エジプトで軍評議会と労働者・青年が大激突―革命が新たな段階へ
「アメリカの手先、軍事政権を打倒せよ!」――エジプト革命はあの1月の大闘争以来の決定的な局面に突入している。2月革命にもかかわらず、世界大恐慌の深化の中で、物価だけが上昇し、労働者の賃金は据え置かれ、窮乏は拡大してきた。エジプト革命を簒奪してきた軍最高評議会は11月28日から始まる人民議会選挙を前に「憲法の原則に関する文書」を発表し、来年まで続く選挙を煙幕にして永続的な支配体制を築くと宣言した。
これへの怒りが爆発し、11月18日から始まった民政移管集会は一挙にエジプト各地に拡大し、タハリール広場のテント占拠の復活から、数十万の大規模な衝突に発展している。その先頭に立っているのは労働者と青年だ。
21日段階でもすでに死者は35名、けが人は2000名を超える大激突となった。これに震え上がった軍最高評議会は同日、シャラフ内閣を総辞職させたが、闘いはますます拡大している。
政府は頭部を狙ってアメリカ製の実弾やゴム弾、催涙弾を撃ちまくり、丸腰の民間人を警棒で叩き殺し、怒りはますます拡大している。今年1月の戦闘で片目を失った青年は、撃たれた日付を書いた眼帯を目につけていた。彼は日曜日の戦闘でもう片目も失ったが、11月20日と記した眼帯をつけて再び戦闘に決起している。燃えさかる労働者の怒りと死をも恐れぬ感動的な決起は、政府の暴力を無力にしつつあるのだ。
エジプト革命は世界大恐慌の深化の中で、新たな局面に入った。主役は2月革命以降職場闘争に決起してきた労働者階級と青年であり、敵は同じアメリカ帝国主義を頭目とする資本家階級だ。エジプトの労働者は、「この革命がどうなるか誰も分からないし、きっと長く続く闘いの始まりにすぎない。確かなことは1月の時よりもわれわれははるかに怒っているということだ」と語っている。エジプト労働者の決起は世界の労働者への再度の革命の檄にほかならない。11月労働者集会をかちとった日本の労働者階級は、エジプト労働者の命がけの檄に応え、職場で反原発・解雇撤回、反合闘争に総決起しよう!(SG)
写真は上から①11月22日、タハリール広場を埋め尽くすエジプト労働者。②21日の軍隊との激突。この日の戦闘はシャラフ内閣を打倒した。③20日、内務省付近での戦闘。④22日の軍隊との激突。
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