水戸から、石井真一書記長とスト当該の組合員が闘争報告、福島第一原発の直近区間もワンマン化するJRの攻撃に怒りを示した。さらに、春闘ストを闘う群馬合同労組など諸労組の報告が続いた。全学連は動労千葉の反戦春闘に連帯し、全力で戦争反対の闘いに立つと表明した。
渡辺剛史書記長が集会をまとめ、ストライキを動労千葉の組織拡大と全国での労働運動再生につなげようと呼びかけた。
集会に先立ち、動労千葉を支援する会は千葉駅前でスト支援を訴える街頭宣伝を行った。ビラは吸い込むように受け取られた。京葉線の快速廃止に反対する声が寄せられ、高校生がストに関心があると話しかけてくるなど、宣伝行動は多くの共感を集めた。

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