玄海原発へのMOX燃料搬入阻止行動に決起
静岡の浜中原発に続いて、5月23日、佐賀県の玄海原発にもプルサーマル始動に向けたMOX燃料の搬入が強行された。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会と、とめよう戦争への道! 百万人署名運動福岡県連絡会は、玄海原発門前で怒りの抗議行動に立ち上がった。この日の早朝5時30分より、玄海原発前には約100人の労働者や市民団体が次々と抗議に駆けつけた。フランスから運ばれたMOX燃料が午前7時過ぎに玄海原発に到着すると、「プルサーマルをやめろ!」と怒りのシュプレヒコールがたたきつけられた。
その後、現地佐賀の住民団体が次々と玄海原発に対して抗議の申し入れを行った。反戦反核全国統一実は、参加者に対して、「プルサーマル始動を阻止しよう! 日本の核武装への道を断とう! プラハ演説翼賛運動は新たな世界核戦争への道だ!」と訴えるビラを配布した。
MOX燃料とは、使用済核燃料から再処理によって取り出したプルトニウムとウランを混合させたもので、本来なら、高速増殖炉「もんじゅ」で燃やし、核兵器生産に必要な高純度のプルトニウムを取り出すことを目的としている。しかし「もんじゅ」は事故に事故を重ねて、今なお再稼動できていない。一方で、六ヶ所村の再処理工場も本格稼動ができない状況に追い込まれている。この中で日本政府は、核武装に必要なプルトニウム備蓄を続け、さらにいつでも高速増殖炉の稼動に移れるように、MOX燃料を一般の原子炉(軽水炉)で燃やすという暴挙に手をつけたのである。プルトニウムは1グラムで50万人を肺がんにできるともいわれる猛毒である。大事故がおきれば、その及ぼす惨禍は広島や長崎の原爆以上のものとなるのは確実だ。
プルサーマルは、日本帝国主義の核武装政策の破綻と、にも関わらず核武装しようとする政府の凶暴な意志の表れである。その背後にあるのは、大恐慌への突入と世界戦争危機の深まりの中で、核兵器を持たないと世界戦争に備えられないという日本帝国主義の危機感だ。それを典型的に示しているのが田母神の「日本は核武装すべき」という発言である。
一方でオバマ米大統領のプラハ演説が、この日帝の動きに拍車をかけている。プラハ演説は米帝による核の管理と独占体制の強化に他ならず、これを口実に北朝鮮やアフガニスタンなどへの戦争を拡大していくものである。同時にそれは、あくまでもアメリカのコントロールのもとに日帝を従わせるという、対日争闘戦の性格ももっている。このアメリカに対抗して、日帝の帝国主義としての独自の核武装への衝動が強まっているのである。
この日帝の核武装政策は、連合や全労連の体制内労働運動の協力によって推進され、それが彼らの主導する原水禁や原水協の「プラハ演説翼賛運動」として今、露骨な北朝鮮排外主義をあおりながら、もっとも腐敗した形で進められようとしている。この反動的運動との対決が、今、反戦反核闘争上の最も重要な課題である。原水禁、原水協らのオバマ翼賛、プラハ演説翼賛運動と対
決して新たな反戦反核運動を労働者階級の国際連帯でつくりだそう! 反戦反核全国統一実行委の主催による8・8―8・9長崎反戦反核行動にともに立とう。(長崎・K)
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