三里塚フィールドワーク―移転強要攻撃激化を許さず
三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける、成田空港の拡張・機能強化=「第2の開港プロジェクト」に反対するフィールドワーク(現地調査)が9月17日に行われ、現闘、支援連、首都圏の労働者が参加した。
出発を前に、成田市天神峰の反対同盟会議室前で打ち合わせを行った。事務局の伊藤信晴さんが現状を説明した。
「第3滑走路予定地の住民に対し、成田空港会社(NAA)は用地部を先頭に移転強要攻撃を強めている。工事が思うように進展していないことであせりに駆られて、総出で地域をまわり、あるいはあらゆるつてを利用して、買収に応じるように迫っている。この状況のもとで住民を激励するものとしても、今日のフィールドワークは大事な闘いだ。NAAによる『第2の開港』=機能強化についての対話型説明会というのが各地域で開かれているが、参加した住民が『本格工事着工を宣言したのに、今やっているのは準備工事の続きではないか』と問いただしたところ、いや並行していろいろやっていますなどと言い訳がましく言ってたらしい。『第2の開港』を粉砕して、市東さんの農地を守り抜こう」
参加者は車に分乗し、まずB滑走路北延伸のための東関東自動車道のトンネル化工事の現場へ。
滑走路の誘導灯間近の工事現場を見下ろせる高台に陣取った。
東関道の付け替え道路上下線を自動車が往来し、その向こうでトンネル化工事が進められているのが見渡せる。頭上40メートルにはジェット機が飛来しB滑走路に降り立っていく。ものすごい騒音だ。この現状に怒りをかき立て、「空港拡張実力阻止/工事強行許すな!」と大書された横断幕を広げシュプレヒコールを上げた。
「空港拡張を許さないぞ!」「第2の開港を許さないぞ!」「機能強化粉砕!」「工事をやめろ!」「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「高市政権打倒!」
続いて一行は、芝山町菱田の第3滑走路工事現場へ。中郷地区の田んぼをつぶして作られたセメント施設前の道路に車両を停めて横断幕を広げた。現在行われているのは、第3=C滑走路を横断して、芝山千代田駅付近から多古町へと抜けるトンネル(滑走路横断道路)の工事だ。ごく最近まで目の前の山は緑で覆われていたが、今は樹木が伐採され、削られた茶色の山肌がむき出しになっている。一帯を数台のパワーショベル、ブルドーザーが動き回り、ダンプに土砂を積む作業が進められている。あからさまな自然破壊が進められている。買収に応じていない住民に対する、まさに軒先工事(軒先まで工事を進めてその既成事実で屈服させる)そのものだ。
全員が怒りに燃えてシュプレヒコールをたたきつけた。「第3滑走路粉砕!」「工事をやめろ!」「地域破壊をやめろ!」「成田軍事空港粉砕!」「沖縄と連帯して闘うぞ!」
山武警察署の警察官たちは少し離れた高台で固まってこちらの様子をうかがうだけで、まったく手出しができない。ダンプカー数台は、道路に出る手前で立ち往生している。
たしかに工事は「いろいろやっている」わけだが、買収・移転に応じていない住民が残っていることから新滑走路の造成工事のめどが立たず、敵はあせりにかられている。参加者全員がその手応えを共有し、何度でもこの工事現場に登場して「第2の開港」を粉砕し尽くすことを誓った。(TN)



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