韓国で現代車非正規支会が工場占拠ストに突入!
11月15日午前5時半、蔚山(ウルサン)の現代自動車非正規支会は蔚山工場シート1工場に奇襲突入を試み(写真)、正門前で出勤闘争に入った。これに対し、警察が催涙弾を乱射しがら突撃、会社が雇った用役ガードマンらが消化器や鉄塊などで組合員たちに暴行を働き、組合員12人が警察に連行され、5人が救急車で病院に運ばれた。さらに数百人規模での激突が各所で続き、昼までに50人が警察に連行され、11人が病院に運ばれるという事態となった。現代車非正規支会は拡大幹部ストライキに入るとともに、全組合員に残業拒否の指針を発した。
午後1時には1、2工場で奇襲ストライキに入り、2工場は22ラインが全面稼働停止に、1工場でも2ラインが全面停止、1ラインは部分中断となった。労組は午後2時には蔚山工場正門前で記者会見を行い、現代資本の不法暴力行為中断と不法派遣社内下請け労働者の正規職化、さらに警察が連行した50人の組合員の即時釈放を要求した。午後6時には1、2工場の非正規支会組合員150人が1工場を占拠し、会社側と対峙している。正門前では支援に駆けつけた労働者が警察部隊と対峙を続けている。
午後9時、夜間組が全面ストライキに突入、会社側の阻止線を突破し1工場への進入を果たしてCTS(ドア取り付け)工程を占拠している昼間組の組合員たちとの合流した。さらに午後10時には他の事業部の非正規支会組合員も1工場への進入に成功し、約800人の組合員が工場を占拠した。
16日午前11時ころ150人余りの非正規職支会らが1工場を隔離している会社側管理者らと激烈な体当たりをしたあげく進入に成功した。これで1工場内に座り込む男女組合員は1000人を超えた。牙山(アサン)工場、全州工場でも共同ストライキが準備されており、残業拒否、部分スト、ストライキへと拡大しようとしている。正規職労組が連帯闘争に立ち上がっている。
事態の発端は、10月14日に蔚山工場シート1部社内下請業者のドンソン企業とシート2部のテソン産業が11月14日付で廃業するという告知を張り出したことだった。テソン企業は廃業を撤回したが、ドンソン企業は廃業を強行した。これを受けて現代車シート事業部は、ドンソン企業に代るチョンムン企業と新しく請負契約を結んだ。このチョンムン企業が、ドンソン企業で働いてきた組合員を雇用継承する条件として、組合脱退と勤労契約締結を要求したことにある。表向きは下請け企業の廃業問題だが、実は不法派遣問題を業者廃業で突破しようとする現代車社側の計画なのだ。
これに対し現代車非正規職支会は、元請けである現代自動車による直接雇用実現に向けて、「新規業者との勤労契約を拒否し、使用者側が組合員を解雇した場合、支会は即刻争議行為に突入する」と決めた。蔚山、牙山、全州の現代車非正規3支会は、7月22日の大法院判決が現代車の不法派遣を認定したことを踏まえて、元請けの現代車に団体交渉を要請し、正規職化を要求してきた。しかし現代車は交渉に応じなかった。現代車非正規3支会は11月5日、中央労働委員会に争議調整申請を出し、11日と12日にはスト投票を行った。その結果、3支会組合員あわせて2349人中2041人が投票、うち1841人が賛成し、スト権が確立した。
民主労総労働者大会前夜祭で現代車非正規支会のウサンス組合員はストライキで闘う決意を明らかにし、「韓国の労働運動の歴史を変える闘争に連帯してほしい。われわれはその火種になる!」と宣言した。その闘いが力強く進行している。(M)
写真②は15日午後、非正規職夜間組が正門の前に結集して工場の中の労働者らを励ます集会を進行中。写真③は現代車蔚山非正規職支会組合員らがシート2工場前に行進している
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