被爆80年8・6ヒロシマ大行動 弾圧粉砕し反戦反核貫く 米日の中国侵略戦争突入を許さぬ
広島への原爆投下から80年を迎えた8月6日朝——新たな核戦争の危機がかつてなく高まる中で、8・6ヒロシマ大行動実行委員会が呼びかける反戦反核集会が原爆ドーム前で開催された。被爆者・2世・3世を先頭に結集した総勢650人が広島県警機動隊の暴力的規制・排除を実力ではね返し、核戦争を推進する米トランプ政権や日本帝国主義・石破政権への徹底弾劾をたたきつけ、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」の叫びを被爆地から世界に轟(とどろ)かせた。米日帝国主義による中国侵略戦争―世界戦争への全面的突入に対し、これを阻止する労働者人民の歴史的闘いが開始された。(2025年8・6ヒロシマアピール全文後掲)
逮捕・強制排除に一歩も引かず
日帝・石破政権の意を受けた広島市・松井一實市長は、多くの被爆者や広島市民、地元弁護士会などの抗議を無視して、昨年同様に8月6日朝5時から平和公園一帯に憲法違反そのものの不当極まる入場規制を行い、原爆ドーム前での集会を禁圧する暴挙に出た。だが、大行動実行委の呼びかけに応えて結集した人々は、5日午後9時からドーム前で前夜総決起集会をかちとり、そのまま徹夜での座り込み闘争に突入。どんな国家暴力が襲いかかろうと、体を張ってドーム前を死守する決意を固めた。
6日午前4時を過ぎ、警備員や機動隊と共にドーム前に現れた広島市職員らが集会参加者に「退去」を求めるも、例によって何ら法的根拠は示せない。昨年以上の結集で固くスクラムを組んだ部隊を前に、機動隊は規制開始時刻の午前5時を過ぎてもしばらく手出しができなかった。だが、米日帝の中国侵略戦争が文字通り新たな核戦争として準備される中で、広島・長崎の反戦反核闘争が不屈に継続され拡大することを、日帝・石破はこれ以上容認できない。その凶悪な戦争意志を体現するかのように、機動隊は午前5時30分から集会参加者を一人ずつ排除する「ゴボウ抜き」を開始。一人を排除するために機動隊が4~5人がかりでつかみかかり、手足を引っ張り、首などを締め付け、胴体を圧迫し、衣服を破くなどの違法な暴力を振るった上、これに抗議した参加者2人を「暴行」をでっち上げ不当逮捕する許しがたい国家犯罪に手を染めた。
だが、集会参加者らの反戦反核の固い決意は機動隊の暴力で揺らぐものでは断じてなく、日帝国家権力への怒りと戦意はますます燃え上がり、スクラムを組む腕には一層力が入った。一人排除するのにも数分を要する中で、機動隊員らはたちまち息が上がり、集会参加者らは整然とスクラムを維持して徹底弾劾のコールを浴びせる。二重三重の「人間の鎖」で阻止線を張り原爆ドーム前を死守し続ける中で、矢嶋尋委員長をはじめとする全学連の学生、改憲・戦争阻止!大行進沖縄の赤嶺知晃さんらが次々とマイクを握った。被爆2世の壹貫田康博さんら、公園外へ不当に排除された仲間も怒りの抗議行動を継続。集会開始時刻の7時を迎えた時点で、機動隊は集会参加者の1割も排除できず、とうとう強制排除を断念せざるを得なくなった。
原爆ドーム前の闘いは、大行動実行委共同代表である壹貫田さんや大江厚子さんらを先頭に一歩も引かず貫徹された。
核戦争絶対阻む決意固め集会貫徹
「われわれはドーム前を守り抜いたぞ!」——司会の学生が高らかに勝利宣言を発し、参加者全員が満身に勝利感をみなぎらせて集会を開始。改憲・戦争阻止!大行進の高山俊吉弁護士、洞口朋子杉並区議、8・6暴処法弾圧の被告、福島の青年労働者、広島を始めとする全国の労働者、学生らが次々とマイクを握り、イラン核施設への攻撃を「広島・長崎と同じ」と言い放ったトランプや「核共有」=日本への米軍核ミサイル配備を狙う石破、その先兵として反核運動つぶしを狙う松井市長らを弾劾、核戦争絶対阻止の決意を表明した。「2025年8・6ヒロシマアピール」を大行動実行委の八木康行さんが読み上げ、原爆投下時刻の8時15分に全員で黙とう後、平和記念式典会場に迫る怒りのデモに出発。
石破の式典出席を弾劾しデモ
昨年よりエスカレートした権力の規制・弾圧を敢然とうち破り、意気高く行進するデモ隊には、沿道から例年以上の注目と共感が寄せられた。
式典で石破は、「被爆歌人」の短歌を引用し「『核戦争のない世界』『核兵器のない世界』の実現を誓う」とあいさつしたが、「核抑止」を掲げ中国侵略戦争・核戦争をしかける張本人が何を言うのか! デモ隊は石破の式典出席を弾劾しデモを貫徹した。
2025年8・6ヒロシマアピール
