中国の高校で教員と学生がスト決行、警察の大弾圧をも粉砕

　江蘇省徐州市沛県（はいけん）にある沛県高級中学校（日本の高等学校にあたる）で、処遇の改善を要求した教員たちが11月８日からストライキに突入した。政府・学校当局は徹底的に弾圧し、ストライキを解除させようとしたが、その政府・学校当局のやり方に学生が怒り、今度は学生がストライキを決行。動員された警察隊を包囲し、はねのけて闘った。 

　この学校の教師の賃金は多くが1000元（12000円）前後で、いくら物価の安い徐州とはいえ、とうてい生活できる額ではない。そこに今、急激な物価高が襲いかかっている。一方でこの学校に毎日のように来る政府のお偉い人たちは、高級車で入っては出て行く。この激しい格差の現実。絶えられなくなった教師たちは、生徒に「済まない」と思いながらストライキに立ちあがった。ちょうど試験の期間中であり、その試験を管理する教師がいないという状況になった。追いつめられた学校当局は、マスコミの学内への立ち入りを禁止するとともに、ストライキをしている教師に徹底的に圧力をかけた。そして別の教師を配置して試験を続けた。
　11日になって、ストライキをしていた数学の教師が当局の圧力の下に学校に現れた。学生は事態を知った。しかも悪らつなことに、当局は教師を威圧して教室に行かせておきながら、授業時間の半分たったころに別の教師を同じ教室に派遣して、この教師を教室からたたき出したのである。学生たちの怒りは頂点に達した。「こんなやり方は許せない！」。この日の午後の最初の授業開始時に、３年生全員が教室から飛び出し、持っていた紙の破片や古本を階下から校庭に次々と投げ捨て、授業をボイコットして怒りを表明した。また校内に教師のストを支持するチラシを張り出し、教師を激励するとともに、仲間の決起を訴えた。
　学生までがストライキに突入したこの学校では、警察が動員された。警察はストライキをする学生をそこで逮捕しようとしたが、逆に学生に弾劾され、たたきのめされ、入ってきたパトカーは生徒に包囲されて動きがとれなくなり、逮捕しようとした学生まで奪還されてしまった。
　リコーなどで起きている労働者への機動隊の武装鎮圧が、学校の教育労働者のストライキにまで襲いかかっている。それに対して、学生が、自分たちの教育労働者を守るためにストライキに決起し、真っ向から警察に抗議して闘っている。労働者と学生の闘いが一体になって、中国スターリン主義の腐敗した体制、その大弾圧体制と闘っている。新たな天安門型の弾圧体制との闘いが確実に始まっている。私たちの日本での闘い、そして国際連帯の発展が決定的に求められている。（Ｇ）
　この闘いのビデオを、http://www.tudou.com/programs/view/dd_KUvazOtk/
で、見ることができます。