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イラクの労働運動からの08年メーデー・メッセージ

アメリカの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)は、08年メーデーで、イラク侵略戦争を止めるために米西海岸の全港湾を封鎖する全一日行動に決起した。これに応えてイラクの石油労働者、港湾労働者も1時間のストライキに決起し、ウム・カスル港を封鎖した。そしてILWUに連帯のメッセージを送るとともに全世界の労働者にメッセージを発出した。この全世界の労働者へのメッセージを紹介します。


●世界の労働者と平和を愛する人々へ
       2008年4月29日
       
 国際的な労働者連帯のこの日に際して、戦争と占領に反対して立ち上がった仲間の労働組合や世界のすべての人々に対し、私たちは軍事的・経済的占領からの自由を勝ち取るわれわれの闘いへの支援を強めてくださることを呼びかける。
 われわれは、現在も続いているイラク占領を支える諸政府と諸企業、諸機関に対し、真の民主主義と、あらゆる外国からの干渉を排した主権と自決権を求めるわれわれの要求に応じるように要望する。
 5年間の侵略と戦争、占領は、破壊と苦難、苦痛のみをイラク人民にもたらした。イラクの「解放」の名の下に、侵略者たちはイラクのインフラストラクチャーを破壊し、われわれの隣人を爆撃し、住居に乱入し、子どもたちの心を傷つけ、国の財産を略奪し、多くのわれわれの家族や隣人たちを襲撃し、逮捕し、ほぼ20%ものイラク人を難民にした。
 侵略者たちは、かつてイラクには存在しなかった宗派的分断やテロ攻撃を扇動し、それを利用した。組合の事務所は襲撃を受けた。組合財産は差し押さえられ、破壊された。組合の銀行口座は凍結された。組合の指導者は殴打され、逮捕され、拉致され暗殺された。われわれの労働者としての権利は日常的に侵害された。
 公共部門と公共企業(労働者の80%を雇用)において労働組合を結成することを禁止するバース党の1987年の法律は、現在も効力を持ち、侵略後のボール・ブレーマーの占領当局とそれ以後のイラク政府によっていっそう強化された。これは労働者の権利と民主主義社会の基本的規範の侵害であり、イラクにいまだにつきまとう独裁の影を不気味に想起させるものである。
 イラクの恐るべき状況にもかかわらず、われわれは占領と、職場での虐待に抗し、またよりよい処遇と安全な労働条件を要求して組合を組織し抵抗し続けている。
 われわれを取り巻く宗派的陰謀にもかかわらず、われわれは統一と団結を信じ、公的サービスと平等という共通の目的、外部からの押し付けや強制なしに組合を組織する自由の正当性を確信している。
 われわれの正統性は、組合員から与えられる。われわれの組織原則は透明性やILOの国際的に認められた基準を基盤としている。
 われわれは全世界の仲間や平和を愛する人々が、われわれが自分たちの未来を描くことができるように、われわれの占領の悪夢を終わらせ、主権と独立を回復するのを支援してくれることを訴える。
 1)われわれは外国軍のイラクからの即時撤退を要求し、アメリカとの間の長期にわたる軍事基地と駐留に関する協定を断固として拒否する。占領の継続はイラクにおける暴力を沈静化させるどころか激化させる。イラクには完全な主権が返還されなければならない。
 2)われわれは憲法で保障された労働法の制定を要求する。それは労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権、国家の管理と干渉からの独立権を守るために、ILOの原則に基づくものであり、イラクの労働組合員が全面的に意見を聴取されるべきものだ。
 3)われわれは、わが国の経済主権に国際通貨基金やアメリカ、イギリスが干渉するのをやめることを要求する。IMFのイラクとの協定に付随する経済的諸条件を撤廃し、イラク政府の周辺からアメリカやイギリスの「顧問団」を除去することを要求する。また、外国軍がイラクを占領している間は、公的サービスや資源に関する重要な経済的決定ができないとするこれらの勢力による合意を撤回することを要求する。
 4)われわれはアメリカやその他の国の政府が、石油の管理をエクソンやBP、シェルなどの多国籍企業に手渡し、イラクを破滅させる石油法を通過させようと働きかける活動を直ちにやめることを要求する。われわれはイラクが占領されているかぎり、すべての石油会社が石油に関するいかなる長期協定も締結できないよう要求する。われわれは、イラク政府が現在の石油法案を廃棄し、イラク人民との全面的で真摯(しんし)な協議を行ったうえで正しい石油政策を立案することを要求する。すべての占領軍が撤退した後に初めて、石油資源の長期開発計画が策定されるべきである。
 
