「農地は命!」―今秋決戦へ、市東さんが千葉地裁で闘争宣言
9月10日、千葉地裁で市東孝雄さんの二つの農地裁判の口頭弁論が連続して開かれた。反対同盟を始め、支援の労働者、市民が大挙詰めかけ「農地死守」の気概に燃えて傍聴席を埋めた。この日は裁判長の交代に伴う更新手続きで、市東さんが力強く陳述書を読み上げた。市東さんは、5月に予定されていた裁判期日が団結街道の封鎖攻撃による不当な逮捕・勾留で延期になったことに抗議し、暴力的な空港建設の歴史と今回の弾圧を鋭く批判した。そして現在のへの字誘導路に象徴的に表された欠陥空港の実態を暴き、弾劾した。最後に多見谷寿郎裁判長に向かって「農地は私たちの命。耕す者に権利ありです。畑を作り続けることこそ公共です」と締めくくった。この誇り高い闘争宣言に一同は胸を打たれ、惜しみない拍手を送った。
続いて葉山岳夫弁護士を先頭に反対同盟顧問弁護団が、全力を傾注して書き上げた準備書面の要旨を分担して陳述した。「現在のB暫定滑走路は国際条約に違反する危険極まりない代物であり成田は『国際空港』と呼ぶにはあまりにひどい欠陥空港である」「事業認定が失効し強制収用ができなくなった土地を民事裁判で奪い取るなど許されない」「耕作者の同意のない農地の賃貸借解約は違法・違憲である」「県が許可を出すまでの成田市農業委員会、千葉県農業会議での手続きそのものがデタラメであり、許可は無効である」「空港公団(NAAの前身)は本社が東京にある不在地主であり、買収は農地法違反である」「そもそもNAAによる土地の特定が誤っており、市東家が一度も耕したことのない土地を賃借地だと主張している」等々。国家暴力による成田空港建設の歴史と、現在のNAAの恥知らずな違法脱法の数々が、あらためて余すところなく暴露・断罪された。
この内容に圧倒された多見谷裁判長は今後の進行を確認するやりとりの中で、NAA代理人側に向かって「航空写真を見ると確かにその土地は耕作しているとは認められず、この点がはっきりするとこの訴訟は棄却になりますね。そこを踏まえて今後のご主張を」などと述べた。居直りとだんまりを通してきたNAAの弁護士も「棄却」の一語に凍りついたように顔色を失い、打撃感を隠せない。次回期日を11月26日、次々回を来年の2月22日として閉廷した。
千葉市ビジネス支援センターで記者会見と報告集会が、鈴木謙太郎さんの司会で開かれた(写真)。最初に市東さんが「向こうのデタラメをどんどん追及し押し込んでいく裁判を弁護士さんとともにやっていきます」と簡潔に決意を表し、大きな拍手を浴びた。続いて弁護団がそれぞれ法廷での闘いを振り返り、決意を述べた。北原鉱治事務局長が「今後裁判闘争が続くが、その中で第3誘導路による市東さんの家の囲い込み攻撃との闘いになるだろう」と述べ、10・10全国総決起集会への大結集を訴えた。さらに動労千葉、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会、関実が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは特にAPEC首脳会議を弾劾し、「今こそ労働者と農民が共同して闘う時」と訴えた。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「空港建設のためなら土地を奪ってもいいというあり方を、ここでぶち壊そう。市東さんの闘いは全国全人民自らの課題であることを訴えて、農地強奪を阻止し、今年前半戦の勝利からいよいよ後半戦に突き進もう」と呼びかけ、10・10大結集をアピールした。
9月16日(木)は鈴木さんの一坪共有地裁判だ。再び千葉地裁に結集しよう(9時半集合、10時半開廷)。反対同盟の熱烈な呼びかけにこたえ、10・10三里塚闘争の大爆発で第3誘導路を粉砕しよう!(TN)
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