イギリスで公共部門の民営化に反対する大デモ
与党・労働党と野党・保守党の民営化攻撃、公共部門の削減攻撃に反対して1万人以上の公共部門の労働者が参加した数万人の集会とデモが4月10日、イギリスのロンドンで闘いぬかれた(写真)。きたる5月の総選挙を直前にして、労働者の大デモがたたきつけられたのだ。
集会は、ロンドン中心部のトラファルガー広場で開催され、その後ロンドン市街を大挙デモ行進した。公共部門の主要な労組であるイギリス公務員労組(ユニゾン)の代表は、「絶対的に必要なものを提供し続けている公共サービスにおいては民間企業に頼ることはできない」と述べ、「民営化の失敗の結果として、代償を支払わされているのは普通の人民であり、そうしたときに銀行家たちは退職し数百万ポンドの年金をもらって守衛のいる邸宅に住んでいる」と批判した。
また、左派の鉄道海運労組(RMT)の代表は、「民間企業が公共部門に入り込んできたことによって鉄道における雇用削減が行なわれている」と述べ、さらに経営と国によるこのかんの労組弾圧を厳しく批判した(RMTは4月初めに大規模な鉄道ストを準備していたが、経営側による高裁への提訴と高裁によるスト禁止命令によってひとまずそれが阻止された)。
この日、イギリス北部・スコットランド最大の都市グラスゴーでも数千人のデモが行なわれた。スコットランドではRMTに所属する数百人のスコットランド鉄道労働者が「スコットランドレイル社がエアドリーとバスゲイト間の新鉄道路線において車掌を廃止して検札係に置き換えるのは乗客を危険にさらすものだ」として、運転保安を掲げて4月12日から3日間のストに突入していた。(K)
この記事へのコメントはありません。