戦争協定=GSOMIA破棄を 日米韓軍事同盟粉砕へ 韓国民衆と連帯し安倍倒そう
日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)が失効する11月23日の直前、韓国政府は、輸出規制問題での協議が続く間は破棄通告をしないと発表した。安倍政権は「韓国の屈服」を宣伝し、日本のマスコミや野党は「破棄されなくて良かった」などと語っている。だがGSOMIAとは、アメリカと日本の帝国主義が北朝鮮や中国に戦争をしかけるために韓国を引き込んで結んだ日米韓軍事同盟の柱である。東アジアでの新たな戦争を止めるためには即刻破棄すべきものだ。韓国では11月30日、2万人の労働者民衆がGSOMIAの延長反対・即時廃止を掲げてデモに出た。これと連帯し、戦争・改憲の安倍政権打倒へ闘おう
「朝鮮半島の平和に脅威」
11月30日、ソウルの光化門広場で「2019全国民衆大会」が開かれた。労働者、農民、青年・学生、露天商など2万人が集まり、ムンジェイン政権との全面対決を宣言し、大統領府へのデモに立った。集会とデモでは、ろうそく革命の理念を裏切って再び財閥と結託したムンジェインへの激しい怒りとともに、「GSOMIA即時廃止」の横断幕が掲げられた。
民主労総のキムミョンファン委員長は、労働者の労働基本権と民衆の生存権が現政権下でなおも奪われ続けていることを弾劾すると同時に、「朝鮮半島の平和を熱望した民衆の期待はGSOMIA延長によって崩壊した」と語った。
全国農民会総連盟のパクヘンドク議長は「GSOMIAは日本の安倍政権が憲法を変えて軍事大国化するための足場であり、これ自体が平和への脅威」と弾劾した。そして「米国は日米同盟を軸に対中国、対北朝鮮の包囲網を敷くため、GSOMIAの継続を韓国に強要した。さらに在韓米軍駐留経費の6倍化まで要求している」とし、「これは強盗だ。強盗は出ていけ」と怒りをたたきつけた。
ろうそく革命を闘った韓国の労働者民衆にとって、米日韓軍事同盟の粉砕は「生きさせろ!」の叫びと一体の切実な課題であることがそこに示された。
●作戦計画5015と一体
GSOMIAの締結はパククネ政権末期の2016年11月に、韓国民衆の激しい反対を押し切って電撃的に強行された。その破棄はろうそく革命の要求そのものだ。
GSOMIAとは、収集した軍事情報を秘密裏に共有するための協定である。そこには北朝鮮の核やミサイルだけでなく、あらゆる軍事情報が含まれる。日米間、米韓間には同様の仕組みがすでにあるが、日韓の間にはなかった。米韓連合軍は15年に、北朝鮮政権の転覆をも狙った朝鮮侵略戦争の作戦計画「5015」を策定していた。日本の自衛隊をも動員して、日米共同で朝鮮半島への全面的な先制攻撃をしかけることを狙う作戦だ。そのためには軍事情報の収集と運用体制の欠落を埋める日韓のGSOMIA締結が絶対不可欠だった。
だがそれは、日本帝国主義が再び朝鮮半島に公然と軍事介入する道を開くものであり、韓国の労働者人民にとっては絶対に容認することができない。事実、12年のイミョンバク政権時にも締結が策動されたが、密室での交渉が暴露されて大問題となり中断された。それをパククネ政権がすでに完全な窮地に陥っていた16年10月末に急きょ交渉を再開し、同年11月23日に大急ぎで協定に署名・成立させたのである。
今日、18年に始まった朝鮮南北首脳会談と米朝会談のもとで、一時は戦争突入の寸前までいった軍事的緊張はいったん遠のいたかにみえる。しかし問題は何も解決していない。米中対立の進展など今後の情勢の推移によって、朝鮮半島をめぐる戦争の危機が再び火を噴くことは不可避である。だからこそアメリカ帝国主義・トランプ政権はGSOMIA破棄を阻止するために全力で動いたのだ。だがそれは韓国人民の怒りをさらにかき立て、ろうそく革命の完遂へと向かわせるものになっている。
●改憲・戦争阻止の大闘争を
日本の労働者階級がこの韓国人民と固く連帯し、ともにGSOMIA破棄・米日韓軍事同盟粉砕の闘いに全力で立ち上がることができるかどうか。今、ここが本当に問われている。安倍政権によるメディア支配と極右勢力を総動員した露骨な排外主義、韓国蔑視のキャンペーンを打ち破り、あらゆる労働者大衆に真っ向から呼びかけ、改憲・戦争攻撃を実力で阻止する一大闘争をつくりだそう。
韓国のろうそく革命は、第2次大戦後の朝鮮半島の南北分断体制をついに根底から突き崩していく突破口を切り開いた。東アジアの戦後革命を圧殺して成立した朝鮮南北分断体制こそ、帝国主義とスターリン主義による戦後世界支配の支柱であるとともに、日帝が戦後も帝国主義として延命し発展することを支えた最大の土台である。それが崩壊し始めた今、日帝は米帝以上に激しい危機感をもって、再度の侵略戦争に訴えてでも朝鮮半島の再支配に突き進もうと狙っている。
GSOMIAは即時廃止を! 日韓米軍事同盟解体へ闘おう。
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