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「強制執行阻止、農地守ろう!」―11・13集会 三里塚反対同盟の発言

11・13緊急現地闘争で、三里塚芝山連合空港反対同盟の各氏は、農地死守・強制執行阻止、戦争反対の烈々たる決意を表した。これに応え、全力で天神峰に駆けつけともに闘おう。

「みなさんの力で跳ね返す」 敷地内天神峰 市東孝雄さん
 (強制執行の攻撃について)ついに来たかという人もいると思います。私もこちらへ帰ってきてから22年目になりました。
2006年から16年、農地法裁判より先に始まった耕作権裁判がまだ続いています。NAAの不正義きわまりない訴訟ですね。NAAは原告であるならば、もっといろんな証拠を出してくるべきなんですよ。だけどこちらが反論した時だけしか反論しない。ですからこの裁判は16年たった今も前に進まない状況です。それで千葉地裁の裁判長は、「16年やったんだからもういいんじゃないか」(早く終わらせたい)みたいなことをこちらに言う。じゃあ、NAAに向かって証拠隠しの違法を指摘して証拠を出せと、なぜ言えないんだと。そういうことで伸びてるだけなんです。あいだ2年半(新型コロナの影響で)裁判が開かれない時もありました。ですから、判決は判決として(強制執行をやるというなら)やればいいんですよ。
受けますこっちは。そういう意気込みです。やはり私にとって農地は命そのものです。
ですから、その農地を取るというのなら、私だけでなく、ここに集まられた皆さんの力で跳ね返すという気持ちで、これからも農業をやっていきます。
最近は「からだが続く限り」って、いつも年寄りじみたことを言ってますけど、私はまだまだ大丈夫です。
ともに、明るい未来へ。三里塚をもう一度明るくしましょう。

「私たちの力を国家権力に見せつける」 敷地内東峰 萩原富夫さん
 本日の緊急闘争にこれだけたくさんの仲間に集まっていただいて、大変心強い限りです。私たちは、情勢についてみんなで一致した認識をもって、今この強制執行阻止の闘いに立ち上がっています。
NAAは急に動き始めたというか、ものすごい勢いで攻撃してきている。
日程的に見ると、9月2日に東京高裁で新やぐら裁判の反動判決が出て、そこに仮執行宣言が付いていました。それを行使されないために、執行停止を申し立てましたが、それが10月18日に東京高裁で棄却されました。
その月に間髪入れず、執行の申し立てというのをNAAが出してきた。この敵の準備の速さ、今すぐにもやりたいというような性急さに、私自身驚きまし。まさかこの天神峰の農地を簡単には取ることはできないだろうと正直思っていましたので、ことの重大さに私自身たじろぐ面はありました。
そして私たち事務局で議論を重ねながら、11月末が一つの山であるということで、本日の緊急闘争、27日の現地闘争、そして28日の耕作権裁判というところを頂点に、強制執行に立ち向かう私たちの力をNAA、国家権力に見せつける、絶対に強制執行を許さないという決意と態勢を構築していくという決意でおります。
皆さんもぜひ27日から座り込んで、絶対に許さないという決意を示していただきたいと思います。現地もその態勢づくりの準備に入りますのでどうかよろしくお願いします。
合わせてこの強制執行の審尋に対して私たちは意見書を提出します。私たちだけじゃなくて、今まで協力いただいた東峰のみなさん、そして三里塚闘争を闘ってきた人びとに、この執行に対する意見を、反対の声を上げてほしいということで、お願いをしているところです。
これはひとり市東さん、あるいはわれわれ反対同盟だけの問題ではありません。今後空港機能強化が進められる中で、ますます周辺住民の皆さんにとっても、空港がやるとなったら、国家暴力によって土地を奪っていくということの現われです。他人事ではなく自分たちの問題であることを訴え、空港周辺の皆さんとともに、執行阻止へ闘いと思います。

「市東東市さんの戦争体験」 反対同盟事務局員 伊藤信晴さん
 この強制執行をめぐる審尋について、今月の18日を締め切りとして私たち反対同盟の意見書を出し、その上で裁判所が授権決定(千葉地裁の任命する執行官に執行の権利を授ける決定=収去命令)を出す、という一連の手続きになります。
実際に執行がいつになるかはわかりませんが、2011年の現闘本部破壊の事態を見れば、かなり早急に行われるであろうと。NAA田村社長の記者会見を見たときに、予断を許さない状況に来ていることを私たちは感じています。
祖父の市太郎さん、父・東市さんと親子三代にわたって作ってきたこの農地を、NAAは取ろうとしている。孝雄さんは「私はこの地で農地を耕し、その野菜を消費者に届けることが私の誇りだ。そのために体の続く限りやっていく」と述べています。そうして皆さんとともに築いてきた団結を、市東さんは守り通しております。
この発言のどこが間違っているのか、どこが罪があるというのか!
じゃあ彼らは市東さんの農地を奪って何に使うのか。中国侵略戦争へ向けた空港の軍事使用のためでしょう。こんなでたらめなことを私たちは許すわけにはいきません。
あの市東東市さんはビルマ戦線に動員された。3個師団を繰り出したインパール作戦というでたらめな作戦の中で、数限りない兵士が殺された。ほとんどが餓死、栄養失調、赤痢、マラリアで命を落とした、そんな戦争だったんです。
東市さんはその戦争体験を常々語っていた。そして「革命的祖国敗北主義」「侵略戦争を内乱へ転化せよ」、これが東市さんの好きな言葉でした。
その反戦の思いを引き継いだ市東孝雄さんの闘いをしっかりと受け止め、この集会を大成功させ、農地を守り切らなければなりません。

