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国鉄1047名裁判 井出・深澤の尋問へ前進 裁判長「証人採用検討」を明言

国鉄1047名解雇撤回裁判の控訴審闘争は、高裁の早期結審策動を粉砕し、不当解雇を強行したJR幹部らの証人尋問へ大きな前進をかちとった。裁判終了後、勝利へ意気高くシュプレヒコール(1月23日 東京高裁前)

高市が衆院を解散した当日の1月23日に開かれた国鉄1047名解雇撤回裁判の第2回控訴審は、勝利に向けて大きな一歩を切り開いた。東京高裁第24民事部の東亜由美裁判長は、動労総連合が求める井手正敬(JR西日本元会長)と深澤祐二(JR東日本会長)の証人尋問について、「検討する」と明言した。国家権力の一角をなす司法中枢を揺るがして、国鉄闘争は力で活路をこじ開けつつある。これを衆院選投票日の2月8日に開かれる国鉄集会の大結集につなげよう。

裁判前には、昨年9月の裁判時に続く200人を超える結集で東京高裁を追い詰めるデモを行い、再び結審策動を粉砕した(1月23日 東京都千代田区)

原告の動労総連合はこの裁判で、国鉄分割・民営化により動労千葉組合員をJRから排除するために作られた不採用基準の策定を命じたのはJR設立委員会だったという事実を明らかにし、解雇の責任はJRにあると主張してきた。だが被告の中央労働委員会は、三十数年前の解雇は「時効」だから事実調べは不要であり、「JR設立委員会こそ不当労働行為の張本人」という原告が主張する事実についても「認否の必要はない」という態度を取り続けた。相手の主張に認否もしないのは極めて異例の対応だ。この中労委に対し、裁判長は「原告の主張を中労委が認めれば証人尋問は必要ないが、中労委が否認するなら、証人を採用するかどうかを検討せざるを得ない」と明言した。さらに「証人尋問に際しては、傍聴者は不規則発言をしないように」とあえて付言し、証人採用が決まったかのようなふるまいにも及んだ。
全国の力を結集し、東京高裁を包囲したこの間の闘いが、事実の認定を避けて通れないところに裁判所を追い込んだのだ。一審の東京地裁は一切の事実調べを拒否し、「原告が主張する事実が仮にあったとしても解雇は『時効』だから、中労委が組合側の申し立てをすべて切り捨てたのは当然だ」という趣旨の判決を出した。この反動判決は、もはや維持できなくなった。

「時効」打ち砕く意見陳述

この日の裁判では、まず動労総連合の田中康宏委員長が井手と深澤の証人尋問を求める意見陳述に立った。田中委員長は、「採用・不採用の選別にJRは一切かかわっていない」とJRが偽証を続けてきたことにより真実の解明が妨げられたと弾劾し、「時効」でJRを免罪することは社会正義に反すると力説した。JR不採用にされた動労千葉組合員の名前は直前までJR採用候補者名簿に載っていたが、1987年2月2日に決定された不採用基準によって急きょ、名簿から削り落とされた。この不採用基準の策定が不当労働行為になることは、最高裁で確定している。井手は、その不採用基準の策定をJR設立委員長だった斎藤英四郎(当時、経団連会長)に進言し、具体案を作った人物だ。深澤は、その基準に基づき名簿を書き換える作業に携わり、その後、JR東日本の社長・会長を歴任して不当労働行為を居直り続けてきた張本人だ。この2人の尋問はぜひとも必要だと、田中委員長は裁判長に迫った。
また、国鉄分割・民営化の枠組みを決めた国鉄改革法の成立に際し、所属労組による差別があってはならないという付帯決議がなされたにもかかわらず、JRがあからさまな選別解雇を強行したこと、JR東日本の職員数は閣議決定された定員を下回っていたが、それでもなおJRは動労千葉組合員を排除したことへの怒りをたぎらせた。

弁護団が準備書面の要旨を述べた。野村修一弁護士は、不当労働行為による不採用は無効であり、定員を下回って発足したJR東日本には、排除された組合員を採用する義務があると強調した。石田亮弁護士は、組合員を採用する義務をJRが果たしていない限り不当労働行為は継続され、「時効」は成立しないと畳み掛けた。
さらに藤田正人弁護士が、優生保護法により不妊手術を強制された被害者が国に損害賠償を求めた裁判で最高裁が24年7月に出した判決を引用して、本裁判の一審判決を根本的に批判した。この最高裁判決は従来の判例を変更し、不法行為から20年が経てば損害賠償請求権は消滅するとした「除斥期間」を適用することが著しく正義・公平に反する場合、その適用を求めることは信義則違反または権利の濫用(らんよう)として許されないと判示した。藤田弁護士は「本件にもこれは当てはまる」と述べ、「JRによる信義則違反や権利の濫用についての判断は、不当労働行為の事実に関する詳細な検討なしに不可能だ」と論じ、変更された判例を踏まえない一審判決には判断の脱漏があると厳しく指摘した。
この弁護団の陳述に圧倒されて、裁判長は「証人尋問を検討する」と言わざるを得なくなった。裁判長は中労委に事実を認否するよう迫り、次回期日は後日指定するとして閉廷した。

権力を圧倒した勝利感を胸に、解雇当該を先頭に闘う決意を込めシュプレヒコールを裁判所にたたきつけた

220人が高裁包囲デモ

結審も予想された緊迫した状況は、全国から結集した労働者の力で覆された。裁判に先立ち、日比谷公園霞門を出発して東京高裁を1周する220人のデモが闘われ、「1047名解雇撤回、東京高裁は事実調べを行え、井手・深澤は法廷に出てこい」「戦争・改憲阻止、高市政権打倒」の声が東京高裁を圧倒した。傍聴券交付の際にも裁判所に数の力を見せつけた。

裁判後は東京高裁前で報告集会が行われ、弁護団が裁判内容を解説、動労総連合の田中委員長と原告の高石正博さん、同じく原告の中村仁・動労千葉副委員長、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の金元重さん、全国から駆け付けた仲間を代表して新潟の労働者が発言し、動労千葉の関道利委員長が2・8国鉄集会への大結集を呼びかけた(発言の抜粋別掲)。大勝利の実感を胸に、全員が東京高裁にシュプレヒコールをたたきつけた。

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