ライドシェアやめろ 国土交通省に申し入れ行動 全国のタクシー労働者が結集
ライドシェア全面解禁の法制化を止めるため、5月29日、国土交通省に対する行動が行われた。北海道から駆け付けた自交総連SKさくら交通労組の組合員を先頭に、大阪や名古屋、東京―首都圏のタクシー労働者と支援者が50人を超えて集まった。
当日は東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会のストライキが闘われ、全国のタクシー労働者はその支援行動に参加した上で、その熱も冷めぬまま、国交省への行動に臨んだ。
国交省の門前で、文書の受け取りに出てきた専門官を前に、さくら交通労組の河野晃興委員長が以下の内容の申入書を読み上げた。 ①ライドシェア全面解禁反対を国交相に強く求める、②政府の言う「移動の足の不足」の解決策としてライドシェアを導入することは、タクシー労働者の賃金と労働条件を破壊し、結局は公共交通を破壊する、③ウーバーなど巨大資本のタクシー業界参入は政府による労働者の切り捨てだ、④ライドシェアは旅客輸送の安全を切り捨てるものであり、命を預かる仕事を片手間で行うことは許されない、⑤政府の言うタクシー不足は国鉄分割・民営化以降の新自由主義政策(規制緩和)の中で起きたことであり、タクシー労働者の待遇改善こそが求められている、⑥ライドシェアは「個人事業主」への業務委託や兼業・副業を想定する「プラットフォーム型就労」であり、これは労働基本権を根本的に解体するとともに、労働者・労働組合の団結を解体し、戦争に動員する攻撃だ、⑦全国のタクシー労働者は、今後あらゆる反対運動に取り組む。
問題の核心をとらえた申入書は国交省の専門官を圧倒した。行動後の総括集会では「次は国交省包囲デモだ」という声にあふれた。
行動の翌日に政府は、全国のタクシー労働者の怒りに押され、6月中に全面解禁に向けた方向性を示すとしていた方針を変えざるを得ず、今国会会期中の法制化も断念した。大勝利だ!
支配階級は「推進派」とタクシー利権に巣食う「守旧派」とに分裂し暗闘を繰り広げている。だが、国鉄分割・民営化攻撃がそうであったように、労働者は支配階級に自らの命運を託すことはできない。ライドシェアをめぐる決戦は次のステージへと持ち越された。11・3労働者集会への6千人組織化と一体で、ライドシェア反対の全国タクシー労働者の総決起をつくり出そう。その力で中国侵略戦争に突き進む日本帝国主義打倒の内乱を切り開こう。(さくら交通労組・A)
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