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チェコで医療労働者が牽引し100万人のゼネスト

 

 6月24日、中欧のチェコで、プラハをはじめ主要都市を中心に100万人近くが参加した1時間のゼネストが闘われた。チェコの人口が1025万人、労働人口が520万人であることを考えてみると、この100万人という数字がどれだけ巨大なものかはっきりする。このストライキには、医療労働者、建設・土木・鉱山労働者、鉄道・交通労働者そして郵便労働者、教育労働者などほとんどすべての産別が参加した。日本でもよく知られている自動車企業のシュコダでも大量の労働者が結束してストに参加した。(写真はゼネストを牽引した医療労働者)

 

 ゼネストは昼の1時から2時までという短時間のものだが、鉄道でじつに1000本もの運休を出した。鉄道では大労組がストに参加せず、機関車労組のみの参加であったが、労働者はこれほどの力をもっていることをはっきりと示した。鉄道ばかりではない。バスも近距離交通も大混乱に陥った。
 特筆すべきは、このゼネストの中核に医療労働者がいたことだ。他の産別が1時間のストに限定したのに対し、医療労働者はきっかり朝の6時から全1日のストライキを貫徹し、ゼネストを鼓舞・激励し全体を力強く牽引した。
 チェコでは今年初め、食料品と薬品にたいする付加価値税(日本の消費税にあたる)が5%から9%に引き上げられた。今回のゼネストはこれに抗議するものだ。また、政府が年金支給開始年齢の65歳への引き上げを狙っていることにたいして、それを阻止するためのものだ。医療労働者の決起は、それらの要求と合わせ、病院・診療所の民営化攻撃に強く反対して闘われた。
 チェコでは、1989年の一連の東欧革命の過程でスターリン主義体制が打倒されたが、その成果を簒奪したのはブルジョア諸政党であった。長年チェコスロバキアとしてあった同国は、1993年1月にチェコとスロバキアに分離した。チェコは、2004年5月にはEUに加盟し、他の資本主義諸国同様の新自由主義政策を展開している。今回のゼネストは、これへの大反撃をたたきつけるものだ。第2次大戦後のソ連スターリン主義による民族的抑圧と収奪、東欧革命以後の資本主義政権のもとでの搾取と収奪の中から、反骨精神あふれるチェコの労働者階級が、ついにヨーロッパ階級闘争の表舞台に劇的に登場した。(み)
 

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