「農地は農民の命」 婦人行動隊 宮本麻子さん
 今日の緊急闘争にこんなに多くの皆さんが駆けつけてくれて、本当に心強い限りです。
NAAは市東さんの農地取り上げ強制執行の手続きを開始しました。いま皆さんがいるこの土地、農地を取り上げるというのです。絶対にNAAに渡すわけには行きません。私たちもあらゆる手段をとって、農地を守り抜きたいと思います。農地取り上げを阻止しなければなりません。
市東さんの祖父の代から百年にわたって耕してきたこの豊かな農地を奪うことは許されません。農地は農民の命です。
71年の大木よねさんの代執行の時、公団は何をしたか。「明日は強制代執行はしない」と言っておきながら、突然やってきてよねさんを暴力的に排除した。
現闘本部破壊の時も、8月6日、みんなが広島に闘いに行っている日を狙ってやってきた。
空港公団=NAAは「用地取得のために強制的な手段はとらない」と約束したはずなのに、その言葉はどこへ行ったのか。
本当にどんな卑劣な手段でやってくるかわかりません。私たち反対同盟は24時間の監視態勢を強化し、ここで座り込み態勢をとっています。敵がこの土地に入ってこようものなら、すぐみんなに結集を呼びかけたいと思います。よろしくお願いします。
空港はコロナの影響で発着回数も減少し、増える見込みはありません。もう拡張など必要ないのです。なのになぜ土地取り上げをするのか、それは軍事空港を作るためです。この農地を守り抜くことは戦争反対の闘いでもあり、岸田政権打倒の闘いでもあります。沖縄、福島と連帯することにつながります。
農地死守、反戦・反核、空港反対を56年貫いてきました。
闘いには資金が必要です。今物価高騰のおり、何かと大変であるかと思いますが、ぜひ多くのカンパを寄せてくださるようよろしくお願いします。

「スクラムを組み強制執行阻もう」 決戦本部長 太郎良陽一さん
 強制執行攻撃に対して私たちは決戦本部をつくり、皆さんの力を借りながら、もう2年間泊まり込みを続けてきました。天神峰カフェも開いたりして、皆さん集まってきてくれて、近隣の方たちも集まってくれています。
この場所(天神峰)は三里塚闘争にとっては非常に重い場所だと思います。孝雄さんの父東市さん、母ときさんがここで踏ん張ってきた姿が目に焼き付いています。決して忘れることはありません。
萩原進事務局次長の提唱で始まった空港周辺地域の住民への宣伝活動も続いてきて、住民4団体が空港の機能強化、騒音に対して「これ以上は許せない」と飛行差し止めを求める新たな裁判を起こそうとしています。
全国の人びとの間でもも、「三里塚の市東さんの農業を守ろう」が合言葉になっています。
だからこそ、NAAはこの市東さんの農地をつぶそうとしている。もし強制執行がやられたら、全国の人びと、周辺の住民は必ず怒る。何をいまさら強制執行だ!と。裁判所も結託して、サギをも使って、国家権力の総力をあげて市東さんの農地を奪う。こんな理不尽な、こんな卑劣なことをだれも黙って見ていない!
安倍が殺された。私は大喜びです。安倍、自民党がやってきたことにみんな怒りを持って立ち上がっている。この闘いの先頭に三里塚が立とうじゃありませんか。
来るなら来い! この強制執行に立ち向かい市東さんの農地を守る陣形を、みんなで作ろうじゃありませんか。みんなでここでスクラムを組み、強制執行を阻みましょう!
いつ来るかわかりません。だから27日からの座り込み態勢に、一人でも多く人が決起してください。そして周りの方にこの市東さんの闘いを訴えてください。

スケジュール
◎団結街道裁判 11月18日(金) 午前10時30分開廷 千葉地裁

◎11・27天神峰現地闘争 11月27日(日) 午後1時 市東さん宅中庭集合 集会~デモ

◎耕作権裁判&千葉地裁包囲デモ 11月28日(月) 午前9時 千葉市葭川(よしかわ)公園集合 集会後、千葉市街地をデモ行進 10時30分開廷 千葉地裁

反対同盟と決意を一つにして、団結ガンバローを三唱した(11月13日 成田市天神峰)

市東家の飼い猫氏も「農地強奪絶対反対」を眼力で訴える

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