イギリスで体制内派の制動ぶち破る客室乗務員スト!
英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の客室乗務員労組が、3月20日から3日間の第1波ストライキに決起した。昨年末に会社が打ち出した大リストラ計画に反対してスト権を確立して以来、全力でストを阻止しようとした政府・資本と体制内労働組合指導部との、司法をも巻き込んだ激烈な攻防に勝ち抜いてのスト突入だ。メディア、経営、保守党と労働党政府による激しい批判をのりこえて、航空労働者の怒りはイギリス発着の約3分の1、1000便以上を欠航にたたき込み、スト終了後もイギリスの空は大混乱、会社に36億円を上回る大損害を与えた。(写真はストに突入した客室乗務員たち)
ストに決起した労働者は、「経営がやっているのはコスト削減だけじゃない、俺たちの労働組合を破壊しようとしている」(勤続20年の男性労働者)、「経営が清掃などを外注化し、サービスが低下したおかげで私はお客さんに謝ってばかりだ」(同16年の女性労働者)、そして何よりも、英労働党とブラウン首相がBA経営側を応援していることに怒りを大爆発させている。
ユナイト組合(Unite)は組合員200万人のイギリス最大の労働組合であり、客室乗務員組合はその最も強力な労働組合の一つである。資本と労働党政権は今回の計画で、客室乗務員組合を破壊することによって、ユナイト組合、ひいてはすべての労働者を屈服させようと狙っているのだ。ところがユナイト組合の中央指導部は、自らコストカットや賃下げ、労働条件の悪化まで経営に提案し、妥協の名で闘争を止めさせようとしている。事態は日本の国鉄闘争とまったく同じ構造であり、日本航空をめぐる攻防にもつながる問題だ。
BA労働者の闘いは、イギリス・ヨーロッパ階級情勢を左右する決定的な焦点となって闘われ、今回のストライキにはGMB(全国都市一般労組)、RMT(イギリス鉄道海運労組)、NUT(全国教員組合)、UCU(大学講師組合)、CWU(通信労働組合)など、イギリスを代表する基幹組合が続々と応援に駆けつけた。労働者の闘いが情勢を変えようとしている。次の第2波スト(3月27日から4日間)へ向かって、体制内派との闘いに勝利するかどうかが最大の攻防点だ。BA客室乗務員のストライキは、ドイツ・ルフトハンザでの4・13パイロット組合ストライキにも波及しようとしている。
ストに決起したリンダさんはこう言っている。「連帯メッセージは本当に私たちを激励する。特に世界からのメッセージはね」と。日本においても3・20の大成功を引き継ぎ、イギリス労働者と連帯し、国鉄・沖縄闘争で鳩山政権を打倒しよう!(SG)
(写真上、「ユナイトは客室乗務員を支持する」のスローガンを掲げるスト決起集会。 下、ようやく実現したストライキでうれしそうに旗を振る客室乗務員)
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