クロアチアで労働者が史上最大のデモ
クロアチアの首都ザグレブに4月12日、6万人の労働者が集まって集会とデモを行った。これだけの労働者が集まったのは数十年ぶりと言われており、クロアチア史上最大のデモと言ってけっして言いすぎではない。クロアチアの人口は約450万人であり、6万という数字がどれだけ大きいかうなずける。
このデモは五つの大きな労働組合が呼びかけて開催された。労組は「法律で定められた最低賃金制の導入とインフレ率に見合った賃上げ」を要求している。クロアチアでの平均賃金はEU平均の約26%(690ユーロ=約11万3000円)でしかなく、極端に低い。そこに、この間の全世界的な穀物や燃料などの大幅価格上昇が襲いかかっており、労働者階級人民の多くは非常に厳しい生活を余儀なくされている。 クロアチアは、第2次世界大戦中の民族解放闘争の勝利によって、戦後ユーゴスラビア連邦の一構成国となった。しかし、民族解放闘争とユーゴスラビアの建設を指導したチトーの「一国社会主義建設」の破産により、彼の死後、他の連邦構成諸国・諸民族同様に分離・独立した(1991年6月)。独立後はNATO・EUに接近し、NATOにはこの4月初めアルバニアとともに加盟することになった。EUには2010年をメドに加盟することをめざしている。 クロアチアは、NATO加盟前から国内でのNATOの軍事演習(※)を積極的に推進するという親独・親米国家であり、ドイツやアメリカなどもそれぞれ帝国主義的思惑をもって接近=再植民地化を深めてきた国だ。いまやそのクロアチアで右派政権と国際帝国主義をゆさぶる労働者階級人民の巨大な決起が始まった。(な)
※ 07年10月、クロアチアでは、米・英・独・仏・伊など9000人のNATO軍が10日 あまりにわたって大演習をおこなった。
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