1. HOME
  2. 特集
  3. 証人本人が供述の嘘を暴露 大坂裁判第7回公判

特集

大坂正明同志は無実

証人本人が供述の嘘を暴露 大坂裁判第7回公判

12月2日に行われた大坂裁判(東京地裁刑事第4部、高橋康明裁判長)の第7回公判で、「大坂正明同志が機動隊員を殴打していた」ことを見たと言うAO証人が、「大坂さんを見ていない」「今日まで会ったことはない」という決定的な証言を行った。
AOは、沖縄返還協定批准阻止を掲げて闘われた1971年11・14渋谷闘争当時、高崎経済大学1年生で18歳。翌年2月2日に凶器準備集合、公務執行妨害などの容疑で逮捕され、同月21日に殺人罪で再逮捕された。AO自身は、懲役7年の刑を受け下獄している。
星野文昭同志の裁判では、取り調べの時の自らの行った供述を否定して、「星野さんは機動隊を殴打していない」と証言した。今回の証言では、検察側主尋問で大坂さんを現場で見たかどうか尋ねられ、「見ていません」と明確に断言した。

検察官が作成した供述調書では、大坂さんについて①2日前に工学院大学で背の高いリーダーを見た(写真で大坂さんを特定)、②その男が、14日に中野駅や電車内で星野の隣にいて号令をかけていた、③神山派出所の先で星野、奥深山と一緒に走っている大坂を見た、④機動隊が死亡した現場で、奥深山と大坂が殴打していた、と供述したことになっているが、それぞれについて「見ていない」と証言した。「過去の供述と本日の証言は違っているが、どちらが正しいか」と検事は尋問したが、その都度、「今日の証言が正しい」と証言した。
検察官は「今日の法廷では、大坂本人がいるから、支援者が傍聴席にいるから、話せないのではないか」などと、証言の信憑(しんぴょう)性をなくすための尋問を行ったが、「それはない」と言下に否定した。

午後は、弁護側の反対尋問が行われた。11・14闘争当時、AOは大坂さんに会ったこともなく、名前も知らなかったと明言した。大坂さんとは「今日の法廷で初めて会った」と証言したのだ。
どうして大坂さんを見たという供述をしたのかを問われて、AOは「事件を反省して、知っていることを全部言わなければいけないと思った。しかし、それだけでは足りず、取調官のストーリーに沿う供述を強制された」と述べ、「取り調べの中で記憶ではないことを言ってしまった。謝罪したいと思います」と真摯(しんし)に語った。
そして、「検事も弁護士もなぜ記憶にないことを話したのか聞くけど、『取調室の中に入ってください』と言うしかない」とも述べ、国家権力が全面的に支配する異常な空間の中での取り調べがいかに非人間的なものであるかを言外に告発した。

前回のAR証人の公判では、ARはあくまでもでっち上げの供述を維持する態度をとったが、弁護側の反対尋問で、そのうそが全面的に暴かれた。今回は、証人本人が過去の供述、証言がうそであったことを明らかにした。権力のでっち上げは明らかだ。大坂同志は直ちに解放されるべきだ。 証人尋問の後、12月15日の裁判が、OT証人が健康上の理由で出廷できないと中止になった。次回は12月20日、デモ参加学生に対する尋問がビデオリンクで行われる。直接対面の尋問でこそ、証言のうそを暴くことができる。ビデオリンクは、防御権の侵害であり断じて許されない。

大坂裁判は、圧倒的に勝利的に進められている。大坂同志は無実だ。これを無罪判決勝利に結びつけるために、大きな救援運動をつくろう。傍聴闘争を強め、大坂同志と一体で闘おう。