韓国で治安弾圧激化――革命の現実性に脅えるイミョンバク政権
韓国でも労働者・学生に対する事情聴取、家宅捜索、逮捕など治安弾圧がエスカレートしている。イミョンバク政権は、5・1メーデー闘争、5・16全国労働者大会での労働者・学生の戦闘的決起(写真)に直面し、以降、「集会及び示威に関する法律」を厳正に適用すると称して、政府を批判する各種集会を事実上不許可にしている。5月20日には、5・16闘争の先頭で闘った貨物連帯の事務所に警察が襲撃的捜索を行い、組合員在籍証明書や会議資料、会計監査報告書など4~5箱分を押収した。
こうした中、労働者や学生に対する警察のでたらめな事情聴取や逮捕令状発付が相次ぎ、憤激を呼んでいる。警察はこれまで、集会示威法違反の前歴がある170人余りを召還対象とし、5月21日現在、9人を拘束し、90人余りを不拘束立件した。8つの大学の学生団体でつくる「公安弾圧大学生対策委員会」によると、5月22日現在までに学生団体のメンバー32人に警察が召喚状を送りつけ、そのうち、3度目の召還にも応じなかった高麗大総学生会長など16人に逮捕令状が出されたという。
1月に発生したヨンサン再開発地域住民強制排除・5名殺害に人民の怒りが高まり、連日ロウソク集会が闘われたことに対し、警察は3月に「専門デモ屋を捕まえる」と称して広範なデッチ上げ捜査を行ってきた。イミョンバク政権は、昨年5~6月のロウソク百万決起の再来を心底おそれているのだ。また、こうした弾圧を容易にするため、なんと集会でのマスク着用を禁ずる集会示威法改悪案(通称「マスク禁止法」)が6月国会で通過させられようとしている。
事情聴取・逮捕令状による弾圧は労働者にも及んでいる。その集会に参加していない人をも、警察はデモの写真を見せながら「この人物はあなたに似ている」と脅し、労働者側がアリバイを突きつけても「ミスはありうる」ととぼけているという。事情聴取を行うこと自体が、闘争参加を躊躇させようとする卑劣な弾圧なのだ。
一方、南北統一運動の団体に対する弾圧も激化している。国家情報院は5月21日、運動体関連のプロバイダーである「進歩ネット」を家宅捜索し、祖国統一汎民族連合南側本部の電子メールを03年1月にさかのぼって全て押収した。これに先立つ7日には同本部のイギュジェ議長を国家保安法違反の容疑で拘束し、そのほかにも全国の統一関連団体に対する捜査を激化させている。
全世界で労働者階級が革命的決起を開始している中、国家権力の弾圧も、どこでも一線を超え始めている。集会示威法、国家保安法、そして日本の暴処法、組対法――どれも労働者階級の団結と決起を粉砕し、闘いの意志をくじくことが目的だ。しかしわれわれマルクス主義者は、この治安弾圧法の全面発動の中に革命の現実性を見る。そこに敵の最後のあがきを見るからだ。治安弾圧を打ち破る唯一の道は、労働者階級の団結にとことん依拠し、闘いを全面的に、大衆的に、さらにさらに爆発させることだ。なによりも、弾圧そのもののでたらめさを徹底的に明らかにし、大衆的怒りを組織して同志を奪還しよう。
民主労総は5月21日、国会本会議の日程に合わせて6月総力闘争方針を決定した。インターナショナルの旗を高く掲げ、6・14-15闘争に総結集しよう。(H)
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