韓国・韓進重工業で整理解雇撤回闘争、高空籠城4週目に突入
韓国の労働運動は年明け早々から新たな決戦に突入している。昨秋の現代自動車での闘いを引き継ぐ非正規職労働者の怒りの爆発に加え、資本のリストラ、大量解雇、労組破壊攻撃に対する現場労働者の渾身の反撃が、真冬の凍り付くような寒さを突き破って続々と開始されている。
1月26日には、韓進(ハンジン)重工業が1月12日に通告してきた大量整理解雇の撤回を求めて、民主労総による総決起大会が釜山駅前で開かれた(写真)。2千人の参加者は韓進重工業前までデモ行進し、キムジンスク組合員による高空籠城闘争が闘いぬかれている85号クレーンの前で集会を開いた。
韓進重工業は73年の歴史をもつ造船所だが、黒字経営にもかかわらず昨年1年間で下請け・非正規を含めると3千人以上の労働者の首切りを強行した上に、昨年末、新たに正規職400人を解雇すると発表した。これに対し、韓進重工業組合員の全面ストライキと工場内での徹夜座り込みが、すでに1カ月を超えて闘いぬかれてきた。
この闘いの牽引力となっているのが、韓進重工業の解雇者で、民主労総釜山本部の指導委員でもあるキムジンスク組合員が1月6日から開始した地上35メートルのクレーン上での高空籠城闘争だ。彼女が上がった85号クレーンは、2003年の大争議の際に、当時の労組委員長だったキムジュイク前支会長がその上で129日間にわたる座り込みをして、最後は韓進重工業資本に対する抗議の首吊り自殺をした場所だ。キムジンスク組合員は、1986年に労組活動を理由に韓進重工業を解雇された後も、現場の闘う労働者とともに、52歳になる今日まで民主労組死守の闘いを続けてきた。そして今日、新たな解雇攻撃に対して「正面からぶつかる戦い」以外にないと決断し、全組合員に総決起を呼びかけ、再び85号クレーン上での籠城闘争に入ったのだ。
「ジンスク姉さんが85号クレーンに上がった!」との知らせは一瞬にして工場内と地域を駆けめぐった。「私は今、ジュイク氏が座っていた場所に座り、横たわっていた場所に寝ています。そして私はジュイク氏がとてもやりたかったのに結局できなかったこと、自分の足でクレーンを降りていくことを必ずするでしょう。この85号クレーンがもう死ではなく、もう涙ではなく、勝利と復活になるように私の全力を尽くします」――キムジンスク同志のこの訴えが全組合員を奮起させ、クレーン下でのキャンドル集会、工場での徹夜座り込みや組合員による釜山市内でのハンスト・座り込みが連日闘いぬかれている。
26日の集会参加者に対し、キムジンスク組合員は高空から「民主労総の名にかけ、金属労組の名にかけて、恥ずかしくない闘争をしてみましょう。きちんとまっすぐに戦ってみましょう」と訴えた。この籠城闘争を軸に生み出されてくる職場の団結に徹底的に依拠し、この団結を最大の武器として闘いぬけるか否かに一切はかかっている。資本との新たな激突過程に突入した韓国労働運動と連帯し、2011年決戦の前進を切り開こう。(千)
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