 われわれは、われわれがイラクの軍事的・経済的占領を終わらせる手助けとなるあなたがたの支援と連帯を求めている。われわれの労働者としての権利と公共サービス、資源を守るための団結権とストライキ権確立のためにあなた方の連帯を求めている。われわれの公共事業は、何代にもわたるわれわれより前の世代から未来の世代への遺産であって、民営化されてはならない。
 われわれは、あなた方のわれわれへの支持に感謝します。
 われわれもまた、あなた方の真の民主主義に向けた闘い、民営化と搾取、労働現場や日常生活での権利剥奪(はくだつ)との闘いを支持します。
 われわれは、われわれと連帯し、占領を終わらせるためストやデモを組織するあなた方に賛辞を送ります。そしてこれらの行動を続けてくださるよう望みます。
 われわれは、協力と団結に基礎をおく世界が到来する日を待ち望んでいます。戦争、宗派主義、競争や搾取のない日を待ち望んでいます。
■賛同人(08年4月29日現在)
Hassan Juma’a Awad, イラク石油労組連合(IFOU)議長
Faleh Abood Umara, IFOU中央評議会・副委員長
Falah Alwan, イラク労働者評議会・労働組合連合(FWCUI)委員長
Subhi Albadri, イラク労働者評議会・労働組合総連合(GFWCUI)委員長
Nathim Rathi, イラク港湾労働者組合・委員長
Samir Almuawi, 工学専門職組合・委員長
Ghzi Mushatat, 機械工印刷所労組・委員長
Waleed Alamiri, 電力労組・委員長
Ilham Talabani, 銀行労組・委員長
Abdullah Ubaid, 鉄道労組・委員長
Ammar Ali, 運輸労組・委員長
Abdalzahra Abdilhassan, サービス従業員労組・委員長
Sundus Sabeeh, 理髪店労組・委員長
Kareem Lefta Sindan, イラク労働者総連合(GFIW)製材建設労組・委員長
Sabah Almusawi, ワシット州独立労組・委員長
Shakir Hameed, 製材建設労組(GFWCUI)委員長
Awad Ahmed, Salahideen Alaa教師連合・委員長
Ghazi Mushatat, 農業食料産業Adnan委員長
Rathi Shakir, 水資源労組・委員長
Nahrawan Yas, 女性関連局・委員長
Sabah Alyasiri, GFWCUIバビル州委員長
Ali Tahi, GFWCUI委員長
Najaf Ali Abbas, GFWCUIバスラ州委員長
Muhi Abdalhussien, GFWCUIワシット州委員長
Ali Hashim Abdilhussien, GFWCUIカルバラ州委員長
Ali Hussien, GFWCUIアンバル州委員長
Mustafa Ameen, アラブ労働局(GFWCUI)委員長
Thameer Mzeail, 医療サービス組合委員会
Khadija Saeed Abdullah, 教員連合・組合員
Asmahan, Khudair, 女性関連・繊維工業労組
Adil Aljabiri, 石油労組・執行委員
Muhi Abdalhussien, Nadia Flaihサービス従業員労組
Rawneq Mohammed, メディア印刷所労組・組合員
Abdlakareem Abdalsada, GFWCUI副委員長
Saeed Nima, GFWCUI副委員長
Sabri Abdalkareem, GFWCUIバビル州組合員
Amjad Aljawhary, 北アメリカGFWCUI代表

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