ワルシャワで街を埋め尽くす5万人の労働者デモ
ポーランドの首都ワルシャワで8月29日、肌寒く土砂降りの雨の中、90年代以来最大の5万人の労働者が力強いデモを敢行した。デモを行ったのは、ポーランド「連帯」労組に組織された労働者たちだ。デモは、市の中心・ピウスツキ広場から4キロ離れた首相官邸まで行われたが、道一杯に広がるデモ隊の先頭が官邸前に着いても最後尾はまだデモに出発できないという状況だった。この結果、多くの工場で生産が止まり、事実上のストになった。ワルシャワの首都機能は数時間にわたって完全に停止した。首都を席巻する今回の闘いは、この数か月間ポーランド各地で闘われてきたストとデモの頂点をなすものだ。
写真1:ピウスツキ広場からあふれ出す5万人の労働者
ポーランドでもこのかん、食糧や燃料の価格が急騰している。労働者たちは、「まともな仕事にまともな賃金」のメインスローガンを掲げ、最低賃金の引き上げ、政府による労働法制の改悪(ストを困難にする)反対などを掲げて決起した。デモの隊列では、労組組織率が高い国営の鉱山・鉄鋼・造船というポーランド労働運動を代表する三つの産別の労働者に加え、私企業で働く青年労働者、とりわけ20~30代の女性労働者の姿も目立っていた。若い女性労働者が隊列の半分を占めるデモ隊も少なくなかった。実際、このかん「連帯」労組に加盟する青年労働者が急増している。
ポーランドは、スターリン主義崩壊後、1999年にNATOに加盟し、2004年にはEUに加盟して、現在、EUの「勧告・指導」のもとで民営化政策=新自由主義政策を推し進めている。ポーランド労働運動の2つのナショナルセンターである「連帯」労組と全ポーランド労組連合(OPZZ)の指導部は、ともにそれを認めてきた。今回のワルシャワデモは、現場労働者(ランク&ファイル)の強い要求が労組指導部を突き動かして実現したものだ。1989年の東欧スターリン主義崩壊の原動力となったポーランド労働者階級の闘いが、英・仏・独の労働者階級との合流をめざして、ついに歴史的に登場した。(は)
写真2:道一杯に広がって首相官邸までデモ
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