広島への原爆投下から80年の今日、原爆ドーム前に集まった皆さん。
6月21日の米・トランプ政権によるイラン空爆と「広島・長崎への原爆投下と本質的に同じ」として正当化したトランプの暴言は、みずからの利益と延命のためなら核による先制攻擊をも辞さないという帝国主義の本性をむき出しにしたものです。「力による平和」や「抑止」 なるものは、核兵器や軍事力の保持ではなく、実際に行使し、叩(たた)き潰すのだということを、 米・トランプは全世界に突きつけたのです。全世界を巻き込んだ核戦争・世界戦争の時代に突入しました。
全ての帝国主義が生き残りをかけ、独自の大軍拡と核戦争に向かって突き進んでいる中で、 日本もまた核戦争を想定した中国侵略戦争に突き進んでいます。核保有国であるイギリスとフランスが、7月10日に核抑止力の行使で連携することで合意したと発表しました。イギリスは新防衛計画を策定し、原子力潜水艦や新型核弾頭を開発するとしています。さらには戦術核を搭載するための戦闘機の取得などで「戦闘力を10倍に高める」と宣言したのです。ドイツは「欧州最強の通常軍」を掲げ、大軍拡に突進し、徴兵制の復活に向けた法案を国会に提出しようとしています。
そして、パレスチナ自治区ガザでは死者が6万人を超え、米・トランプとイスラエル・ネタニヤフの侵略と虐殺が加速し、餓死者が増え続けています。ガザ南部ラファの廃虚の上に「人道都市」という名の強制収容所建設をするとまで発表しました。イスラエルによる、文字通りの民族浄化・住民一掃の恐るべき事態が帝国主義の擁護と支援のもとで公然と強行されているのです。
中国侵略戦争に向けた日米統合図上演習の中で自衛隊が「核の脅し」を米軍に再三にわたって要求したと先月末の報道で明らかとなりました。米国は米本土が核によって報復されないように中ロに対しては戦術核などを同盟国と共に運用する戦略をとっており、「核の脅し」の要求とは自衛隊と米軍が核兵器を共同で運用することを意味します。この間、笹川平和財団は、米国の核ミサイルの日本配備と一体で、自衛隊機への戦術核搭載を可能とするようにと提言しました。この間、日米で進められている核の拡大抑止とは核共有(実質的な核武装)に他ならないのです。
今年の8・6―8・9闘争は、帝国主義による核戦争を阻止し、虐殺と戦争の元凶である帝国主義を倒すための歴史的決戦です。核戦争を想定し、米国と一体で中国侵略戦争に突進している日本政府・石破政権を打倒する闘いです。
戦後まもなくのころ、被爆者は警察や市職員や右翼どもの暴力にひるまず、「戦争反対」「ヒロシマを繰り返すな」を訴え、座り込みを行い、デモの先頭に立ってきました。朝鮮戦争の最中には戦争反対を訴えることが犯罪とされましたが、被爆者は闘いました。今、広島市、 右翼、広島県警は「8月6日は慰霊の日だ。静かにしろ」と言いながら、同じ弾圧を繰り返しています。昨年の暴処法弾圧が最たるものです。しかし、昨年この弾圧で拘束されていた仲間たちは、奪還され、ここに合流しています。弾圧は私たちの反戦反核の闘いをより強めています。そして、ここに真実の闘いがあると共感し、青年・学生・女性をはじめとした多くの仲間の結集を生み出し始めています。
8・6ヒロシマの闘いの発展に恐怖した警察権力は、6月5日に戦争責任を居直る天皇の沖縄訪問弾劾に立ち上がった田丸鴻一郎くんを公務執行妨害ででっちあげ逮捕・起訴し、さらに7月29日に女子学生2人に暴処法を適用し、弾圧を強行してきました。
今年も石破をはじめとした核戦争も辞さない連中が平和式典に招待され、広島市は彼らを守り、昨年以上に反戦反核の声を禁圧する規制と弾圧体制をとっています。我々はこの規制と弾圧を許しません。絶対に拒否します。原爆による死者をはじめ、日本のアジア侵略戦争で殺されたアジア民衆、そして兵士をはじめ戦争動員の中で死を強制された日本の労働者民衆の想(おも)いである「二度とあのような侵略戦争を許さない」「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」の力ある闘いをしましょう。
自国政府の戦争に対して、反対し、阻止する闘いに立ち上がり、再びのアジア侵略と核戦争を阻止しましょう。中国侵略戦争・核戦争に突き進むトランプ・石破を打ち倒しましょう。
8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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